2016.10.8: Andrea Lorenzo Scartazzini "Der Sandmann"

1971年生まれのスイス人作曲家の2012作、Basel初演、Christof Loy演出。これがドイツ初演。E.T.A.ホフマンの短編小説「砂男」を基に。

幕があがると白い蛍光灯の枠、左右はいっぱいに天井は低くとった、いつもの抑圧された長方形(「西部の娘」「Jenufa」)。その中は真っ暗だったが、ほんの少しずつ上手でうなだれる男が浮かび上がる。そのあと、下手にテーブルと椅子、中央には山積みの本。この三分でまた泣きそう。

黒いベンチでうなだれる男はナタナエル、「砂男」の私小説を書いている。白いワンピースの金髪女クララがやってきて、男の隣に座り、励ます。男が抱きついてくると、女は逃げる。

男は服をぬぐ。まだ全裸かと思いきや、白の下着までだった。

女の兄ロタールがきて、口論になり、機関銃を互いにぶっ放す。

白塗りの男が二人、頻繁に出てくる。傘もったロン毛は砂のようなものをまいたのでコッペリウス、杖ついて鞄もったハゲは死んだ父か。

黒いスーツの男女の合唱団がわらわら入ってきて、本を取る。ドイツ語字幕わからず脱落。父の死が語られていたのか?彼の家が火事で焼け落ちたのはあった?

合唱団が去った後、ナタナエルはばらまかれた本を拾い集め、下手の椅子に抱えて座り込む。

赤いワンピースで黒髪のクララが高音で歌いまくってから一気に引き込まれる。

彼女は自動人形で「イエス」としか言わない。テーブルに向かい合って赤ワインが注がれるが、クララがナタナエルにぶっかける。ナタナエルが怒って彼女を床に倒すと、白塗り男がきて、彼女の体からコードを引き抜き。ナタナエルも壁に押しつぶされコードを引き抜かれる。えー。

金髪のクララが出てくるが、女性合唱団も赤のワンピースでぞろぞろ出てきて、クララは金髪カツラをはずし、合唱団にまぎれる。ナタナエルが暴れ、ロタールが来て、ナタナエルが倒れる。

下手寄りにナタナエルが横たわり、クララは喪服で白いユリの花束を持っている。あれ、ナタナエル死んじゃった。白塗りがなんか言って、白い蛍光灯の枠が明るくなり、暗転。

・・・終わってからしばらく息ができなかった。なんだか全然わからないがものすごい衝撃。英語字幕でみたかった!

ベルクみたいな現代音楽だが、高音連発がよかった。「ダフネ」好演のソプラノAgneta Eichenholzがまたいい!

2009年、Loy演出のルルでロンドンデビュー。Kurzakの代役(ってそんなこともやらかしてるのか)。以来、Loy演出の常連。元々ミュージカルやってて、29歳でオペラに転向、演技派なのも納得。(参考

バーゼル初演、彼女は続投、Nathanael (R. McKinny)、Lothar (M. Spehar)。

STAFF & CAST


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