【16末ー18世紀前半 バロック】
「エウリディーチェ」Peri & Caccini, 1600
現存する最古のオペラ。伊詩人リヌッチーニが台本、ペーリとカッチーニが作曲。
- L'Orfeo「オルフェオ」Monteverdi (伊 1567-1643), 1607 Munich14@Prinz
最初の本格的なオペラ。ギリシア神話。
- ●Il ritorno d'Ulisse in patria「ウリッセの帰郷」Monteverdi, 1640 Munich01@Prinz
ギリシア神話。英雄オデュッセウスが妻ペネロペイアのもとに帰還し、求婚者たちを射殺し、息子テレマコスとも再会する。
- ●L'incoronazione di Poppea「ポッペアの戴冠」Monteverdi, 1642 Munich97@Prinz
バロック・オペラの最高傑作。
ローマ皇帝ネロの愛人ポッペアが皇后オクタヴィアを追い出しその地位を奪う。家庭教師セネカも自殺。
- Orpheus「オルフェウス」Luigi Rossi (伊 1597-1653), 1647 London15
フランスで上演された最初のイタリア・オペラ。ギリシア神話。
Giasone (Jason)「ジャゾーネ」Cavalli (伊 1602-1676), 1649
作者最大の成功作。ギリシア神話のイアソン(メデイアの夫)。
- La Calisto「カリスト」Cavalli, 1651 Munich05
ギリシア神話のカリスト、ゼウスに惚れられヘラに嫉妬されて熊にされた。
- Hipermestra「ヒュペルムネーストラー」Cavalli, 1658 Glyndebourne17
ギリシア神話。アルゴスの50人娘の長女で、エジプトの50人の息子のリュンケウスと結婚し、唯一父を裏切り夫を殺さなかった。
L'Orontea「オロンテーア」Cesti (伊 1623-1669), 1656 [London14]
アンドレーア・チッコニーニの戯曲に基づく。
Cadmus et Hermione「カドミュスとエルミオーヌ」Jean-Baptiste Lully リュリ (1632-87) 1673
オウィディウスの「変身物語」による。台本フィリップ・キノー。トラジェディ・リリックの導入。
- ●Dido and Aeneas「ディドとエネアス」Henry Purcell (英 1659-95), 1688 Barbican- Barbican25
ローマ神話。イギリスのバロックオペラの記念碑的作品。
- The Fairy-Queen「妖精の女王」Purcell, 1692 Glyndebourne09
シェイクスピア「真夏の夜の夢」に基づく。
- Medee「メデア」Marc-Antoine Charpentier (仏 1643-1704), 1693 ENO13
ギリシア神話。17世紀の最も優れたフランス・オペラ。
- Maddalena ai piedi de Cristo, Antonio Caldera (伊 1670-1728), 1700 Oxford- オラトリオ
- L'Olimpiade「オリンピアーデ」Vivaldi (伊 1678-1741), 1734 London24
シキオン王が王女を景品にオリンピックを開催、クレタの王子は実は息子で、二組が結婚。
- Hippolyte et Aricie「イポリトとアリシー」Jean-Philippe Rameau ラモー (仏 1683-1764), 1733 Glyndebourne13
ラシーヌの悲劇「フェードル」(代表作)に基づく。作者最初のオペラ。
フェードルが夫テゼーの留守中に義理の息子イポリートに恋をする。
- Les Indes galantes「優雅なインドの国々」Jean-Philippe Rameau, 1735-36 Munich16
「愛が全ての国を支配する」というテーマのオムニバス。
- Agrippina「アグリッピーナ」Haendel (独→英 1685-1759), 1709 Barbican- Munich19
ネロの母アグリッピナが、ローマ皇帝クラウディウスを没落させ、息子を皇帝に即位させる。
- ●Rinaldo「リナルド」Haendel, 1711 Munich00@Prinz 英国活動を決めた一作
十字軍の英雄リナルドが、イスラム教徒の女王Armida(とエルサレム王Argante)に恋人Almirenaを誘拐され誘惑されるが。
Il pastor fido「忠実な羊飼い」Haendel, 1712
Teseo「テセオ」Haendel, 1713
Ottone「オットーネ」Haendel, 1723
- ●Giulio Cesare in Egitto「エジプトのジュリアス・シーザー」Haendel, 1724 Glyndebourne05 [Munich94] 最盛期
ローマの将軍シーザーが、ポンペオとコルネリアの息子セストにトロメオ王を討たせ、クレオパトラを王位につける。
Tamerlano「タメルラーノ」Haendel, 1724
- Rodelinda, Regina de' Longobardi「ロデリンダ」Haendel, 1725 ENO14 [Munich03]
7世紀後半のランゴバルド王国。コルネイユの戯曲「ペルタリト」に基づく。
王妃ロデリンダが、ガリバルドに言われてグリモアルドと再婚しそうになるが、王は生きていた。
Poro「ポーロ」Haendel, 1731
Acis and Galatea「ナチスとガラテア」Haendel, 1732 [Munich01@Cuvillies]
- Orlando「オルランド」Haendel, 1732 Munich06
騎士オルランドがDorindaの客人Angelica(恋人Medoro)に失恋し狂気に陥るが、Zoroastroの魔術?により正気を取り戻す。
- Ariodante「アリオダンテ」Haendel, 1734 Munich00 Munich
騎士アリオダンテがスコットランド王女Ginevrasとの結婚を将軍Polinesso(とその恋人Dalinda)の策謀でひきさかれるが。
- Alcina「アルチーナ」Haendel, 1735 Munich05@Prinz [London22]
ルドヴィーコ・アリオスト(1474-1533)による叙事詩「狂えるオルランド」を題材。ルッジェーロが魔女アルチーナの元を去る。
Giustino「ジュスティーノ」Haendel, 1737 London26
- Berenice「ベレニーチェ」Haendel, 1737 London19
エジプトの女王の四角関係。
Alexander's Feast「アレクサンダーの饗宴」Haendel, 1736 オラトリオ
- Xerxes (Serse)「セルセ(クセルクセス)」Haendel, 1737 Munich96
ペルシャ王セルセ(婚約者アマストレ)が弟アルサメネの恋人ロミルダ(妹アタランタ)に恋してしまい奮闘するが。1幕『Ombra mai fu』
- Saul「サウル」Haendel, 1738 Munich03 オラトリオ
サムエル記。イスラエルの初代王サウルが嫉妬にかられて転落し戦死し、英雄ダビデが後を継ぐ。
Israel in Egypt「エジプトのイスラエル人」Haendel, 1738 オラトリオ
出エジプト記(1部)、モーセの歌(2部)。
●Messiah「メサイア」Haendel, 1741 Oxford- Barbican-
オラトリオ。キリストの降誕(1部)、受難と贖罪(2部)、復活(3部)。
Semele「セメレ」Haendel, 1743 London25 オラトリオ
オウィディウス「変身物語」より。
Belshazzar「ベルシャザール」Haendel, 1745 オラトリオ
Judas Maccabaeus「ユダス・マカベウス」Haendel, 1748 オラトリオ
Solomon「ソロモン」Haendel, 1748 オラトリオ
Theodora「テオドラ」Haendel, 1750 オラトリオ [London23]
- Jephtha「イェフタ」Haendel, 1752 WNO03 Barbican- オラトリオ
聖書の「士師記」第11章に基づく。イスラエルの指導者イェフタが娘を捧げる決意をする。
【18世紀 ドイツ・古典派】
- Mitridate, re di Ponto「ポントの王ミトリダーテ」Mozart, 1770 Munich11@Prinz London91
作者最初のオペラ・セリア。ローマとのミトリダテス戦争(BC88-63)。
- Lucio Silla「ルーチョ・シッラ」Mozart, 1772 Salzburg13
ローマの軍人ルキウス・コルネリウス・スッラ。女好きの独裁者だがジュニアを愛して変わる。ジュニアの三つのアリア。
Idomeneo「イドメネオ」Mozart, 1781
トロイア戦争後のクレタ島が舞台。
- ●Die Entfuehrung aus dem Serail「後宮からの逃走」Mozart (Austria 1756-91), 1782 Munich03 Berlin16
ブレッツナーの台本をゴットリープ・シュテファーニが改作。
16世紀のトルコを舞台に、スペイン貴族ベルモンテが恋人コンスタンツェを救出する物語。
- ●Le nozze di Figaro「フィガロの結婚」Mozart, 1786 Munich97 Munich Vilnius10 Munich17 London06
仏劇作家ボーマルシェ(1732-99)の喜劇。前作「セビーリャの理髪師」の後編。ロレンツォ・ダ・ポンテの伊語台本。
アルマビバ伯爵、夫人らの、伯爵の下僕フィガロと結婚する侍女シュザンヌの初夜権をめぐる恋愛喜劇。
