2015.8.26: Wagner "Goetterdaammerung"

3階建てのアパートの階段、地下のケラーにテレビがある。寝袋だかゴミ袋だかに入ってた赤・黄・黒の三人のノルンが、壊れた人形だの鳥の死骸だのをテレビの前に飾って呪いの祭壇をつくる!自分の腕にも血みたいな液体を塗り、ケラーの壁にもべたべた。。。汚い。なんかゴムっぽいロープももってきて運命の糸が切れた、もちょっとやってた。最後は一人ずつ上階にあがり、意味がわからん。

舞台が回ると横にドイツ語の電飾掲示板、化学薬品の宣伝らしい。そこ横に奥から続く長い階段があり、前回のクマが赤い布を持って階段落ちしてた。布は開かなかったが、ソ連の旗か?

第一舞台は元ミーメの家、銀色の金属製。あれ、端にある椅子の組み合わせはプロペラにみえる。戦闘機の残骸とかだったのか?それならジェネレーターあったのも納得。背後には3幕のギリシャ建築がバレバレでシーツをかけてある。

家の横のベンチで新婚さんが歌う。男は女に指輪を渡し、修行の旅にでる。今日も歌はよかった。

ジークフリートは一人でベンチに横になり、マッチに火をつける。それを赤外線カメラが映し出す。マッチが灯るたびに白く光る。ここはただ技術を出したかっただけのような。

ようやく1幕。第二舞台はギービヒ家、全体的に古びた木でできている。階段が中央にあり、奥はバルコニー、上手手前にごてごてのケバブ屋。奥に飲み物のケースが積んである。クマがケバブを作っている。下手手前には閉じる小部屋と、淡い黄色と緑の一人乗りの車、前が開くモデル。

ピンクのドレスのドキンちゃんが、白髪のおじさんといちゃいちゃ。これは兄グンター、歌い出すまでどっちがハーゲンわからなかった。ハーゲンが、家の繁栄のため、グンターはブリュンヒルデを嫁にしろ、それにはジークフリートの助けが必要なので、そっちはドキンちゃんが婿にしろ。

当のジークフリートがぷらっとやってきて、ドキンちゃんが色仕掛けするもガン無視。どきんちゃんは家の中に入り、水色のドレスに着替える(実況中継あり)。それは気に入られて薬を盛ること成功。最後は水色のアラブ風パンツルックに着替えてたのでどきんちゃんと命名(正しくはあくびちゃんだということに後で気づいたがまざった)。

まだ終わらず再び元ミーメの家。薄毛頭に変装したジークフリートがブリュンヒルデから指輪を奪う。ここ、さぞかしグログロにするのかと思いきや、指輪奪っただけでブリュンヒルデは下手に逃げていった。

休憩のち2幕。3階建てのアパートの階段、金ジャゲットのアルベリッヒがやってきてハーゲンと何か話す。アルベリッヒは最上階にあがり、綺麗なおねーさんと抱き合った後、おねーさんは黒いスーツケースを持って帰った。なんの伏線?

ケバブ屋。英米仏中の小さい旗をもった合唱団が歌う。ジークフリートとピンクドレスに戻ったどきんちゃんがいちゃいちゃ。グンターと上手端に並ぶは黒いコートを羽織ったのブリュンヒルデ。ジークフリートの指輪に気づいて問い正す間、どきんちゃんはミニ車でふてくされ、クマがケバブを合唱団にふるまっていた。またカメラクルーがいたが人が多いのでそんなに気にならない。

横の階段。ハーゲンとグンターが誘うと、ブリュンヒルデゆっくりと歌いながら階段から降りてくる。階段は幅が狭めなので、声は聞こえるが姿がなかなか見えない。やがて黒いコートを脱ぎ捨て金ラメドレスで現れる。かっちょいいー!この三人で英雄殺すぞ!

あっという間に休憩、のち三幕。階段の前、通りがかった黒いオープンカーに、金髪2ダークヘア1のラインの乙女たち。映像によると、轢いてしまったらしい、血みどろのクマをトランクに隠す。ジークフリートから指輪を買おうとトランクを開け、血みどろのクマでなく、白いスーツケースを取り出し渡すが、中は土だった。ジークフリートは車に乗り込みラインの乙女の一人と思いっきりいたす。

気づくと上手の電飾看板の灯りが消えていて、前にドラム缶が積み上げられ、そのうち一つから石油らしきものが垂れ流されていた。やっぱり石油つながりなのか。

グンターも着て同じ女と抱き合う。ハーゲンが来て、ジークフリートに水のペットボトルを渡すと、思いっきり飲んで吹き出していた。汚い。

三人は歩いてギービヒ家へ。またハーゲンが飲料缶をジークフリートに渡すと、まだ思いっきり飲んでいた。そんなに喉がかわいているのか?また赤外線カメラあって、飲料缶は黒く抜けていてよく冷えていた。下手にはドラム缶に火がたいてある。ハーゲンが槍を上手の方に置いていた。

ジークフリートが焚き火に近づくと、後ろから金属バットで殴り殺して逃げる。グンターが立ち止まり、倒れてなお蠢くジークフリートと二人を赤外線カメラが映し出す。。。

階段。ハーゲンがグンターと言い争って殺してしまったような。奥なので見えない。どきんちゃんも上に逃げていった。白黒のかわいいワンピに着替えていた。

舞台が回ると階段の奥がみえて、中央に横たわるグンターと、上階に逃げようとするどきんちゃんのストップモーションが美しい。

ブリュンヒルデもやってきて、ラインの乙女たちは皆伝下手側のドアから中に入る。彼女が裏舞台に行くと、シーツがばさっと落ちて(一部ひっかかって落ちきれなかったが)、NY stock exchangeのビルが現れる!ギリシャ建築のヴァルハラで炎上すると思わせておいて、実はソ連崩壊後の新しい世界の象徴なので燃えない。ラインの乙女たちは建物の中で歌う。

またブリュンヒルデが歩いてギービヒ家へ。指輪をラインの乙女たちに返し、階段をあがって消える。ラインの乙女たちが指輪をドラム缶の炎に落とす。ハーゲンは先の舞台のまま、ドラム缶の脇にいた。

ヴァルハラ燃えない!ブリュンヒルデも焼身自殺しない?

原作とは大分ちがうが、すごい緊張感だった。指揮Petrenkoがためすぎないのもよい。この人の演出、好きじゃなかったけど、この4夜は認めざるを得ない。やっぱりプロの仕事だった。

演出Frank Castorf、東ドイツ出身。ルート66バクー油田ラシュモア山&アレクサンダー広場、NY証券取引所。ソ連が滅んで、ユダヤの油田資本の、アメリカの時代になると。

ジークフリートはお疲れでブリュンヒルデが最後はもっていった。この二人の組み合わせで他の演出でみたい。

STAFF & CAST


目次に戻る