2016.6.11: Strauss "Daphne" @Hamburg

木の衝立が舞台を斜めに切っている。よく見ると落書きがいっぱい。衝立には白いシャツが二つかかっている。中央の扉が開いて、黒いワンピースに白いエプロンをした女が現れる。ダフネはメイドの設定なのかと思いきや、次に出てきた女たちが両手にビールを一杯もっているので、ここがビアホールの裏なのだとわかる。まあ、「川岸」を超読み替えると「ビアホール」だわな。

男達が次々やってきては、服をぬぎ、たらいで体をふいて、扉の向こうに飲みに行く。閉鎖的な村の羊飼いたちか。ダフネは村人たちと相容れないと、下手で植木鉢の植物と戯れたのち、疲れて床で眠ってしまう。

あとで女装をすることになるロイキッポスはどのイケメンだと双眼鏡で探すが、歌い出したのは小太りな胸毛男。Loyさんがっかりだよ!

でもしっかりダフネに襲いかかり、あなたの笛の音は好きだけど、好きなのはあんたじゃなくて笛、とか言われてふられる。ダフネちゃん・・・歌うまいけど、顔が暗くて怖い。

扉から出てきたスーツの男が父で、赤いワンピースの母はアル中みたい。女中二人に箱を持ってこさせ、開けると水色のドレスが入っている。ダフネは嫌だと逃げてしまったので、ロイキッポスに、これ着ればダフネに近づけるわよと。その気になってる胸毛男。その背後の下手で父はおもむろに簡易ベットを広げる。

扉から客達が椅子もって次々でてきて、こちら側がホールになってしまった。ベットはあるままだが。アポロ降臨する気がするので、祭壇の用意をしたのに相当する。でもやってきたのは弓もった普通の青年。これまたややマッチョな髭男。Loyさんがっかりだよ!

青年は、呼び戻されたダフネの美しさに惚れ、みなが去った後、妹よと呼びながらベットに押し倒す。ダフネちゃんも足広げて横になるからあれれなことに。が、こんなの妹じゃないとはねのける。

母がくると、ダフネは黒いワンピースをぬぎ、水色のドレスを着て、アクセサリーをつける。扉からみながやってきて、祭りが始まる。男達がパンツ一丁のイケメン達を首輪でつないで、それが女たちに襲いかかるという。。。ダフネも同じドレスのロイキッポスに馬乗りになる。動きはだんだんスローモーションになり、襲われつつも受け入れる女たち、母までもがイケメンにまたがるも、父にひっぺがされ・・・そらダフネが村人と相容れないと言ってたわけだ。Loyさんやりたかったのこのシーン?

と、突然背後の照明が光り、壁が上空に飛んでいくと、みなが一斉に退場。青年ことアポロの雷鳴がとどろいたのだ。

三人だけが残る。アポロとダフネがいい感じなので、ロイキッポスがかつらを捨てて正体を明かし、再び告白。アポロにお前誰だ、オレはアポロだ、うそつけ、、、アポロに抱きついてたダフネがナイフをのばしてグサッ!!

えっえっ、弓で射るんじゃないの?いま刺したのダフネ?アポロに操られてた??

倒れた幼なじみに駆け寄るダフネ。あなたの元を離れない、と口づけ。それを後ろの椅子にしゃがみ込んでがっかりアポロ。

村人たちと両親がでてくると、ダフネは近寄って水色ドレスを脱ぎ捨てる。下着姿2回目だが、純白のタンクトップにかぼちゃパンツで色気ゼロ。植木鉢の葉をむしって頭につける。狂ってしまったのね・・・

続いてトレンチコートと軍服の男達が出てくると、母に父のコートを着せられたダフネに手錠がかけられる。

まじですか、まじですか。ディオニッソスとか、彼女に月桂樹にしてくれとか歌ってるアポロはいったい。そんなん歌って逃げた。

人々が去り、母もテーブルの椅子を直して去り、照明が落ち、舞台面のロイキッポスの遺体だけが浮き上がる。背後ではダフネの歌声がきこえている。シュトラウスのいつもの蛇足はまだまだ続く。また照明がついて、誰もいない空間をつくってから、幕。

すんごい読み替えだな・・・木の壁があがったところはカタルシスだった。神々ひどすぎという皮肉も込められているのか。思えば、ダフネ(Agneta Eichenholz)の病的に暗い顔は狙いだったのね・・・

またやられた演出Christof Loy!ドイツ遠征してよかった!!

お詫び:去年のバーゼルでの初演では、ダフネと母以外のキャストはみんな違い、アポロはMarco Jentzsch今年と似た感じだが、ロイキッポスはRolf Romeiイケメンぽい。やっぱり初演でみないとダメなのね〜。来年もハンブルグで再演するけど、女性キャストすら変わってる。

STAFF & CAST


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