- ●Don Giovanni「ドン・ジョバンニ」Mozart, 1787 Munich94 London02 WNO96 London新演出14 Frankfurt14 London London Paris23
スペインのドン・ファン伝説をもとに、ロレンツォ・ダ・ポンテの伊語台本で喜劇と銘打たれる。
女を口説いては捨ての主人公ドン・ジョバンニが天罰を受ける物語。
- ●Cosi fan tutte「コシ・ファン・トゥッテ(女はみんなこうしたもの)」Mozart, 1790 Munich93 London95 London新演出16 Munich新演出22
典型的なオペラ・ブッファ。ロレンツォ・ダ・ポンテの伊語台本。
ナポリの美人姉妹フィオルディリージとドラベッラの婚約者フェルランドとグリエルモが変装して貞節を試す物語。
- ●La clemenza di Tito「皇帝ティートの慈悲」Mozart, 1791 Paris97 [Munich99] [London21]
伊劇作家メタスタージオ(1698-1782)の台本をマッツォーラが改作。
ローマ皇帝ティートを愛するヴィッテリアが、彼女を慕うセストに皇帝暗殺を依頼するが。
- ●Die Zauberfloete「魔笛」Mozart, 1791 Munich78 Munich London03 London Sydney12 Berlin94
ジングシュピール(歌入り芝居)。興行師兼作者・俳優シカネーダーの台本といわれる。
古代エジプトが舞台のファンタジー。王子タミーノと鳥人間パパゲーノが試練をうけてパミーナおよびパパゲーナと結ばれる。
Il mondo della luna「月の世界」Joseph Haydn (墺 1732-1809), 1777
喜劇作家カルロ・ゴルドーニのイタリア語の戯曲に基づく。
- Orlando paladino「騎士オルランド」Joseph Haydn, 1782 Munich18
騎士オルランドがアンジェリカに片思いするが、魔女アルチーナに記憶を奪われるというギャグ。
- ●Fidelio「フィデリオ」Beethoven (独 1770-1827), 1805 Munich99 Munich London00 London新作20
仏ブイイの原作、ゾンライトナーの独語台本。権力への抵抗と夫婦愛を描く。
刑務所長ピツァロによって不当に捕われた夫フロレスタンを、妻レオノーレが男装してフィデリオと名乗り救い出す英雄物語。
【19世紀イタリア】
○Il matrimonio segreto「秘密の結婚」Cimarosa (伊 1749-1801), 1792 Naples
ロッシーニ登場までのオペラ・ブッファ第一人者。
- Demetrio e Polibio「デメートリオとポリービオ」Rossini, 1809/12 Pesaro10
La cambiale di matrimonio「結婚手形」Rossini, 1810 [Pesaro20]
- L'equivoco stravagante「ひどい誤解」Rossini, 1811 Pesaro19
- L'inganno felice「幸せな間違い」Rossini, 1812 Pesaro94 1幕セミセリア
- Ciro in Babilonia「バビロニアのチロ」Rossini, 1812 Pesaro12 Pesaro
La scala di seta「絹のはしご」Rossini, 1812
- La pietra del paragone「試金石」Rossini, 1812 Pesaro02
- L'occasione fa il ladro「成り行き泥棒」Rossini, 1812 Pesaro87 1幕
- Il Signor Bruschino「ブルスキーノ氏」Rossini, 1813 Pesaro12 1幕
○Tancredi「タンクレーディ」Rossini, 1813
作者初の本格オペラ・セリア。台本はヴォルテールの悲劇を元にガエターノ・ロッシが執筆。
- L'italiana in Algeri「アルジェのイタリア女」Rossini, 1813 Pesaro*213 [Pesaro25]
- Aureliano in Parmira「パルミーラのアウレリアーノ」Rossini, 1813 Pesaro14
- Il turco in Italia「イタリアのトルコ人」Rossini, 1814 Munich07.7@Prinz Munich Aix-en-provence14 London05 Pesaro*216 Munich [Pesaro26]
台本フェリーチェ・ロマーニ。
ナポリでトルコの王子セリムが若い人妻フィオリーラに好かれるも元婚約者のザイーダの元に戻る。
Sigismondo「シジスモンド」Rossini, 1814
Elisabetta, regina d’Inghilterra「英国女王エリザベッタ」Rossini, 1815 [Pesaro21]
- Torvaldo e Dorliska「トルヴァルドとドルリスカ」Rossini, 1815 Pesaro17
- ●Il barbiere di Siviglia「セビーリャの理髪師」Rossini (伊 1792-1868), 1816 Munich89 Munich Pesaro14? London05 Berlin68 Pesaro新演出18
19世紀最高のオペラ・ブッファ。仏劇作家ボーマルシェの喜劇。台本チェザーレ・ステルビーニ。
アルマビバ伯爵、良家の娘ロジーヌ、後見人バルトロ、かつての下僕で理髪師フィガロの恋愛喜劇。
- La Gazetta「新聞」Rossini, 1816 Pesaro*215
- Otello「オテッロ」Rossini, 1816 Milan15 [Pesaro22]
- ●La Cenerentola「シンデレラ」Rossini, 1817 Munich80 Munich
シャルル・ペロー再話。継母でなく継父、ガラスの靴でなくブレスレット。
- La gazza ladra「泥棒かささぎ」Rossini, 1817 Pesaro07
- Armida「アルミーダ」Rossini, 1817 Pesaro14
Adelaide di Borgogna「ブルゴーニュのアデライーデ」Rossini, 1817 [Pesaro23 - Olga]
Mose in Egitto「エジプトのモゼ」Rossini, 1818 Pesaro
- Adina「アディーナ」Rossini, 1818/26 Pesaro*218
- Ricciardo e Zoraide「リッチャルドとゾライデ」Rossini, 1818 Pesaro*218
Ermione「エルミオーネ」Rossini, 1819 [Pesaro24 - Florez]
Eduardo e Cristina「エドゥアルドとクリスティーナ」Rossini, 1819 [Pesaro23]
- La Dame du Lac「湖上の美人」Rossini, 1819 Paris10 London13 Pesaro*216
Bianca e Falliero「ビアンカとファリエーロ」Rossini, 1819 [Pesaro24]
Maometto secondo「マオメット2世」Rossini, 1820/22
- Matilde di Shabran「マティルデ・ディ・シャブラン」Rossini, 1821 Pesaro04 Pesaro
Zermira「ゼルミーラ」Rossini, 1822 [Pesaro25]
- Semiramide「セミラーミデ」Rossini, 1823 Munich17 London London Pesaro*219
イタリアでの最後のオペラ
古代アッシリア王国、女王セミラーミデはアッスールと不倫して王を殺してて、息子アルサーチェに殺される。
- Il viaggio a Reims「ランスへの旅」Rossini, 1825 Pesaro*201 Pesaro Pesaro Sydney15
シャルル10世の戴冠式のためのカンタータ
- Le siege de Corinthe「コリントスの包囲」Rossini, 1826 Pesaro17
「マホメット2世」の改作
Moise et Pharaon「モイーズ」Rossini, 1827 [Pesaro21]
「エジプトのモーゼ」の改作
- Le Comte Ory「オリー伯爵」Rossini, 1828 Milan14 [Pesaro22]
「ランスへの旅」から流用
- ●Guillaume Tell「ウィリアム・テル」Rossini, 1829 Pesaro*313 London15 Munich14
独劇作家シラーの戯曲に基づく。作者最後のオペラ。4幕グランド・オペラ
スイスの弓の名人テルが、長老の息子アルノール(ハプスブルク皇女マティルドと恋)と反乱して勝つ。
- Il Paria「パーリア」Donizetti, 1829 Barbican-
階級の違いによる恋愛悲喜劇。
- ●Anna Bolena「アンナ・ボレーナ」Donizetti (伊 1797-1848), 1830 Munich95 WNO13
女王三部作。台本フェリーチェ・ロマーニ。
アンナ王妃が、エンリコ王が侍女で親友のジョバンナと結婚するために、罠にかけられ気が狂い獄死。
史実は、英王ヘンリー8世の妃アン・ブリン。エリザベス1世の母。もと王妃の侍女で、男子の生まれなかった王妃から略奪婚。のちに貫通容疑で処刑。
- ●L'Elisir d'amore「愛の妙薬」Donizetti, 1832 Wien80 London12 Hamburg77 Zurich10 London Munich09 Munich
原作はオベールのオペラ「媚薬」。台本フェリーチェ・ロマーニ。
