週末レンタカーが安かった(35EUR)ので、ミュンヘンから日帰りドライブ。9時半に友人に空港まで送ってもらって車を借り、11時発で1時半にバイロイト着。劇場そばのレストランでTheatre Lunchをいただき、4時からオペラ。11時前におわって、1時半前に帰宅。時間の旅。
最上階の最前列なので見やすいが、暑くて空気悪くて眠くなる。。。音響もパルケットてきいた時の衝撃はなかった。
音楽が始まると、紗幕にドイツ語で家の場所とリストがなんとかと表示される。紗幕があがった後の舞台は今は博物館になっているワーグナーの家。本棚に本がぎっしり、下手にピアノがある。白髪の老人が狂ったようにピアノを弾く。上手のソファーにもう数人の男女。男が香水を作っていて、他の人に匂いを嗅がせてうへー。気づいたらVogtが歌ってた。金髪かつらだと存在感ねー。
親方会議で目が覚めた。爺たちがソファーにぎっしりと並び議論する。一人一人の歌手のクオリティが高い。中でもイケメンのEva父と、いい声してるザックス、この釣り眉の怖い顔は・・・Michael Volle!ミュンヘンのモンフォルテがこの人じゃないのはバイロイトに出てたからなのね。最初から舞台にあった肖像画は娘だった。右端に長い顎髭をたくわえた神経質そうな爺がベックメッサー。
Vogtの歌に嫌方たちが騒然としてたら部屋が後方に一気にスライドして幕。ぽかーん。
休憩のち2幕。また紗幕にドイツ語で説明。わからん。
舞台下手よりに1幕の部屋の家具が積まれている。上手よりには木の四角い台。台というか囲いというか。ザックスが申し訳程度に靴を直している。
Volleは悪役がものすごくはまる。なので本日は黒ザックス。Evaへの片思いはスカルピア並に怖かった。。。
Vogtの歌を気持ちよく聞いてたら終盤に記憶がとんだ・・・寝てまったのかワタシ(驚)
ベックメッサーがウクレレ持ってへんな歌を歌い続け、黒ザックスも邪悪に合いの手を入れ、ついに人々がなだれ込んできて、なぜか家具を持ち去り、ベックメッサーに大きな人形のマスクをかける。頭頂には六芒星が。。。中央にも巨大な風船がつるされ、膨らむと鷲鼻の顔に六芒星の帽子。いやーな気分になって拍手せず。
休憩のち3幕。また紗幕にドイツ語で説明。第二次世界大戦のことみたい。舞台は焦げ茶色の壁の重厚な議場。机と椅子がずらりと並ぶ。奥には大きなドアが二つ、上手にはガラスの窓が天井まで続いている。ドアの前に米英仏露の国旗があり、そう、ここはニュルンベルグ裁判。
人々がなだれこんできて、拍手しながら歌う。拍手が邪魔。ドイツの職人たちは全くでてこない。一人、ヘルメットをかぶって客席に背を向けてたつのは監視役の米兵か。
ベックメッサーが木の台にあがろうとしてこける。ハープは舞台上で弾かれる。
Vogtの歌、今度はがんばって最後まで集中。。。うーん、ワタシ、Vogt苦手かも。いまさらだが。ロンドンの冷酷Lohegrinはよかったが。無表情&無感情演出だからかな。。。
壁が上空にあがったなあと思ってたら、最後に机などが一気に片付けられ、舞台には木の四角い台にザックスが一人。ドイツを礼賛した後、後方から合唱団がオケに扮して黒い台にのって運ばれてくる。ご丁寧に弾くマネまでしている。終盤のドラムまで!ザックスは指揮者に扮していた。
いつものように事前に情報を得ないようにしているので全くわからなかったのだが。ガーディアンのレビューによると、ザックスはワーグナー、ヴァルターは若かりし頃のワグナー、ベックメッサーがユダヤ人でワーグナーを信奉したヘルマン・レヴィ、Evaがコジマ、その父はリスト。ワーグナーの反ユダヤ主義がニュルンベルグ裁判で裁かれる、という演出。・・・・・・なんで?
この劇場の主導権を奪い取った曾孫カタリーナ・ワグナーが、ワーグナーの反ユダヤ主義を出した演出をと依頼して、半年考えさせてくれといったBarrie Koskyが、ユダヤ人でオーストラリア移民の自身の葛藤と合わせて出してきたのがコレ。私の後ろの席の数人は2幕で帰ってしまった。カーテンコールでは思いっきりブーくらってた。
フランクフルトで唖然とした「カルメン」で如実に出ていたが、Barrie Koskyは超・奇抜なことやるけど、所詮は思いつきで、表現したいこととか、その影響とかは、おそらく考えていない。一言で言えば底が浅い。退屈なバロック音楽を盛り上げるために奇抜にしていたDavid Aldenとはわけが違う。Hans Neuenfelsもバイロイトで大嫌いだと思ったけど「South Pole」はよかった。Barrie Koskyは二作みて二作とも大嫌いなので、マイ最悪演出家に決定。単に露悪趣味。
指揮はPhilippe Jordan、パリのオペラ座で聞くような壮大な音で流れるような音だったが、二酸化炭素濃度の高いギャラリーでは眠気が・・・