音楽教師(Thomas Allenがまたよい)が喜劇をやることをしって怒る。テノール歌手(何度かみたRoberto Saccaいまいち)が出てきてこんなかつら着けたくないと文句を言うと道具係が怒る。
上手に赤いドレスのかかった木造の更衣室から女優が出てくる。ミニスカートにジャージをはおり、ジャージを脱いで赤いブラをみせ、取り巻き達といちゃいちゃ。下手の控え室のドアからは頭を布で巻いてピンクのガウンを羽織ったプリマドンナが出てくる。
エレベーターから執事長が降りてきて、オペラと喜劇を同時進行でやれと伝える。プリマドンナが抗議に行くとエレベーターに乗っても動かず、執事長がのると部下が扉を閉めて表示が最上階まであがっていく。広い家なんだなあ。
女優は赤いドレスに着替え、取り巻きに靴を履かせてもらい、上手の机でメイクをする。下手の机では作曲家が頭をかかえ、音楽がなだめる。
女優にキスされて作曲家は同時上演をやると宣言。歌手たちはエレベーターで、ダンサーは階段をかけあがって、上階のステージへ。熱い!作曲家は残って頭をかかえる。
休憩のち後半は1幕、舞台はナクソス島の洞窟、ではなく、普通の部屋。壁に海岸の絵が描いてある。床に小さな蝋燭が並んでいる。黒いドレスのアリアドネが下手の机につっぷして寝ている。女中三人は、太い女はスーツ、細い女はスカート、あと男装。
ドアからダンサーたちが入ってくるが衣装がタンクトップ、革ジャン、ジャージでめっちゃ場違い。ツェルビネッタは胸元がざっくり開いた海賊っぽいワンピース。上手端に立ってダンサーたちに指示を出す。
女中が扉をいったん閉めて開けるとダイニングに移動していて、細長いテーブルが置かれ、その上に蝋燭が灯っている。 バッカスが来て、アリアドネは一瞬テセウスかと思ったが、すぐ違うと気づく。 照明が暗くなると、紺色の壁には星がまたたいている。
背後には二つの扉があり、片方は赤く、片方は青い。バッカスが来たのと別の扉へダンサーたちが去り、二人きりになって抱き合う。
最後のセットはシンプルで、歌だけで盛り上げた。間違っても船とか出てこない。Karita Mattilaもよかった。フィデリオ、ヴォツェック妻役もよかった。
うーん、こういう風にやられるとはStraussも思ってなかっただろうなあ。Christof Loyさすがだ。オペラと喜劇の同時進行が急に決まって手探り状態、というのをその通りにやった!室内劇という設定のまま!!
Straussは変わった設定にしようとプロローグを軽くつけただけだろうが。丸ごと物語にしてしまうと、Straussの鼻につく感じがなくなるから不思議だ。
パパーノ先生の指揮もすごい丁寧でさすがだし。座席は前から二列目だったのだが、今日はうるさくなかった。
ツェルビネッタ役はミュンヘンと同じJane Archibaldで、あの時はよいと思ったのだが、ハンブルグでOlga Peretyatkoを聞いてしまったから、ちょっと物足りなかった。