地主の娘アディーナ、純朴青年ネモリーノ、ベルコーレ軍曹、惚れ薬をめぐる恋愛喜劇。
2幕『Una fortiva lagrima 人知れぬ涙』
- Lucrezia Borgia「ルクレツィア・ボルジア」Donizetti, 1833 Munich09 Munich Munich Munich*2
ユゴーの戯曲に基づく。台本フェリーチェ・ロマーニ。
史実ではローマ教皇アレクサンデル6世の娘で父と兄に政略結婚させられる。夫はエステ家のアルフォンソ、フェラーラ公。義姉イザベラの夫と不倫。
- ●Maria Stuarda「マリア・ストュアルダ」Donizetti, 1834 WNO13 London14 Gartner18 Naples23
女王三部作。台本ジュゼッペ・バルダーリ。
スコットランド女王マリア・ストゥアルダが、レスター伯ロベルトとの仲を嫉妬され、エリザベス女王に処刑される。
史実は、スコットランドの女王メアリー・スチュアート。仏王と結婚、帰国、従弟と再婚、不倫、夫暗殺、下手人と再々婚で退位、イギリス逃亡、20年幽閉のち、エリザベス女王暗殺容疑で処刑。エリザベス女王の寵臣のレスター伯ロバート・ダドリーでなく、従弟のダーンリー卿ヘンリーと結婚。
Marino Faliero「マリーノ・ファリエーロ」Donizetti, 1835
- ●Lucia di Lammermoor「ランメルムーアのルチア」Donizetti, 1835 Munich91 Munich新演出15 Barcelona15 London16 London London Wien Berlin80
英作家W・スコットの小説「ラマムアの花嫁」に基づくサルヴァトーレ・カンマラーノの台本。17世紀のスコットランドが舞台。
ルチアが兄で領主エンリコを仇敵とねらうエドガルドと恋に落ち、政略結婚させられ、発狂して心中。
- ●Roberto Devereux「ロベルト・デヴリュ」Donizetti, 1837 Munich04 Munich Munich WNO13 Munich Amsterdam24
女王三部作。台本サルヴァトーレ・カンマラーノ。
エリザベス女王が、反逆罪で逮捕された寵臣ロベルト・デヴリューに愛を拒まれ、女官サラとの不倫をしらず処刑してしまう。
史実は、エリザベス1世、生涯独身、死後はメアリー・スチュアートの子がジェームズ1世として即位。この寵臣はアイルランドの反乱鎮圧に失敗、セシルと対立して処刑される。
- Poliuto「ポリウト」Donizetti, 1838パリ, 1848ナポリ Glyndebourne15
コルネイユの戯曲「ポリュークト」が題材。ナポリ初演は検閲で中止になりテノール投身自殺。フランス語でパリ初演。
ポリウト夫妻が紆余曲折の末、キリスト教徒となりライオンの生贄にされる。
- La fille du regiment「連隊の娘」Donizetti, 1840パリ London07 Paris London London London
4時間で書いたコミックオペラ。トニオが軍隊で育ったマリー実は侯爵夫人の娘と結ばれる。
- La favorite「ラ・ファヴォリータ」Donizetti, 1840 Paris- Munich17
修道士フェルナンドがレオノーラ実は国王の愛人に恋して、戦争いって、修道院に戻り、彼女を看取る。
Rita「リータ」Donizetti, 1841
登場人物三人の短い喜劇オペラ。
- Linda di Chamounix「シャムニーのリンダ」Donizetti, 1842 Barcelona11 Barcelona
貧しい小作人の娘リンダが発狂した後、恋人カルロ実はシルヴァーノ公爵と結ばれる。
- Don Pasquale「ドン・パスクワーレ」Donizetti, 1843 London01 Gaartnerpl12 London新作*220
資産家パスクワーレが甥エルネストの恋人ノリーナに騙されて結婚し、甥に財産を譲る。
- Adelson e Salvini「アデルソンとサルヴィーニ」Bellini, 1825 Barbican-
作者最初のオペラ。
Il pirata「海賊」Bellini, 1827
フェリーチェ・ロマーニとの最初のオペラ。
- La straniera「異国の女」Bellini, 1829 Zurich13
台本フェリーチェ・ロマーニ。
アルトゥーロ伯爵がアライデ実は王妃アニェーゼに恋して自殺。実は彼女の兄の友人ヴァルデブルゴ男爵、婚約者イゾレッタ。
- I Capuleti e i Montecchi「カプレーティとモンテッキ家」Bellini, 1830 Sydney08 Munich11 Zurich15 Catania22
シェイクスピアの戯曲に基づく。台本フェリーチェ・ロマーニ。
- La sonnambula「夢遊病の女」Bellini, 1831 London02 Barcelona Barcelona
台本フェリーチェ・ロマーニ。
村で評判の美人アミーナが夢遊病のせいで恋人エルヴィーノに疑われて発狂。
- ●Norma「ノルマ」Bellini (伊 1801-35), 1831 Munich06 London Frankfurt18
台本フェリーチェ・ロマーニ。紀元前50年頃、ローマ共和政末期のガリア地方を舞台とする悲劇。
修道女ノルマは敵方の総督ポリオーネと恋し子までもうけるが、若い修道女アダルジーザに奪われ、嫉妬し、自害。
- ●I puritani「清教徒」Bellini, 1835 Munich00 Munich Paris13 Torino15 Oxford15
作曲者最後のオペラ。台本カルロ・ペーポリ。17世紀半ば、イギリスの清教徒革命が舞台。
清教徒側の娘エルヴィーラが、敵方アルトゥーロと恋し裏切られたと勘違いして気が狂うが、最後は大団円。
- Nabucco「ナブッコ」Verdi, 1842 London*213 London Munich08
大成功の出世作。旧約聖書のナブコドノゾール王が題材。
バビロニア王ナブッコが、悪娘アビガイッレに計られ狂うが、恋人のためユダヤ教に改宗した娘フェネーナを救う。
3幕合唱『Va, pensiero, sull'ali dorate 想いよ、金の翼に乗って行け』
Ernani「エルナーニ」Verdi, 1844 [Bregenz23]
ユゴーの同名戯曲。初期の傑作の一つ。
- Macbeth「マクベス」Verdi, 1847, 1865改訂 London*202 Barcelona12 London Munich*208
シェイクスピアの悲劇。
スコットランドの武将マクベスが、ダンカン王を弑逆、将軍バンクォーを暗殺するが、王の長子らに討ち取られる。
- Luisa Miller「ルイザ・ミラー」Verdi, 1849 Barcelona10 [Munich07.5] Glyndebourne21
ミラー家ルイザ、恋仲の男に婚約者ができ、別の男とくっつけられ、二人とも服毒自殺。
- ●Rigoletto「リゴレット」Verdi (伊 1813-1901), 1851 Munich05 Munich London01 Birmingham02 London London Wien14 Paris16 London London新演出21
仏作家ユゴー(1802-85)の戯曲「王は楽しむ」をもとにフランチェスコ・M・ピアーベの台本。
領主マントバ公爵の女漁りを手伝っていた道化リゴレットが、愛娘ジルダを公爵に奪われ、暗殺を試みるも愛娘が身代りに死す。
- ●Il trovatore「トロバトーレ(吟遊詩人)」Verdi, 1853 Munich92 Munich London16 London新演出21
原作はグティエレスの戯曲、サルバトーレ・カッマラーノが執筆途中で他界、レオーネ・エマヌエーレ・バルダーレが完成。15世紀初頭の北スペインが舞台。
ルーナ伯が伯爵令嬢レオノーレをめぐって弟マンリーコと恋敵になり、女は自殺、弟は処刑という運命悲劇。
- ●La traviata「椿姫」Verdi, 1853 Munich93 Munich Munich Wien71 London94 London London London London Berlin99 Munich London London
仏作家デュマ(1824-95)の長編小説。フランチェスコ・M・ピアーベの台本。
高級娼婦ビオレッタが若い男アルフレードと恋に落ちるが、男の父の説得で身をひき、誤解が生じて病死。
1幕『Libiamo ne' lieti calici 乾杯の歌』
- Les Vepres siciliennes「シチリアの晩鐘」Verdi, 1855 London13 London London London Munich18
史実を元にしたグランド・オペラ。仏語。
シチリアの活動家プロシダがエレナ公女とその恋人アリーゴと戦うが、アリーゴは実はシチリア総督の息子で、結婚式の鐘とともに仏人を虐殺。
- Simon Boccanegra「シモン・ボッカネグラ」Verdi, 1857 London91 Grange 25
原作は史実に基づくグティエレスの戯曲。ピアーヴェの台本、ボーイトが改訂。
ジェノヴァ総督シモンが実娘アメーリアを通じて義父フィエスコと和解し死亡、後継は娘婿のガブリエーレ。
- ●Un ballo in maschera「仮面舞踏会」Verdi, 1859 Munich94 [London14] Munich新演出*216
スウェーデン国王・グスタフ3世の暗殺事件を題材とする。台本アントニオ・ソンマ。
リッカルド総督が部下レナートの妻アメリアを愛し、仮面舞踏会のさなかに殺される。小姓オスカル。
- La forza del destino「運命の力」Verdi, 1862, 1869改訂 [Munich05] Munich新演出13 Munich Amsterdam17 London
