2014.8.17: Rossini "Il barbiere di Siviglia"

わくわく。メジャーなこの作品をこんなにも見たいと思うことはもうないに違いない。今年はFlorez出ないし、演目もいまいちだと思っていたのだが、序曲も同じ「パルミーラのアウレリアーノ」に続いての「セビリアの理髪師」、なんてニクイ演出なんだ。ロッシーニを知り尽くした人たちの考えることは違うね。

チケットは売り切れだったが、直前に手頃なリターンをゲット。4階の横だが最前列なので全部みえる。

やっぱりいい序曲だー。演奏は一昨日の方がちょっとよかったかな。今日の指揮者は若そうだが暗譜だ。

舞台には幕がかかっていてパネルが三枚あるだけ。

楽器とネズミのかぶり物の人たちが5人、客席後方から出てきて通路でなんかやっている。アルマヴィーヴァ伯爵も客席後方からつかつか歩いてきた。ただのスーツにクリーム色のウェストコート、黄色いネクタイとちらりと除くハンカチがお洒落でかつイケメン、しかも青目♪

歌い出すと白いボールが天井にあがって、ちょうど私の目の前を通っていった。

証明が客席の一点を照らすとそこにフィガロが座ってた。いきなり歌い出したので前後の客がびびってた。自己紹介アリアは舞台にあがって。上階の客席に証明で「Figaro」の文字がうかぶ。客席電飾は多用してた。歌もよくノリノリでいきなり拍手喝采。

アルマヴィーヴァ伯爵の歌はまあまあで声量もそんななかったから、本日はタイトル通りの「理髪師」のもよう。

ロジーナは下手の舞台脇、オケのすぐ上の客席にいた。デブだが歌はいい。バルトロはたぶん反対側の客席にいた(が見えない)。

アルマヴィーヴァ伯爵は舞台にあがり、ギターの脇でカンツォーネを歌う。これもまあまあ。

ようやく幕があがる。装置に赤い布がかぶせてあり、作業員みたいな服を着た人たちが布をとってセットを並べる。布の中に執事みたいなおじさんが鎮座してて、セットとしてずっと舞台上にいるのが謎。

バルトロと書いたテーブルクロスのテーブルが二つ。椅子、座椅子みたいなのはなんだと思っていたら、礼拝台だった。ドン・バジリオは神父さん設定か。机に座って話しているとコーヒーがこぼれてテーブルクロスが汚れる。意味不明。

兵隊のコスプレのアルマヴィーヴァ伯爵登場。客席から荷運び台にのった動かない馬にのった本物の兵隊がくるが、素性を明かして撃退。

舞台前面中央のテーブルでバルトロがディナー。灰色の脳みその形をした物体にナイフとフォークを刺して頭いたいとかいって幕。

休憩のち2幕。階段で日本人集団のおばさんががこんなんでお金とるなんて許せないとか騒いでた。こういうの楽しめないならペサロなんて来ない方がいい。メトとウィーンだけにしとけ。現代のオペラは演出家の時代なんだよー。ま、これはウルビーノ芸術学校の作品だが。

執事が鳥とかのったディナーテーブルを整えていると、テーブルの一部が開いて神父さんぽい格好のアルマヴィーヴァ伯爵登場。

作業員たちが模型ピアノを出して、ロジーナ、伯爵、バルトロと三人で並んで座るが、ピアノが二つに割れてロジーナと伯爵がいちゃいちゃ。もう一つのピアノの窓が開くとフィガロが振り子時計をかざしてバルトロは居眠り。

フィガロがやってきてバルトロの髭をそりつつ、鍵を盗む。

御輿にのって病気でないドン・バジリオがまた客席からやってくるが財布を渡して撃退したはず。でもばれて逃げ帰る。

作業員たちが家具を片付け、オペラ座の客席を模した壁三つを中央に配置する。そこで女中のベルタが執事と踊りながら歌う。

嵐の音楽では執事が椅子に座ったまま傘を差していた。フィガロと伯爵が客席に梯子をもってきて、上階にあがる。

ロジーナは裏切られたと思い込みバルトロとの結婚を決めるが、伯爵が素性を明かして大告白&勝利宣言!

イケメンテノールくんが歌えるがこの超絶アリアを歌えるが心配だったが、なんとかこなして、本人もふーっと息を吐いていた。高音ではファルセットだったが。ロッシーニよりモーツァルトの方がはまるかも。思わず生写真買ってしまった(爆)

Juan Francisco Gatell、1978年生まれのアルゼンチン人。そんな年下じゃなかった。ペサロでも2011年に歌ってるし、ウィーンにはよく出てるみたい。ロンドンとミュンヘンはまだ。いやー、いい男だねえ。ヒゲ剃ってくれるともっといいけど、幼くみえるの嫌なのかな。

ま、歌はJuan Diego Florezと比べてもしょーがない。

STAFF & CAST


目次に戻る