舞台は紗幕はった衝立で迷路みたいになっている。舞台の奥も二段になってて、上階は紗幕がかかっていて照明によって見えるが、たまにしか見えない。最初はそこに皇帝がいた。
パルミーラ王国の人たちはアラブの衣装、黒い衣装の小さいメゾがペルシャ王子アルサーチェで、女王ゼノービアと恋仲で、ローマとの戦いにいった。大祭司長が身を案じる。
あっさり捕まった。ローマ皇帝アウレリアーノがこっちにつけと言うが断ったので、紗幕迷路の一角に投獄された。ローマの人たちは甲冑だったり片方の肩に布まいてたりローマスタイル。
下手に長いすが現れて、鮮やかな青いドレスの女が座る。ローマ皇帝の娘プブリアで、アルサーチェに恋していて、身を案じる。パルミーラの将軍に続いて、女王が、大量の土産とともに和議にやってくる。女官たちが絨毯までひいてた。アルサーチェの解放がかなわず決裂。下手に並んで悲しげに歌う捕虜たちに助けにくると言って帰る。皇帝はその姿にラブ。プブリアはこの二人がくっつけばアルサーチェは私のもの〜
女王が残って、アルサーチェと再会。何としても助け出すわ、いや自分のことは忘れてくれ、いやよあなたがいないと生きていけない、とか。ローマ兵士たちが出陣の準備を始め、ここで序曲のメロディ再び。盛り上がる!
たしかこのあたりで紗幕が一枚ずつあがって迷路がなくなり、二枚の紗幕に囲まれた囚われのアルサーチェだけが舞台に残った。
休憩。もう二時間もたってる。。。
パルミーラが負けた。下手よりに楯が重なって置いてあるのはそれを暗示か。皇帝がきて女王にオレのものになれー、いやー。
と、奥の二階舞台で、アルサーチェが脱走している。
アルサーチェが羊飼いの丘に辿り着く。なま羊数匹登場!舞台に草が置いてあって、もくもく食べて動かないようになっている。
パルミーラ兵たちと合流。将軍オラスぺもいい声してる。
まだ女王にせまる皇帝、プブリアがやめとけと言ってもだめ、アルサーチェらに襲撃され、怒る。
紗幕上方に月が映る。女王とアルサーチェが再会するが、腹に剣を刺したオラスぺがやってきて倒れ死ぬ。追っ手がきて、二枚の紗幕板に別々に捕らわれる。アルサーチェは自害しようとしたが皇帝が来て止めたはず。生きたまま苦しめ、と。でも生きて真実の愛を証明すると言われ心が揺らぐ。
プブリアの助命嘆願により、ついに皇帝も折れ、ローマへの忠誠を誓うことを条件に二人を解放。祝福の歌声のなか幕。後半はちょっとのろかった。序曲の感じからハッピーエンドなのがバレバレなのに。
ソプラノJessica Pratt、出だしは声が出てなかったが、じきによくなった。メゾLena Belkinaもまあいい。小さいけど。背だけじゃなく顔も小さいので、でかいソプラノとキスすると子供みたい。もう一人のソプラノもよかった。レベル高いなあ。
タイトルロールのテノールは4度目のMichael Spyres、表情もないしいまいち心がないんだが、音ははずさないし、まあいい。あの表情から私はゲイ疑惑をもっている。
初日からレベル高い。回転もできない狭い舞台をうまくつかってた。「Matilde Di Shabran」のMario Martone。合唱よし、演奏よし。ちょっとホルンが音はずしたが。この作品を見られる機会なんて滅多にないだろうし、もう一回みたかった。
本日の発見、ロッジーナの声域が低いのは元がメゾのズボン役だからなのね。つか元は男だった!ロッシーニでは唯一カストラートが出るオペラらしい。