リバス公ドン・アンヘル・デ・サーベドラ(1791-1865)の戯曲「ドン・アルバーロ、あるいは運命の力」。結末と序曲は改訂。
公爵の娘レオノーラが、戦争で負傷したかつての恋人アルヴァーロと再会するが、兄ドン・カルロに邪魔され死亡。
- ●Don Carlo「ドン・カルロ」Verdi, 1867 Wien04 Munich00 London08 Munich Budapest22
独劇作家シラー(1759-1805)の戯曲。スペイン国王フェリペ2世の嫡子ドン・カルロスの早死をもとにした悲劇。
王子カルロスが、かつての婚約者で継母のエリザベトへの恋情と、属領オランダの人民の救済とで揺れ動く物語。
- ●Aida「アイーダ」Verdi, 1871 Munich96 Munich新演出09 Sydney09 London10 Wien84 London新演出23
グランド・オペラの代表作。台本ギスランツォーニ。
エジプトの若き将軍ラダメスと、とらわれの身にある敵国エチオピアの王女アイーダとの悲恋物語。
- ●Othello「オテロ」Verdi, 1884 Munich99 Munich London87 London新演出*217 Munich新演出18 Grange22
シェイクスピアの悲劇。アリゴ・ボイトが台本。
黒人将軍オセロが、旗手イアーゴに計られて、副官カッシオとの仲を疑い、妻デズデモーナを殺してしまう。
I due Foscari「二人のフォスカリ」Verdi, 1844 [London14]
英詩人バイロン(1788-1824)の戯曲が原作。
- ●Falstaff「ファルスタッフ」Verdi, 1893 Munich01 Munich London12 Berlin13 London
作曲者最後のオペラ。シェイクスピア「ヘンリー4世」「ウィンザーの陽気な女房たち」から素材をとり、アリゴ・ボイトが台本。
放蕩で大酒飲みの老騎士フォルスタッフとウィンザーの町の人々の愉快な人間関係を描く。
- ●Mefistofele「メフィストフェーレ」Arrigo Boito (伊 1842-1918), 1868 Munich*215
作者最初のオペラ。ゲーテの小説「ファウスト」が原作。
- ●La Gioconda「ラ・ジョコンダ」Amilcare Ponchielli (伊 1834-86), 1876 Grange22
ユゴーの戯曲「パドヴァの僭主アンジェロ」、アリゴ・ボイト台本。3幕のバレエ音楽『時の踊り』が有名。
歌姫ジョコンダが公爵エンツォを助けるも報われず、別の男に迫られ自殺、母も殺されてた。
- Le Villi「妖精ヴィッリ」Puccini 1884 Holland22
スラヴ地方の伝承物語が原作。作者最初のオペラ。
新婚のアンナが夫ロベルトに浮気され絞殺?
- ●Manon Lescaut「マノン・レスコー」Puccini (伊 1858-1924), 1893 Munich02 London14 ETO24
大成功の出世作。原作は仏作家アベ・プレボーの小説。
青年騎士デ・グリューが美少女マノンと恋におち、パリ、アメリカとさまよい砂漠で彼女は死亡。
- ●La Bohe^me「ラ・ボエーム」Puccini, 1896 Munich69 Barcelona06 Barcelona London74 London London London Sydney11 London London新演出17 London London
仏作家アンリ・ミュルジェールの小説「ボヘミアンたちの生活情景」をもとにイッリカとジャコーザの台本。
パリのラテン区に住む病身のお針子ミミと貧乏詩人ロドルフォとの悲恋を中心に、彼らを取り巻く人々の日常を描く。
1幕『Che gelida mania 冷たい手を』『Si, mi chiamano Mimi 私の名はミミ』
- ●Tosca「トスカ」Puccini, 1900 Munich76 Sydney08 Wien58 London06 Sydney13 Milan09 London London London ENO22
ビクトリアン・サルドゥーの戯曲に基づき、ルイージ・イリカとジュゼッペ・ジャコーザが伊語台本。1800年のローマが舞台。
歌姫トスカが警察長官スカルピアに惚れられ、恋人の画家カバラドッシとひきさかれ、刺殺するが恋人は銃殺され投身自殺。
2幕『Vissi darte 歌に生き恋に生き』3幕『E lucevan le stelle 星は光りぬ』
- ●Madama Butterfly「蝶々夫人」Puccini, 1904 Munich73 Munich London03 Amsterdam19
ジョン・ルーサー・ロングの小説を戯曲化したものからルイジ・イリッカとジュゼッペ・ジャコーザが伊語台本。
長崎を舞台に芸者蝶々さんと海軍士官ピンカートとの国際結婚の悲劇。
2幕『Unbel di vedremo ある晴れた日に』
- La Fanciulla del West「西部の娘」Puccini, 1910 Frankfurt11 Hamburg15 Munich19 Munich
デイヴィッド・ベラスコの舞台劇。酒場の女主人ミニーが、保安官ランスを騙して盗賊ラメレスをかばい二人で逃げる。
- La rondine「つばめ」Puccini, 1917 London02
銀行家の愛人マグダが夫の友人の息子ルッジェーロと恋して、本気になられて別れる。
●Il trittico「三部作」Puccini, 1918 Holland Park15
三つの1幕オペラ。
- Il tabarro「外套」
- Suor Angelica「修道女アンジェリカ」 Rome
- Gianni Schicchi「ジャンニ・スキッキ」 Holland Park12 Grange24
ジャンニ・スキッキが死んだ大富豪の遺産を奪い、娘ラウレッタは大富豪の甥と結ばれる。
1幕『O mio babbino caro 私のお父さん』
- ●Turandot「トゥーランドット」Puccini, 1926 London84 London London Melbourne90
未完で死亡し、弟子フランコ・アルファーノが完成。カルロ・ゴッツィの寓話劇からジュゼッペ・アダミとレナート・シモーニが台本。
伝説時代の北京を舞台に、タータル国の王子が冷酷なトゥーランドット姫を愛に目覚めさせる物語。
3幕『Nessun dorma 誰も寝てはならぬ』
- ●Cavalleria rusticana「カバレリア・ルスティカーナ(田舎の騎士道)」Mascagni マスカーニ (伊 1863-1945), 1890 Holland Park13 London15 London
ベリズモ・オペラの先駆的作品。1幕。ジョヴァンニ・ベルガの短編小説を原作者が戯曲化。タルジョーニ・トツェッティとメナシが台本。
シチリア島が舞台の恋愛悲劇。トゥリッドゥがアルフィオの妻で元恋人のローラと不倫し決闘で死す。
- Zanetto「ザネット」Mascagni, 1896 Holland Park12
1幕。田舎の宿屋の女主人シルヴィアが美少年に恋をし、また泣けるようになった。
- Iris「イリス(あやめ)」Mascagni, 1898 Holland Park16
日本人娘イリスが吉原に誘拐され、盲目の父に誤解され、自害。
- Isabeau「イザボー」Mascagni, 1911 Holland Park18
無垢ゆえに結婚を断ったイザボーが裸で馬に乗せられ、それを見た鷹匠と恋に落ちるが、二人とも死亡。
- ●I Pagliacci「道化師」Leoncavallo レオンカバッロ (伊 1858-1919), 1892 Holland Park13 London15 London
ベリズモ・オペラの傑作。2幕。判事の父が扱った実話をもとに自らが台本。
南イタリアを舞台に、旅芝居一座の長カニオが妻ネッダを殺してしまう悲劇。
1幕『Vesti la giubba 衣装をつけろ』
- Zaza「ザザ」Leoncavallo, 1892 Holland Park17
女優ザザがパリの金持ちと恋に落ちるが、男には妻子がいて、破局。
- ●Andrea Che'nier「アンドレア・シェニエ」Umberto Giordano (伊 1867-1948), 1896 Munich17 London15 London
ベリズモ・オペラの傑作のひとつ。4幕。実在の詩人の半生を描く。
革命前のフランス、詩人が伯爵令嬢マッダレーナと出会う。没落した彼女は元家来で政府高官のジェラールに身を捧げるも、革命裁判、二人で刑場へ。
Fedora「フェドーラ」Giordano, 1898 [Stockholm16]
仏劇作家サルドゥの戯曲。
Siberia「シベリア」Giordano, 1903
- L'arlesiana「アルルの女」Cilea, 1897 Holland Park19
仏作家アルフォンス・ドーデ(1840-97)の短編小説に基づく。テノールのアリア『フェデリコの嘆き』
南仏豪農の息子フレデリがアルルの女に恋して結婚しようとするも嫉妬して自殺。
- ●Adriana Lecouvreur「アドリアーナ・ルクヴルール」Francesco Cilea (伊 1866-1950), 1902 Holland Park14 London10
18世紀前半の実在の女優を描く。新イタリア楽派オペラの佳作。
女優アドリアーナが恋人マウリツィオとの仲を公妃に嫉妬され毒殺される。
- Il segreto di Susanna「スザンナの秘密」Ermanno Wolf-Ferrari (伊 1876-1948), 1909 Holland Park19
夫が浮気を疑ったら煙草吸ってただけ。
I gioielli della Madonna「マドンナの宝石」Wolf-Ferrari, 1911
