Rolando Villazon といえば、ポストポスト三大テノールの一人。濃い顔の熱い演技と伸びやかな高音がウリだったが、数年前に喉の手術をして以来、高音が死んだと噂。。。もう一人のKaufmanは顔だけなので、Florezの一人勝ち状態。 Villazonにも復活してほしー。
モーツァルトは嫌いだが、割と初期の作品なので、いいかと思ったが、、、アリア歌合戦だった。物語は二の次。合唱が二曲くらいあるくらいで、重唱が全くいかせてまへん。このオーストリア人、ほんとに天才なんですか?
オーストリアは所詮小国、みんなで盛り上げた「過大評価」が多い気が。このザルツブルグはそんな町。たいして重要な場所でもないのに、ホテルも物価もつり上げて観光客からぼったくり、教会とかを飾り付け、有名歌手よんで音楽祭をし、さらに物価をあげる。。。 Olgaちゃんが出なければ来なかった。
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オペラは3幕だが、2幕1休憩の構成。舞台は全体的に簡素で黒っぽく、黒い床の中央に半円形の前にせりだした部分があって、そこがアリア歌合戦のステージとなる。歌手が順番にそこに出てきて歌ってはける。演技も何もありゃしない。
主役の悪代官テノールの他はみんな女。最初に出てきたのは茶っぽい衣装の小太りのズボン。元老院議員チェチーリオの親友、ルーチョ・チンナ。なかなかうまく、おっと思う。
続いて出来たのは黒っぽい衣装の細めのズボン。追放された元老院議員チェチーリオ。さらにうまく、おおっと思う。独裁執政官が婚約者を狙っていて、チェチーリオを死んだとという噂を流していると。
なんか部屋。ソファーと絵が二枚置いてある。独裁執政官ルーチョ・シッラが白っぽいドレスのぶりぶりの金髪女といちゃついてるーと思ったら、妹チェーリアらしい。歌もまずます。いい歌手揃えたなあ。
黒いドレスで登場したのがジューニア、Olga Peretyatko である。出だしはちと調子悪い。ルーチョ・シッラがいいよって、ざっくりふられると、キレで絵をびりびりやぶく。
墓地。ジューニアがやってきて父の墓に祈ると、隠れていた婚約者チェチーリオが出てきて、最初は亡霊だと驚くが、生きていたと喜び、抱き合う。
部屋。ルーチョ・シッラが悪だくみ。正式に元老院とローマ市民の前でジューニアとの結婚を要求し、妹にはチンナを結婚して式を盛り上げろと。
チェチーリオが剣をかざして復讐にやってくるが、チンナに止められ、ジューニアにも止められ、そのチンナはチェーリアに色仕掛けして戸惑う。この人物の登場に全く脈絡がなくてご都合主義なのもモーツァルト・クオリティ。
一人残ったジューニアのアリア、これが超絶技巧で、高音の複雑な音符の連続で、ひやひやしたが、完璧に歌いこなして、泣いた。大喝采だった。
ここで幕、休憩。あれれ、主人公が全然活躍してないよー。
小銭が2.5EUROしかなかったのだが大丈夫だろうと思ってエスプレッソ注文したら3EUROで大きい紙幣で払うはめに。高すぎ!プログラムは9EUROでまあまあ。
2幕。またルーチョ・シッラがジューニアに言い寄って、チェチーリオがまた忍びこんで来るが、ジューニアに逃げろと言われてしぶしぶ逃げる。ジューニアはチェーリアにチェチーリオが死んだと言われて、また動揺する。同じことの繰り返しー
合唱ののち、ルーチョ・シッラが結婚を宣言。ジューニアは剣で自殺を計るが、やってきたチェーリアに止められ、二人は捕まる。
幕がおりて、Villazon一人がアリア舞台へ。ここからVillazonの独壇場。1幕から熱かった演技もどんどん熱くなり、一人で悩んで、一人で解決。さすがスター。
幕があがるとみんないて、ルーチョ・シッラが一人一人死刑を宣告するかと思いきや許す、というのを繰り返して、二つのカップル結婚、自身は引退。なんなんだ!
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カーテンコールはみんな Villazonに大喝采。いやいや、さすがスターだったけど、そんなよかったか?高音たいしてなかったじゃん。1幕のOlgaちゃんの超絶技巧をみんな忘れたの?そんな役回りだなあ。観客のレベルも過大評価だ。
で、出待ちしたのだが、Olgaちゃんは真っ先に出てきてめっちゃ不機嫌で、話しかけられなかった。Villazonはともかく、恋人役だったメゾのMarianne Crebassaにも拍手の大きさで負けたからか?その後に出てきたMarianne Crebassaはズボンはどこへの美人で感じもよく、ファン増えるだろうなあ。
で、しばらくたってからようやくでてきた真打ちは、群がるファン一人一人とちゃんと話をし、暗い背景の自分の写真にサインをねだられたときは、鞄の中から筆入れを取り出し、そこからマイ白ペンを取り出してサインする大サービス。天晴れ、スター。私も彼の白ペンでサインいただきました♪