ドイツの大人気テノール Jonas Kaufmann が目玉だったのだが、病気でここ数ヶ月のすべての公演をキャンセルしてるだけあって、これも降板。代役はBryan Hymel。「ルサルカ」王子役の目の離れたアメリカ人、79年生まれ。声は出るんだけど、雑なんだよねえ。。。私はチケット二日分もっていたのだが、速効で一日は売り飛ばした。
と、パリからの食中毒に続く風邪で体調も悪く、かなりテンションが低い状態でオペラ座へ。1−4幕はかなり寝てしまった。
ギリシャ悲劇のトロイの木馬のあと、アイネアスがカルタゴよって、ローマに行く。まあ、話もしってるんで、さらにテンションがあがらない。期待は演出のDavid McVicar、いつもの裸体ダンスで目を覚まさせてくれるかと思いきや・・・
1幕は上から下までいっぱいに円形の壁(手前が丸い)。人が4列に縦に並んで、トロイアの町を囲んでいる。これは壮観。
黒いドレスのカッサンドラのお告げ。恋人コロエブスに死ぬから逃げろというが逃げないと。兄ヘクトールの妻子に泣くなと言ったり。ミニュチュアの神殿がいまいち。英雄アイネアスも出てきてなんか言う。
2幕は壁が開いて、なぜか金属でできたトロイの木馬が場内に入れられ、中に火がついて燃えた!トロイア人の女たちがばたばたと自害して果て、入ってきたギリシア人たちが呆然とする。
3幕はまた、上から下までいっぱいに、逆円形の壁(奥が丸い)。人が4列に縦に並んで、カルタゴの町を囲んでいる。これは壮観。 下にカルタゴの町のミニチュア。女王ディドたちがその上を歩いたり座ったり。妹アンナに再婚を勧められたり。
4幕はまた壁が開き、カルタゴの町のミニチュアが割れて天井に吊されている。上手側に吊されたかごで、人が歌う。金属でできたなんかが入ってきて、また燃えた。
5幕、アイネアスは、愛しているがローマに行かねばならないと女王に告げる。幕が閉まって、女王が中央で嘆く。幕が開くと、天井から吊された紐が解かれて、船の出航を示す。女王はトロイア人の贈り物を積み重ねた上に立ち、自分に刀を刺して死ぬ。
うーん、長かった。物語的には二人の女性が主人公だが、世界観をつなぐのはアイネアスなわけで、ここにスター性がやっぱりほしかった……
David McVicarなのに裸体がなかったー!ダンスは少しはあったが。力が入りすぎたのかな?大きなセットも使いこなせてないし、全然ダメ。というか、仕事しすぎで枯渇してるのでは?ロンドンだけでも毎年新作出してるし、ヨーロッパの他の劇場でもやってる。でもドイツは嫌いらしい。 ボエーム@Glyndebourne 2000, リゴレット 2001, 魔笛 2003, ファウスト 2004, カルメン@Glyndebourne 2004, Giulio Cesare@Glyndebourne 2005, フィガロ 2006, サロメ 2008, ばら騎士 @ENO 2008, 椿姫@WNO 2009, アイーダ 2010, マイスタージンガー@Glyndebourne 2011, トロイ人 2012, Medee@ENO 2013