- L’amore dei tre Re「三人の王の愛」Italo Montemezzi (伊 1875-1952), 1913 Holland Park07
作者で最も有名。
○Cyrano de Bergerac「シラノ・ド・ベルジュラック」Franco Alfano (伊 1875-1954), 1936
仏劇作家エドモン・ロスタンの韻文戯曲に基づく。17世紀フランスに実在した剣豪作家が主人公。
- La fiamma「炎」Ottorino Respighi (伊 1879-1936), 1934 Berlin24
ノルウェーの演劇が原作。
東ローマ帝国の総督の後妻が義息と不倫して夫が死亡、魔女裁判にかけられる。
- Francesca da Rimini「フランチェスカ・ダ・リミニ」Riccardo Zandonai (伊 1883-1944), 1914 Berlin21
ダンヌンツィオの作詩。
ラヴェンナ領主グイド・ダ・ポレンタの娘(1255-85)、義弟と浮気して夫に殺される。
Il cappello di paglia di Firenze「フィレンツェの麦わら帽子」Nino Rota (伊 1911-79), 1946
映画音楽で知られる作者の代表作。
【19−20世紀 ドイツ・ロマン主義とウィンナ・オペレッタ】
- ●Der Freischuetz「魔弾の射手」Weber (独 1786-1826), 1821 Munich98
ドイツの古い伝説をもとに、フリードリヒ・キントの台本。悪魔との精神的戦いと魂の救出を描く。
猟師マックスが、悪魔に魂を売った猟師カスパルの勧めで射撃大会で魔弾を使ってしまう。
- Il Templario「神殿の騎士」Otto Nicolai (独 1810-49), 1840 Salzburg-
騎士ウィルフレッドがユダヤ人の娘レベッカに助けられ恋するも別れさせられ死亡。
Die lustigen Weiber von Windsor「ウィンザーの陽気な女房たち」Otto Nicolai, 1849
作者の代表作。シェイクスピアの戯曲に基づく。
Martha「マルタ」Friedrich von Flotow (独 1812-83), 1847
ドイツ風のオペラ・コミック。『夏の名残りのバラ』が有名。
- Der fliegende Hollaander「さまよえるオランダ人」Wagner (独 1813-83), 1843 Munich06 Hamburg22 London09
北欧の幽霊船伝説をもとに自ら台本作成。楽劇でなく歌劇の形式。
神を恐れぬ暴言を吐いたために海上をさまよう運命となったオランダ人が、一女性ゼンダの死によって救済される。
- ●Tannhaauser und der Saangerkrieg auf der Wartburg「タンホイザーとワルトブルクの歌合戦」Wagner, 1845 Munich94 Munich Munich London10 Munich*217新演出
中世ドイツの史実や伝説をもとに自ら台本作成。
愛の女神ウェヌスのもとで官能の世界におぼれていた騎士タンホイザーが、ワルトブルクの歌合戦に参加し、肉欲を肯定する罪を犯し、官能の世界に戻ろうとするが、領主の姪エリーザベートの死によって救済される。
- ●Lohengrin「ローエングリン」Wagner, 1848完成, 1850 Munich99 Bayreuth10 London18 Paris23
ドイツや北欧の伝説をもとに自ら台本作成。
領主の娘エルザが謎の騎士ローエングリンに助けられ結婚するが、正体を問いつめたため、白鳥にされていたエルザの弟ゴットフリートを人間に戻して騎士は去る。
- ●Tristan und Isolde「トリスタンとイゾルデ」Wagner, 1859完成, 1865 Munich98 Bayreuth15 [London09]
中世の伝説をもとに自ら台本作成。
騎士トリスタンが王の花嫁イゾルデと恋におち、逢い引きが発覚し、二人とも死亡。
- ●Die Meistersinger von Nuernberg「ニュルンベルクのマイスタージンガー」Wagner, 1867完成 Munich04 Munich London93 Munich新演出16 London新演出17 Bayreuth17 Munich
15-16世紀ドイツで栄えた市民による歌唱芸術(マイスタージンガー)をもとに自ら台本作成。
マイスタージンガーで靴屋の親方ハンス・ザックスが、若い騎士ワルター・フォン・シュトルツィングを助けて歌合戦に勝たせ、恋人エーファを獲得させる。
●Der Ring des Nibelungen「ニーベルングの指環」Wagner, 1876
北欧神話や伝説を素材として自ら台本作成。十数時間のオペラ史最長作品。
- 序夜 Das Rheingold「ラインの黄金」Munich02 London04 Bayreuth13 Munich12 London
地下に住む小人のニーベルング族のアルベリッヒが黄金の指環を盗んで財宝を手にするも、
神々の王ウォータンに奪われ呪いをかける。指輪が渡った巨人族の兄弟は殺し合う。
- 第一夜 Die Walkuere「ワルキューレ」Munich03 Munich Munich新演出12 London05 Bayreuth13 Munich12 London
ウォータンが人間の女に生ませた双子の兄ジークムントと妹ジークリンデが愛し合い兄は死亡。
ウォータンと智恵の女神との間の九人娘ワルキューレの一人のブリュンヒルデはその妹を助けたため神の座から失墜。
- 第二夜 Siegfried「ジークフリート」Munich02 London05 Bayreuth13 Munich12 London
その兄妹から生まれた英雄ジークフリート。
アルベリッヒの弟ミーメはジークフリートに仕えていて、毒殺を計るが敗北。
ジークフリートがブリュンヒルデと出会い恋におちる。
- 第三夜 Goetterdaammerung「神々の黄昏」Munich03 London06 Bayreuth13 Munich12 London
アルベリッヒの子ハーゲンが二人を引き裂き、ジークフリートは死亡、
ブリュンヒルデが殉じて指輪の呪いを解く。旧世界が陥落し、新世界の到来を予感させて終わる。
- ●Parsifal「パルジファル」Wagner, 1882 Munich95 Munich London13 Berlin15 Munich18
舞台神聖祭典劇。中世の叙事詩をもとに自ら台本作成。
キリストの血をうけた聖杯を守る騎士団の王アムフォルタスは妖女クントリーの愛欲に迷って魔術師クリングゾルに重傷をおわさせられたが、清き愚者パルジファルが老騎士グルネマンツに導かれて同情をしり、クントリーと騎士団を救済する。
- ●Haensel und Gretel「ヘンゼルとグレーテル」Humperdinck フンパーディンク (独 1854-1921), 1893 [Munich65] Munich13 London08
グリム童話。
Die Heirat Wider Willen「不本意な結婚」Humperdinck, 1905
Koenigskinder「王様の子供たち」Humperdinck, 1910 [Munich06] [Amsterdam22]
- ●Die Fledermaus「こうもり」Johann Strauss (子) (Austria 1825-99), 1874 Munich78 Munich
オペレッタの最高傑作。ベネディクスの喜劇「監獄」を戯曲化したものをC・ハフナーとR・ジュネが台本。
こうもりとあだ名されるファルケ博士が資産家アイゼンシュタインに仕掛けた妻ロザリンデの罠。
○Der Zigeunerbaron「ジプシー男爵」Johann Strauss (子) , 1885
オペレッタ。ハンガリーの作家ヨカイの小説「ザッフィ」を、原作者とシュニッツァーが台本。
青年バリンカイがジプシーの娘、実はトルコ総督の娘ザッフィと結ばれる。
- ●Die Lustige Witwe「メリー・ウィドー(陽気な未亡人)」Leha'r (Austria 1870-1948), 1905 Melbourne17
ダンス・オペレッタの先駆。H・メイヤックの仏喜劇「大使館随員」をV・レオンとL・シュタインが脚色。
金持ちの未亡人ハンナ・グラヴァリがダニロ・ダニロヴィッチ伯爵と結ばれる。
- ●Salome「サロメ」Richard Strauss, 1905 Munich06 London08 London Munich新演出19
原作は新約聖書に基づくオスカー・ワイルドの戯曲。ワーグナー的官能性。
王女サロメが銀の盆にのせた愛するヨナカーンの首を所望する。
- ●Elektra「エレクトラ」Richard Strauss (独 1864-1949), 1909 Munich97 Munich London03 London新演出24
ギリシャ悲劇、ソフォクレス原作。ホフマンスタール(1874-1929)台本。表現主義。
父アガメムノンを殺した母クリュタイムネストラを、愛する兄オレステスに殺させる。
- ●Der Rosenkavalier「バラの騎士」Richard Strauss, 1911 Munich72 ENO08 Munich Copenhagen08 London*216 Munich21
オーストリアの劇作家フーゴー・フォン・ホフマンスタール台本。マリア・テレジア治下1740年代のウィーンが舞台。
元帥夫人マルシャリンの恋人オクタビアン伯爵が、オックス男爵の婚約者ゾフィーにバラを届け、若い二人が恋に落ちる。
- Ariadne auf Naxos「ナクソス島のアリアドネ」Richard Strauss, 1912 Munich08 Hamburg12 London02 London Munich
