2013.10.29: Verdi "Les Vepres siciliennes" シチリアの晩鐘

久々にあらすじを全く読まず、登場人物すら見ずに観劇。英語字幕だし。物語の結末を知らないので超ドキドキした。新しいオペラを見る機会も少なくなったので。

久々のパパーノだーと思って見てたら幕があがってた。白いバレリーナが数名、膝をついている。舞台の上手半分は鏡ばり、下手半分は赤い壁とドア、上部にはオペラ座の金色の装飾がある。白髪ロン毛の教師が出てくるとバーに並んで踊る。

男たちがやってきて白髪ロン毛を追い出し、彼女たちを連れ去り、一人の男が舞台面でめっちゃ犯してた。

1幕、舞台かわってオペラ座の客席。観客席で酒を飲む軍人たち。舞台上の役者たちは村人の格好をしている。軍人たちが村人に銃をむける。

黒いドレスの女Heleneが、銅像の首もってやってきて、軍人たちに歌えと言われて歌う。銅像は死んだ前シチリア王の兄らしい。

若い男Henriが、捕らわれていたが解放されたとやってきくる。軍服の男(Montfort総督)にこちらにつけと説得させるが断る。

Heleneのところへ、Henriがきて、好きだ、なら復讐を手伝って、と言われる。

明転のち2幕、どこかの風景を描いた壁に囲われている。白髪ロン毛の男(Procida)が杖をつきながらやってくる。これがErwin Schrottかー。ネトレプコの旦那の。たしかにいい男だ。冒頭にも出てたが歌うのはここから。

島に帰ってきた、と讃える歌を歌う。うーむ、低いこえを張るとのびるが、いまいち感情がない。張らないと聞こえない。合唱はダメダメ。

合唱団が黒いマントに仮面つけて歌う。パパーノ先生は合唱もしっかり指揮してさすが。

休憩のち3幕。下手よりの机で総督が手紙を握りしめ悩んでいる。子供と、仮面をかぶり妊婦の格好をした三人のバレエダンサーが踊る。

Henriがやってきて、お前は自分の子だと。父と呼んでくれたら富も名誉もやろうと言うのに、それはできないと断られる。好きな人の敵だからー。

白と黒のバレエダンサーが踊る。この曲「四季」は省略されることもあるらしい。

休憩のち4幕。軍人たちが集まっている。Henriがきて、総督に逃げろという。なぜかと問われて、黄色のリボンをしたのは反逆者の仲間だからだと答えてしまう。総督が黄色のリボンを捕らえろ!と叫ぶと、半数の軍人が前に投げ出され、残りの半分が銃をむけてバーン。

Heleneと白髪ロン毛も捕まった。

すぐ5幕。鏡が開いて背後がみえている。舞台の上手よりに血のついた斬首台。Henriがやってきて警官に捕まり、王の許可で面会しにきたと。

Heleneが出てきて裏切り者とめっちゃ非難されるが、父なんだ!と言ったら、割とあっさり許してくれた。

白髪ロン毛が血みどろで胸をはだけて出てきて、また裏切り者とめっちゃ非難され、Heleneがお父さんなんだってと説明する。

舞台の客席に総督が現れてなんか言った後、降りてきて、Henriに二人を助けたくば父と呼べと。

Henriは断るが、女が斬首台に連れていかれ、仮面の子供が斧を振りかざすので、思わず「父上!」と呼んでしまう。

するとあっさり総督は、お前とこの女が結婚してシチリアを治めよと。あらいいパパじゃん。

白髪ロン毛は舞台の端でやれやれみたいにニヤニヤしてた。あれ、一人だけ納得いかないんじゃ。。。

バレリーナたちが白い布をもってきて、二人を囲む。大団円なのか?

村人たちのカップルが祝福のダンス。Heleneが白いドレスに着替えてきた。この開いた裾がキラキラしてるドレスがめっちゃ素敵。またバレリーナたちと踊る。ただの白い布がチープだ、なんか装飾つければいいのに。

そこへ白髪ロン毛がやってきて、兄のことを忘れるなと、お前が結婚式の誓いの言葉でイエスと答えたら新郎を殺す計画だと告げる。鐘が鳴る。

我に返ったHeleneは、フランスの旗もって呑気にやってきたHenriに、結婚はできないと告げる。理解できないとHenri。

下手には黒いドレスの女が現れる。これSchrottか!血糊の次は女装・・・演出家の趣味?Stefan Herheim演出は初見。ノルウェー人で若手、オスロとかでやってる。Holtenコネクションか?

フランスの旗をひろって、その先で村人カップルを次々と刺し殺す。

王がやってきて、二人が結婚すれば大丈夫だと告げる。村人たちも起き上がって何事もなかったかのように。え、やっぱり大団円?

が、黒ドレスがフランスの旗を燃やしてやってきて、、、唐突に終幕。このあとのフランス人の虐殺は描かれず。どうなったの!

史実では、アンジュー家のシャルル・ダンジューが治めるシチリアでおきたフランス人大量虐殺。

隣のおばちゃんはヴェルディらしくないと言ってたが、5幕の大作といえは「ドン・カルロ」もそうだし、合唱が多いのは「ナブッコ」もだし、ソプラノが高音で難しいのが珍しいか。この脚本で元々ドニゼッティが作曲してたというが、どこまでパクってるんだろう。

さすがのロンドンクオリティ。このところ新作が不発だったが、金かかってそうな舞台にバレエ、完璧な演奏、はまるとロンドンはやっぱりすごい。ドイツの実験的オペラも楽しいんだが。

これで歌手がいいともっといいんだが。良かったのはバリトンMichael Volle、3作目だが、この悪役がはまってた。Bryan Hymelは相変わらず華はないが歌えるので及第点。代役ソプラノLianna Haroutounianが難点。

STAFF & CAST


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