2018.4.6: Erich Wolfgang Korngold "Das Wunder der Heliane" @Berlin

幕があがると文字が写し出される。英語とドイツ語で。真に愛される者は死なない。

舞台全体を覆う茶色の部屋に男が二人。中央に細長いテーブルと椅子が一脚あるだけ。周囲には3段くらいの階段が囲んでいる。壁もよく作り込んではいるが、割と地味。6人の黒いスーツを着たえらくすらっとした男たちが二人の男を囲んでいる。

全く予習してこなかったので字幕を追う。テノールの男は左翼の運動家みたいで、王に逆らって捕らえられたらしい。王妃は美しいとか。バスの牢番が手錠をはずして今夜なんかあるとかいう。

後方下手よりのドアから純白ドレスの王妃ヘリアーネ登場。色のコントラストでインパクトある。白ワインのジャグとグラスを持ってきて勧める。男はイタリアから来たらしい。

異国の男は一目惚れしたようで、明日死刑になるからと、その金色の髪をくれ、真っ白な足をみせてくれと靴を脱がせ、だんだん要求がエスカレートしていく。女も言われるままに金髪を解き、椅子に座った男の膝に乗る。

女はおもむろに立ち上がり、白いドレスをぬいで全裸になった!!!全裸だったのか全裸スーツだったのか確認できなかったが、びっくりしたー。

そこへ王と家来たちがきて、王妃はドレスで前だけ隠していた。

幕が下りて続き。

王が男に、王妃は美しいが自分はまだ寝たことがない、キスは一回だけしたが、目が怖いとかぶっちゃける。今夜、自分の代わりに王妃を裸にしてくれと。

休憩のち2幕。

王の書斎なのかテーブルに白い書類が並んでいる。王は喜び禁止、みんな死刑だとか言って書類をばらまく。

黒いスーツの太った女が、私のことを忘れたように王妃のことも忘れろと言う。王には昔の女がいたのね。王は椅子に座った女の胸に抱かれる。

裁判所。盲目の弁護士(黒眼鏡)が少年に手をひかれてやってくる。王妃を裁くらしい。弁護士は椅子に座り、少年は下手の階段にちょこんと座る。

茶色の毛皮のコートをはおい、黒のスーツに着替えた王妃が堂々とやってくる。スーツを脱ぎ、白のブラウス一枚になって、全裸にはなったけど寝てません。

男がやってきて、明日死刑になるのだから、この幸せのまま死にたいと懇願し、王妃にキスをする。王妃はおもむろにナイフを取り出し、グサ!(自殺じゃなかった!)

いったん幕が下りて上がっても男は床に倒れたまま。

倒れ込む男に駆け寄ったのは王の方で、お前が死んだら王妃と何があったのかわからんと嘆く。王妃は心ここにあらずという感じで空を仰ぐばかり。

王が王妃に、オレにはなんでと問いただすと、嫌いだったのよバーカ的なことを言われた。

また幕が下りて上がると、男の亡骸はテーブルの上に乗せられている。王妃も黒のワンピースに着替えている。葬式か?ここから3幕。

王は男が王妃にとって特別な存在になるのを嫌ったのか、お前が清廉潔白であるなら男を蘇らせろと無茶振り。無理だと言っていた王妃だが、奇蹟を見たい民衆にもあおられて、男の遺体に近づく。ベールをとり、手にふれる。やっぱり無理!嘘はつけない、この男を人として愛していただけ。この歌がすごくて涙ボロボロ。

王は絶望して、この女を好きにしろと民衆に告げる。男達が王妃を下手脇に追い込んで集団レイプ寸前。こわすぎて涙ボロボロ。

ここでまた幕が下りて上がると、何度もなので期待しなくなっていたのだが、テーブルの男がむっくり起き上がっている!奇蹟だ。。。

王妃は男に近づいてキスしそうになるが、その目を見られないと寸止め。王の言うことをきいてしまったから??

王はその様子に耐えられず、王妃をざっくり刺殺。王妃が倒れ込んでも、もう死んでいる男は動じずに、王は人殺しだ追放だと民衆に告げると、王は後方下手寄りのドアから歩いて退場。

男は二人で天国に行こうと歌い続け、背後の民衆はみな倒れ込み(一人だけずっと起きてガン見してた)、王妃と手を取り合って上手に退場。

幕!

あらすじを知らなかったので、男が生き返るのか、奇蹟が起こるのかずっとドキドキしながら見ていた。最後の十分は泣きっぱなし。スタオベしてくてうずうずしてた。

あらすじ読むとだいぶ解釈違うみたい。王が暴君であるというのがあまり描かれず、恋愛に不器用な男だったので、王妃と男との三角関係がが切なかった。

王妃の人として愛しただけだから生き返らせられないという言葉が、冒頭の言葉と対比して、突き刺さる。しかも死なせたのは自分。幸せの絶頂に死にたいと願った男をつい殺してしまったのもまた人間だからか。

STAFF & CAST


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