ホフマンスタール台本。
ギリシャ神話の英雄テセウスに置き去りにされたアリアドネの話を劇中オペラとする。
- ●Die Frau ohne Schatten「影のない女」Richard Strauss, 1919 Munich92 London14
原作はホフマンスタールのメルヘン小説で台本も原作者。
精霊の王の娘は影をもたぬため、皇帝である夫を石にされるが、自己犠牲により救済される物語。
- ●Arabella「アラベラ」Richard Strauss, 1933 Munich01 Paris12
原作はホフマンスタールの小説「ルチドール」で台本も原作者。
1860年代のウィーンを舞台に、美貌のアラベラ、妹ズデンカ、地主の甥マンドリカ、士官マッテオによる恋愛喜劇。
Die schweigsame Frau「無口な女」Richard Strauss, 1935 [Munich10]
- Daphne「ダフネ」Richard Strauss, 1937 Hamburg15
ギリシア神話。
- Capriccio「カプリッチョ」Richard Strauss, 1941 London- Paris04
作者最後のオペラ。
Pierrot lunaire「月に憑かれたピエロ」Schoenberg, 1912
室内楽伴奏による連作歌曲。
- ●Moses und Aron「モーゼとアロン」Schoenberg シェーンベルク (墺1874-1951), 1932未完 WNO03 [Munich06]
旧約聖書「出エジプト記」。
- Der ferne Klang「はるかなる響き」Franz Schreker(墺1878-34), 1913 Stockholm19
作曲家フリッツが響きを求めて恋人グレーテを捨て、彼女は娼婦になるも再会、彼はまだ響きを求めて死亡。
Die Gezeichneten「烙印を押された人々」Franz Schreker, 1918
独劇作家Frank Wedekind「Hidalla」に基づく。
- Der Schatzgräber「宝捜し」Franz Schreker, 1920 Strasbourg22
女エルスが王妃の宝石を盗み吟遊詩人のエルスに恋して罪を告白し病死。
○Die Csardasfuerstin「チャールダーシュの女王」Emmerich Kalman (ハンガリー出身ユダヤ系墺1882-1953), 1915
オペレッタ。
- ●Wozzeck「ウォツェック」Berg (墺1885-1935), 1925 Wien87 London02 Frankfurt16
ゲオルク・ビュヒナーの未完の原作を作曲者自ら再編して台本。
19世紀初頭、軍隊の駐屯するドイツの小村を舞台に、小心で無力な一兵卒ウォツェックが情婦に裏切られ、殺して自害。
- ●Lulu「ルル」Berg, 1937 Munich04 WNO13
未完で病死し、ツェルハが補完。独劇作家ウェーデキントの「地霊」「パンドラの箱」を作曲者自ら台本。
魔性の女ルルが次々と男たちを破滅させ自身も破滅する物語。
○Die tote Stadt「死の都」Erich Wolfgang Korngold コルンゴルト (墺1897-1957), 1920 [Munich19]
ベルギー象徴主義の詩人ジョルジュ・ロダンバックの小説「死都ブリュージュ」に基づく。
- Das Wunder der Heliane「ヘリアーネの奇蹟」Erich Wolfgang Korngold, 1927 Berlin18
Hans Kaltneker「Die Heilige 聖人」に基づく。
浮気した王妃が男を殺し王に刺殺されるが。
○Die Dreigroschenoper「三文オペラ」Kurt Weill クルト・ワイル (独1900-50), 1928
独劇作家ベルトルト・ブレヒト(1898-1956)の戯曲。
【19世紀フランス グランドオペラ】
- ●Orphe'e et Eurydice「オルフェオとエウリディーチェ」Gluck (独 1714-87), 1762, 1774仏版 Munich03 London*315
ギリシア神話。楽人オルフェウスが毒蛇にかまれた妻エウリディケを冥界に連れ戻しに行く。
- Alceste「アルチェステ」Gluck, 1767 Wien10
ギリシア神話。テッサリア王の身代わりに死ぬ。
Medee「メデア」Luigi Cherubini (伊1760-1842), 1797
ギリシア神話。作者代表作。
La Vestale「ヴェスタの巫女」Gaspare Spontini (伊1774-1851), 1807
La Muette de Portici「ポルティチの唖娘」Francois Auber オーベール (仏 1782-1871 ケルビーニに師事), 1828
初期グランド・オペラの主要作品、5幕
Fra Diavolo「フラ・ディアボロ」Francois Auber, 1830
Robert le Diable「悪魔ロベール」Meyerbeer, 1831 [London12]
パリのオペラ界に進出の作品。
- ●Les Huguenots「ユグノー教徒」Giacomo Meyerbeer (ユダヤ系独 1791-1864), 1836 Berlin16
グランド・オペラの代表作。サンバルテルミの虐殺に基づく。
Le Prophete「預言者」Meyerbeer, 1849 [Berlin17]
神聖ローマ帝国おきたミュンスターの反乱。
- La Juive「ユダヤの女」Jacques-Fromental Halevy (仏系ユダヤ 1799-1862), 1835 Munich16
5幕グランド・オペラ
- Benvenuto Cellini「ベンヴェヌート・チェッリーニ」Berlioz, 1837 ENO14
イタリアのルネサンス期を代表する彫刻家、自伝に基づく。
- La damnation de Faust「ファウストの劫罰」Berlioz, 1846 Glyndebourne19
独作家ゲーテの悲劇に基づく。
- ●Les Troyens「トロイの人々」Berlioz (仏 1803-69), 1860 London12 Munich22 [Munich01]
ローマ神話、ウェルギリウスの「アエネイス」が原作。5幕グランド・オペラ
英雄エネがトロヤ陥落と巫女カッサンドラの自害を見届け、カルタゴの女王ディドンと恋し別れる。
- Beatrice et Benedict「ベアトリスとベネディクト」Berlioz, 1862 Glyndebourne16
シェイクスピア「空騒ぎ」が原作。作者最後のオペラ。
○Orphe'e aux Enfers「地獄のオルフェ(天国と地獄)」Offenbach (仏 1819-80), 1858
オペレッタの原点。グルックの「オルフェオとエウリディーチェ」のパロディ。
オルフェウスが天国と地獄をいったりきたり、不仲だった妻エウリディーチェと結局別れる。
- Barbe-bleue「青ひげ」Offenbach, 1866 Lyon19
ペロー童話。
- ●Les contes d'Hoffmann「ホフマン物語」Offenbach, 1881 ENO11 London80 Munich11 London新演出24
一部未完。独作家ホフマンの小説をもとにJ・バルビエとM・カレの台本。主人公が自らの恋物語として紹介するオムニバス形式。
1幕は自動人形オランピア、2幕は男を破滅させる高級娼婦ジュリエッタ、3幕は病床の歌好き令嬢アントニア。
- ●Faust「ファウスト」Gounod (仏 1818-93), 1859 Munich00 London04 London*2 London London Hamburg11
独作家ゲーテ(1749-1832)の悲劇を基にしたバルビエとカレの台本。5幕グランド・オペラ
ファウスト博士が悪魔と契約して少女マルグリットと恋し孕まして捨てる。
Mireille「ミレイユ」Gounod, 1864
M.カレの台本による5幕。2番目に成功したオペラ。
- ●Romeo et Juliette「ロメオとジュリエット」Gounod, 1867 Munich04 Wien01
シェイクスピアの悲劇。
ベローナで敵対するモンタギュー家のロメオとキャピュレット家のジュリエットの悲恋。
○Mignon「ミニョン」Ambroise Thomas (仏 1811-96), 1866
独作家ゲーテの「ウィルヘルム・マイスターの修業時代」に基づきバルビエとカレが台本。
主人公ウィルヘルムの少女ミニョン、女優フィリーナとの恋物語。
○Hamlet「ハムレット」Thomas, 1868
シェイクスピアの悲劇に基づく。
Herodiade「エロディアード」Massenet, 1881 [Berlin23]
仏作家ギュスターヴ・フローベールの小説「三つの物語」を素材。グランドオペラ。
- ●Manon「マノン」Jules Massenet (仏 1832-1912), 1884 London10 Wien07
仏作家アベ・プレボーの小説。
美女マノンがデ・グリューを翻弄して病死。
Le Cid「ル・シッド」Massenet, 1885
仏劇作家コルネイユの戯曲(代表作)。グランドオペラ。
- ●Werther「ウェルテル」Massenet, 1892 London10 Bologna16 London Paris24 [Munich06.12]
独作家ゲーテの小説「若きウェルテルの悩み」を題材。
ウェルテルが、他と結婚したシャルロッテに執着し、自害。
- Cendrillon「シンデレラ」Massenet, 1899 Glyndebourne19
シャルル・ペローの童話「シンデレラ」
