2007.6.9: 初・ロンドン!

本日は移動の日。6時半に誤って目覚ましが鳴ったので寝不足。7時半起床。パッキング。4階からスーツケースを降ろす(実際には落とす)のがものすごく大変だった。10時にはチェックアウトして、10時25分のバスに乗れた(12L)。

11時半にはロンドンに入る。早いなあ、2時間かからないのか。おおー、建物がすごくなってきたー。Baker St.という看板に、コナンだ!と一喜一憂する。

しかし気づくと目は日本食レストランを探している。もう出国から一週間たって、オックスフォードにも一軒あるらしいけど行く機会はなくて、和食に飢えている。ロンドンに行けば、とずっと楽しみにしていた。でもあんまりないなあ・・・イタリアンばっかりだ。あとカレー屋とタイ料理・・・

ヴィクトリア駅に着く。長距離バス(=コーチ)移動の合間なので、このそばに宿を取った。Oxford Busは駅のそばで降ろされるので、そこから人にきいてちょっと歩く。

12時半、チェックイン。安いと思ったら、アラブ系のホテルだ。部屋は狭くて薄汚いけど、シャワーもあるし、これで65Lならいいのかなあ。これで2万弱!?、おっと、円に換算してはいけない。そのままの数字でユーロだと思うと、ちょうどいい感じ。つまり物価が大陸の1.7倍。

荷物を置いて着替えて、1時、すぐに外に出る。朝食をとっていないので、お腹すいた。駅のそばでなんか食べよう。駅に隣接したレストラン街?を探す。日本食屋、あるいは中華か韓国料理、ないかなあ・・・。

ない!、、、ない!

あやしげなアジア麺屋はあったが。。。迷いに迷って、うっかりジャンキーなピザ屋に入ってしまった。食べ放題の店で、野菜とか果物を食べられたのはよかったのだが、ピザは油がきつくておいしくない。。。

と思ったら、消化不良だ。しまった、選択ミス。疲れてるから、あんな油のきついものを食べるのではなかった。無難にサンドイッチとかにしておけばよかった。イギリスではサンドイッチの味は悪くないけど、毎日食べてるから、もう飽きたよー。

しかも予想外に会計に時間がかかって、もう2時15分。ずっしりと重く存在感を増した胃袋を抱えながら、観光にでかける。ああ、どうか消化してくれますように。

ヴィクトリア駅から地下鉄に乗る。切符売場がめちゃめちゃ混んでいて自販機の前に長蛇の列。。。切符を買うだけで30分かかった。一日券5.1Lを購入。地下鉄は高いと評判だが、一日券なら悪くないかなあ。

さて、地下鉄を乗り換えて、まず最初の目的地は、、、コヴェント・ガーデン!(爆)

その駅は古い建物で階段がなく、エレベーターで地上にあがるのに、またものすごい行列。地上にあがると、方向がわからないが、混んでいる方に向かって適当に歩くと、マーケット・プレイスに出た。

Covent Garden Piaza

ステージでなんかやってて、オープン・カフェに人がいっぱい。アーケードみたいな明るい建物に、店屋がずらりと並んでいる。そんなのどうでもいいー、ロイヤル・オペラ・ハウスどこー?

奥の方にあった。おおーっ。回転ドアを通って中へ。いきなりチケット売場に出てしまった。

「今夜のチケットある?」

いきなり買えてしまった。というわけで、初・ロンドンでいきなりコヴェント・デビューが決定。パチパチ。

チケット売場を出て、建物の反対側の出口から通りに抜ける。おおー、かっちょいい建物だー。白いギリシャちっくな建物に、半円形のガラス張りのモダンな建物がくっついている。

Royal Opera House

そこからちょっと間違えながら適当に歩いて、川沿いに出る。次の目的地は、ウォータールー橋!(爆)

Waterloo Bridge

ええーーー。めちゃ普通のコンクリートのただの橋じゃないか。車の流れも早くて、ビビアン・リーが牽かれて死んじゃったのもわからんでもない。えー、でもー、フランスに旅立つ恋人に「哀愁」してたのが、ここなのかあー?

私はそこで、胃を憂う。やばい、完全に消化不良だ。。。胃が全く活動を停止してしまった。。。

ま、でも、コヴェントから近いのに妙に納得。バレエ・ダンサーという設定だったし。景色もいいかな。左側、北東側、白いドームのSt. Paul 教会(1710, Christpher Wren)と、ガラス張りのスイス銀行社屋(2004, Norman Foster & Partners)。うーん、あのタケノコがなあ。。。

橋のたもとにあった、よさげな白い建物は、Somerset House。1547 Edward Seymour, ルネサンスで建築。処刑されて王宮となる。1775チューダー様式に改築。現在は美術館?

