検閲にひっかかって上演中止になった作品で、今でも上演は珍しいらしい。でも音楽が非常によい、とくに1幕のソプラノの超絶アリア!
Glyndebourneといえば金かけた巨大装置が見所なのだが、黒っぽく塗った壁数枚が複雑に動き、そこに映像をあてて場面をつくる仕掛け。よくできてるけど、、、金かえせな演出。
舞台の隙間をぬって人々が秘かに集まる。スキンヘッドの二人がテノール合唱。キリスト教徒の長ネアルコとポリウート。二人ともいい。メトとか各地でちょっと話題のMichael Fabiano、さすがだ。もう一人は前にチョイ役でみてるEmanuele D'Aguanno。
ポリウートの妻パオリーナ(白地に花のワンピース)がそれを見つけて秘かにキリスト教徒になったことに気づく。が、ネアルコに黙っていろと。隠している時は帽子をかぶるらしい。ついでに戦死した元恋人が帰還したと聞かされ、あのアリア。
ソプラノAna Maria Martinezは過去二回(1,2)みてるが記憶なし。声は悪くないけど、高音がいまいち。アリアが難しすぎ。
軍服を着た兵士達をピンクのカーデガンの市民が迎える。元恋人でローマの代官となったセヴェーロが登場。車椅子にのったパオリーナの父から、彼女が結婚してしまったときき、車椅子蹴ってた。
小休憩のち2幕。中央下手よりにベットがどん。パオリーナの部屋にセヴェーロが出てきて、押し倒しはしなかったが抱きしめて、壁にかくれてポリウートが目撃してしまう。祭司長カリステーネからも密会していると告げられていた。
緑の森が映し出される。祭司たちのいるところにネアルコがひったてられてきて、最新の信者は誰だと拷問を受ける。木とか投げてオイルかけてたから火がくるかと期待したが来なかった。ポリウートが名乗り出て、死刑を宣告される。パオリーナが赦免を願い、セヴェーロ複雑〜。歌もよかった。
休憩は例年通りレストランで食事。そのあとの3幕は30分だけ。
祭司長がセヴェーロに早く殺せと。コロセウムが映し出されたのはここだったか。祭司長のドスきいた声もいい。
中央の厚い壁をはさんで、下手の牢屋にポリウート、上手に白のワンピースに白のコートを羽織ったパオリーナが訪れ、話をする。生きるために改宗してと頼んだが、逆に説得されて自分もキリスト教徒になることに。悟ったら壁を突き抜けられて抱き合っていた。すげえや。
祭司たちが来て、二人は白く照らされた舞台奥に堂々と歩いて処刑されていった。
全幕通じて、合唱がすごい。物語はイタイが。歌もみなよく、Glyndebourneじゃないみたい。ソプラノがもっとよければなあ。
Fabianoくん、高音もきれいに出るし、声量もまああり、よいのだが、ずっと目が死んでるというか、感情表現がいまひとつ。。。