○Don Quichotte「ドン・キショット」Massenet, 1910 [Glyndebourne19]
西作家ミゲル・デ・セルバンテスの小説を題材。
- Les pecheurs de perles「真珠取り」Bizet, 1863 Sydney00 Berlin17
ウジェーヌ・コルモンとミシェル・カレの台本。
- ●Carmen「カルメン」Bizet (仏 1838-75), 1875 Munich92 Wien78 London06 Frankfurt16 London新演出24 Verona95
仏作家メリメの中編小説。オペラはメイヤックとアレビーの台本。スペイン民謡を大幅に取り入れた。
奔放な女工カルメンが、ドン・ホセの気をひき飽きて捨てて恨まれて殺される。
1幕『Lamour est un oiseu rebelle ハバネラ』2幕『La fleur que tu m'avais jetee 花の歌』
- ●Samson et Dalila「サムソンとデリラ」Camille Saint-Saens (仏 1835-1921), 1877 London22
旧約聖書「士師記」第13章から第16章に基づく。
サムソンが美女デリラの誘惑に屈し、髪を切られ眼をえぐられ、自責して祈ると寺院が崩壊。
- L’Etoile「星」Emmanuel Chabrier (仏 1841-94), 1877 London16
仏詩人ヴェルレーヌ(1844-96)の未完のオペラから一部を転用。
天文学者の予言通り、少年が王女と結ばれ、王が生きながらえる。
- Lakme「ラクメ」Leo Delibes (仏 1836-91), 1883 Holland Park15
仏作家ピエール・ロティ(1850-1923)の小説が原作。『花の二重唱』が有名。
Louise「ルイーズ」Gustave Charpentier (仏 1860-1956), 1900
作者唯一成功したオペラ。アリア『今日からは』が有名。仏最初のベリズモ・オペラ。
○Pelle'as et Me'lisande「ペレアスとメリザンド」Debussy (仏 1862-1918), 1902 [Munich04]
作曲者唯一のオペラで、近代オペラ最高傑作の一つ。メーテルリンクの同名戯曲の一部を割愛して台本とする。
伝説の国アルモンドの王家のゴロー、その父違いの弟ペレアス、遠国の王女メリザンドとの三角関係による恋愛悲劇。
- Guercœur「ゲルクール」Albéric Magnard (仏 1865-1914), 1931 Strasbourg24
死んだ王が生き返って妻と再会するもまた殺される。
- ●L'heure espagnole「スペインの時」Joseph-Maurice Ravel (仏 1875-1937), 1911 Glyndebourne12
1幕。フラン=ノアンのファルサが原作。
- L'enfant et les sortileges「子供と魔法」Ravel, 1925 Glyndebourne12 [Munich11]
2幕。仏作家コレットの台本。
- ●Dialogues des carmelites「カルメル派修道女の対話」Francis Poulenc プーランク (仏 1899-1963), 1957 NY77 London14
独作家ゲルトルート・フォン・ル・フォールの小説「断頭台下の最後の女」が原作。
フランス革命前後のコンピエーニュのカルメル会修道女の処刑を題材とする。
【東欧】
○Die verkaufte Braut (Prodana' nevasta)「売られた花嫁」Smetana (チェコ 1824-84), 1866 [Munich97]
民族色豊かなチェコ国民歌劇の代表作。カレル・サビーナのチェコ語台本。
19世紀ボヘミアの村を舞台に、若者イェーニクと娘マルジェンカの恋愛喜劇。
- ●Rusalka「ルサルカ」Dvorak (チェコ 1841-1904), 1900 London08
作者唯一の成功作。題材はスラヴ神話の水の女神。
- Jenufa「イェヌーファ」Janacek, 1891 Berlin12 London21
ガブリエラ・プライソヴァーの戯曲をほぼそのまま使用。
イェヌーファが未婚で従兄弟シュテヴァの子を産み、別の従兄弟ラツァと結婚するため、子供を養母が殺す。
- The Excursions of Mr. Brouček「ブロウチェク氏の休暇旅行」Janacek, 1908-17 Grange22
Svatopluk Čech の二つの小説に基づく。
酔ったブロウチェクが月にいって芸術至上主義者と話し、15世紀のチェコにいってフス派の戦いをさぼり死刑になる。
- Katja Kabanova「カーチャ・カバノバー」Janacek ヤナーチェク (チェコ 1854-1928), 1919-21 WNO00 Berlin10 London19 [Munich99]
原作は露劇作家アレクサンドル・オストロフスキーの戯曲「嵐」。
人妻カーチャが商人ジゴイの甥ボリスと不倫し、夫チホンに告白し、姑マルファに責められ自殺。
- ●Das schlaue Fuechslein「利口な女狐の物語」Janacek, 1921-23 Munich02 WNO80 Barbican19
原作は動物小説「女狐ビストロウシカ」。猟場番のエピソードは原作にはない。
女狐は猟場番に捕まるが逃げて、雄狐と結婚し子を生むが、行商人に殺されてしまう。
- Die Sache Makropulos「マクロプロス事件」Janacek, 1923-25 Paris13 [Munich15]
チェコの作家カレル・チャペックの戯曲「マクロプロス家の秘伝」。
オペラ歌手エミリア・マルティがプルス男爵の相続権を主張し、337歳であることが判明。
- From the House of the Dead「死者の家から」Janacek, 1930 WNO82 London18 Munich18
作者最後のオペラ。ドストエフスキー「死の家の記録」。
- Juliette「ジュリエッタ」Bohuslav Martinu (チェコ 1890-1959), 1938 Berlin16
○Bluebeard's Castle「青ひげ公の城」Bartok Bela バルトーク・ベーラ (ハンガリー 1881-1945), 1911 [ENO24]
作者唯一のオペラ。
- Krol Roger「ロジェ王」Karol Szymanowski カロル・シマノフスキ (ポーランド 1882-1937), 1926 London15
12世紀のシチリア国王ルッジェーロ2世が題材。
- Oedipe「エディプス王」George Enescu ジョルジェ・エネスク (ルーマニア 1881-1955), 1936 London16
ギリシア神話。作者最も有名なオペラ。
【ロシア】
- ●Boris Godunov「ボリス・ゴドゥノフ」Musorgskiy ムソルグスキー (露 1839-81), 1874 London*216 London
伝統的旋律を応用したロシアを代表する国民オペラ。露詩人プーシキン(1799-1837)の戯曲とカラムジンの「ロシア国史」に基づき作者自ら台本。
1584年イヴァン4世の死後、摂政ボリスは皇子を暗殺して帝位につくが、死んだはずの皇子になりすました修道僧グリゴリーの反乱軍に迫られ、狂死。
- Chowanschtschina「ホヴァンシチーナ」Musorgskiy, 1886 Amsterdam16 [Munich07.3]
17c後半の史実を元に作者が台本。未完で他界し、Shostakovichが完成したものが有名。
1682年ロマノフ朝フョードル3世の死後、摂政ソフィアを支えたホヴァーンスキー公が息子アンドレイと殺される。アンドレイの元恋人マルファとエンマとの三角関係もあり。
○Prince Igor「イーゴリ公」Alexander Borodin ボロディン (露1833-87), 1890未完
中世ロシアの叙事詩「イーゴリ遠征物語」が題材。2幕『ダッタン人の踊り』
1185年、キエフ大公イーゴリ・スヴャトスラヴィチによる対ポロヴェツ人遠征。
The Maid of Pskov「プスコフの娘」Rimsky-Korsakov, 1873 [Grange21]
1570年のイヴァン雷帝によるプスコフとノヴゴロドの反乱鎮圧の史実に基づく。
Christmas Eve「クリスマス・イヴ」Rimsky-Korsakov, 1895 [Frankfurt22]
ゴーゴリの短編が原作。
- ●The Tsar's Bride「皇帝の花嫁」Rimsky-Korsakov ニコライ・リムスキー=コルサコフ (露 1844-1908), 1899 Berlin13
ツァーリ・イヴァン4世の后マルファ・ソバーキナが結婚直後に急死した史実に基づく。
The Tale of Tsar Saltan「サルタン皇帝」Rimsky-Korsakov, 1900 Madrid
プーシキンの原作。第3幕第2場への間奏曲『熊蜂の飛行』が有名。
- Evgeniy Onegin「エウゲニー・オネーギン」Tschaikowsky, 1878 Munich07 London13 London Munich London
プーシキンの韻文小説。軽やかな原作とは違う印象を与える。
都会育ちのオネーギンと田舎育ちのタチヤーナとの悲恋。
Mazepa「マゼッパ」Tschaikowsky, 1885 Grange25
プーシキンの物語詩が原作。3幕オペラ。
Cherevichki「チェレヴィチキ」Tschaikowsky, 1885
ゴーゴリの短編に基づく。「鍛冶屋のヴァクーラ」の改作。作者唯一の喜劇。
- ●Pique Dame「スペードの女王」Tschaikowsky (露 1840-93), 1890 Munich01 London19
プーシキンの中編小説。
賭博にはまり愛する女リーザすら死なせてしまう男ゲルマンの悲劇。
- Jolanta「イオランタ」Tschaikowsky, 1982 Gartner- Holland Park19
デンマークの演劇作品が原作。作者最後のオペラ。1幕
Le rossignol「夜鳴きうぐいす」Strawinsky, 1914
Oedipus Rex「エディプス王」Strawinsky, 1927
- ●The Rake's Progress「道楽者のなりゆき」Strawinsky (露 1882-1971), 1951 Paris08? ETO24 [Munich02]
題材はウィリアム・ホガースの銅版画「放蕩児の遍歴」。
怠け者の青年トムはトゥルーラブ家のアンとつきあっていたが、ニック・シャドウにそそのかされ、醜女ババと結婚のち破産、ニックとのカード勝負には勝つも呪われて精神病院行き、アンが来て死亡。
- The Gambler「賭博者」Prokofiev (露1891-1953), 1916 London10
露作家ドストエフスキー(1821-81)の小説に基づく。
- L'amore des trois oranges「三つのオレンジへの恋」Prokofiev, 1919 Paris05
伊劇作家カルロ・ゴッツィの寓話劇に基づく。
- ●War and Peace「戦争と平和」Prokofiev, 1943-52 Oxford18 London
露作家トルストイ(1828-1910)の歴史小説に基づく。
前半はアンドレイとアンドレイの恋物語、後半は対仏戦争。
The Nose「鼻」Shostakovich, 1930
作者最初のオペラ。露劇作家ニコライ・ゴーゴリ(1809-52)の短編小説に基づく。
- ●Lady Macbeth of the Mtsensk District「ムツェンスク郡のマクベス夫人」Dmitrii Shostakovich (露 1906-75), 1934 ENO15 London04
露作家ニコライ・レスコフ(1831-95)の小説に基づく。検閲にひっかかり「カテリーナ・イズマイロヴァ」1963として改訂。
裕福なイズマイロフ家に嫁いだカテリーナが下男と不倫し、姑と夫を殺し、シベリア送り。浮気されて殺して自殺。
- Aleko「アレコ」Rachmaninoff (露 1873-1943), 1893 Grange24
原作はプーシキンの物語詩「ジプシー」。17日間で書き上げた1幕オペラ。
アレコがジプシーの娘ゼムフィーラに惚れて、浮気男ともども殺害。
【イギリス】
H.M.S. Pinafore「戦艦ピナフォア」Arthur Sullivan, 1978 [ENO21]
- The Pirates of Penzance「ペンザンスの海賊」Arthur Sullivan (英1842-1900), 1879 ENO15
海賊の修行を終えたフレデリックが少将の娘と恋するが、海賊に連れ戻されるも、結ばれる。
- Iolanthe「イオランタ」Arthur Sullivan, 1882 ENO77
人間と結婚して追放された妖精イオランタが、離れていた夫が娘と結婚しようとするのを止め、許される。
- The Mikado「ミカド」Arthur Sullivan, 1885 ENO86
醜女との結婚から逃げていたナンキ・プーが、死刑になりそうで、ミカドの息子と判明。
○The Pilgrim's Progress「天路歴程」Ralph Vaughan Williams (英1872-1958), 1949
英作家ジョン・バニヤン(1628-88)の寓意物語に基づく。
- Margot la Rouge「魔法の泉」Frederick Delius (英 1862-1934), 1894-95 Holland22
マルゴットの元彼がバーにきて現彼に刺され、彼女も現彼を刺殺。
Troilus and Cressida「トロイラスとクレシダ」William Walton (英1902-83), 1954
英詩人チョーサー(1343-1400)の叙事詩に基づく。
- ●Peter Grimes「ピーター・グライムズ」Britten (英 1913-76), 1945 ENO09
第二次世界大戦後のオペラの傑作。英詩人クラップの長詩がもと。
イギリス東海岸の小さな漁港で、猟師ピーターが徒弟の少年を死なせたことから追い詰められ自害。
The Rape of Lucretia「ルクリーシアの凌辱」Britten, 1946 [Munich04@Prinz] [London22]
- Albert Herring「アルバート・ヘリング」Britten, 1947 Munich16@Cuvillies
モーパッサン(1850-93)の短編小説『ユッソン夫人のばらの樹』に基づく。
- ●Billy Budd「ビリー・バッド」Britten, 1951 Munich05 London19
米作家メルビル(1819-1891)の遺作。
18世紀末のイギリス海軍を舞台に、上官殺しの罪で処刑される純朴無垢な青年水夫ビリーの悲劇。
- The Turn of the Screw「ねじの回転」Britten, 1954 ENO24 London26 [Holland Park14]
米作家ヘンリー・ジェイムズ(1843-1916)の中編小説に基づく。
エセックスの古い屋敷、亡霊がついている子供二人のところに家庭教師がやってくるも救えず。
- A Midsummer Night's Dream「夏の夜の夢」Britten, 1960 Glyndebourne81 ENO04
シェイクスピアの戯曲に基づく。
Death in Venice「ヴェニスに死す」Britten, 1973 [London19] [WNO24]
独作家トーマス・マン(1875-1955)の同名小説に基づく。
【アメリカ】
- ●Porgy and Bess「ポーギーとベス」George Gershwin (米 1898-1937), 1935 ENO18
米作家Heywardの小説および戯曲。『サマータイム』が有名。
乞食のポーギーが給仕女のベスに恋し殺人を犯す。
- Candide「キャンディード」Leonard Bernstein (米 1918-90), 1956, 1989改訂 WNO23
仏啓蒙家ヴォルテールのピカレスク小説(1759)。
戦争で家族がばらばらになったが、世界を放流したキャンディードがクネゴンデと再会する。
- Trouble in Tahiti, Leonard Bernstein, 1952 London24
熟年夫婦のすれ違い、仲直りのため同名タイトルの映画を見に行く。
- A Quiet Place, Leonard Bernstein, 1983 London24
上記オペラの続編。事故死した妻の葬儀に集まった家族、遺書で自殺だったことがわかる。
【現代】
- The Passenger, Mieczyslaw Weinberg (1939-96波), 1968 London10
- The Yellow Sofa, Julian Philips (1969英), 2009 London09
- Between Worlds, Tansy Davies (1973英), 2015 London15
- Morgen und Abend, Georg Friedrich Haas (1953墺), 2015 London15
- Akhnaten「アクナーテン」Philip Glass (1937米), 1985 London16
- Lear, Aribert Reimann (1936独), 1978 Paris16
- In Parenthesis, Iain Bell (1980 London), 2016 London16
- South Pole, Miroslav Srnka (1975 Prag), 2016 Munich16
- Der Sandmann, Andrea Lorenzo Scartazzini (1971 Basel), 2012 Frankfurt12
- Written on Skin, George Benjamin (1960英), 2012 London12
- Edward II, Andrea Lorenzo Scartazzini, 2017 Berlin17
- The Exterminating Angel, Thomas Ades (1971英), 2016 London16
- Hamlet, Brett Dean (1961墺), 2017 Glyndebourne17
- The Merchant of Venice, Andre Tchaikowsky (1935-82波), 1982 London13
- Dead Man Walking, Jake Heggie (1961-), 2000 Barbican-
- Satyagraha「サチャグラハ」Philip Glass, 1979 ENO07
- Karl V「カール五世」Ernst Krenek (1990-91墺), 1938 Munich19
- Island of Dreams, Anthony Bolton, 2024 Grange24
- Le Grand Macabre「ル・グラン・マカブル」György Ligeti ジェルジュ・リゲティ (1923-2006ハンガリー), 1977 Munich24
- Festen, Mark-Anthony Turnage (1960英), 2025 London25
- Il Viaggio, Dante, Pascal Dusapin (1955仏), 2022 Paris25
●100選のうち84本制覇(○印はまだ)。