Somerset House

右側、南西側に、Westminster宮殿(国会議事堂, 1840-52再建, ゴシック)のビッグ・ベン(95m)と、ロンドン・アイ(1999, 135m)。うーん、、、あのでっかい観覧車がなあ。。。

胃があまりにも辛くて、道端に座り込んでしまった。だめだ、帰ってホテルで休もう。Embankmentまで川沿いを歩けば、地下鉄一本で帰れる。途中、ベンチで休み休みして、なんとかたどり着く。

川沿いに、なんか塔と像。なぜスフィンクス??

オベリスク「クレオパトラの針」Cleopatra's Needle

この時は胃が痛くて考える力もなかったのだが、あとで調べたら結構重要なオベリスク「クレオパトラの針」であった。おおー、なんか気になって写真とっといた自分えらいぞ。

BC15c、新王国第18王朝 トトメス3世が、ヘリオポリスに2本,カルナックに7本たてた。BC23-12頃、ローマ帝国初代皇帝アウグストゥス帝が、カエサリウム神殿に飾るため、アレキサンドリアに運んできた。1303年の地震で西側の一本は倒れ、19cには海没しそうになっていた。

イギリスの将軍がフランス軍に勝利したのを記念して、持ってこようとした。1819年にエジプト総督が贈呈を承認。四ヶ月の船旅ののち、1878年にテムズ河畔にたどり着く。ニューヨークのは1880年に。クレオパトラとは関係ないらしい。土台とスフィンクスには第一次世界大戦中のドイツ軍の爆撃の痕がある。

で、ようやくたどり着いたEmbankment駅。これで帰れる。。。が、この週末は乗りたかった路線が工事で休みで閉鎖されていた。。。別の路線で乗り換えて帰るはめに。せっかくここまで歩いてきたのに。辛いよー・・・

ロンドンの地下鉄の乗り換えはひどく面倒くさい。やたら歩かされるし、全部、階段。狭い構内は、混んでるし、臭いし。地下鉄の本数は多くて、あまり待たないけど、入り口付近に人がたまるので、乗れないこともある。奥の座席の方はそんなに混んでないのに、つめてくれない。

がー、乗換を、間違えたー。ホームをめぐりにめぐって乗ってきた同じ路線に乗ってしまった。一駅戻ってやり直し。つらい、、、つらい。。。

5時、なんとかヴィクトリア駅にたどり着いた。あと徒歩5分。ああ、でも、あの乗換のミスで間に合わなかったかも。。。吐くかも。。。

5時15分、ホテル着。小一時間横になって休んだ。着替えて、6時15分、また出かける。

また地下鉄。乗換。7時ぎりぎりに着いて、急いで席につく。最上階で、めちゃ遠いけど、座れて、死角なく、36Lなら、まあいいかな。円に換算しなければ。内装はまあまあ、意外と高級感がない。

ベートーベン「フィデリオ」

え、これ、ベートーベン???ってくらい、音がすっきりしていた。ミュンヘンの音って、泥臭かったんだ。。。メロディに聞き覚えはあっても、同じ音楽の気がしないくらい、違っていた。

舞台は奥が広く、セットは具体的で細かい。監獄の部屋でMarzellineJaquinoのコミカルなやりとり。でもMarzellineは男装のLeonoreに恋している。

出てきたLeonoreは、ベージュ色の作業服みたいなのを着ていて、いまいちぱっとしない。花束とか、演出もいたって具体的で普通。父Rocco。一幕はまあ、こんなもん。

歌手は、脇役でも普通にうまい。主役級もいい方であろう。ミュンヘンで、Meier、Seifert、Mollを見てしまったから、それには劣るけど。

男性コーラスが、囚人を演じながら、舞台面にずらーっと出てきたのは圧巻だった。

休憩。人々はカフェテリアとかテラスに出るらしい。アイスクリームを売っていて、人々が群がっている。とにかく人が多くて、人口密度が高くて、あまり落ち着かない。モダンで建物はすごくいいのだけれど。

二幕。この作品はここからだ。監獄に捕らわれているのが、夫Florestanだとわかるが、名乗ることができず、苦悩するLeonore。英語字幕だし、演出が直接的だから、こりゃ、予習しなくても大丈夫だな。

悪人Don Pizarroがやってきて、いよいよFlorestanが撃たれそうになると、Leonoreは立ちはだかり、名乗りをあげる。そこへラッパが鳴り響き、、、いい大臣Don Fernandoがでてきて、悪人退治。

男女のコーラスは、解放された民衆を演じていて、舞台面に現れ、Leonoreを担ぎ上げたりして、喜んでいる。これが視覚的にダイレクトに訴えてくるし、ベートーベンの劇的な音楽ともあいまって、、、感動して泣けてしまった。

でもなあ、ベートーベンのレオノーレって、こんなんじゃないよなあ。男装して監獄で働くくせに、なぜか綺麗なコートを颯爽と羽織っている、非現実的なミュンヘンの演出の方が、正しいような気がする。

カーテンコールはえらくあっさりしていた。皆が登場して、一通り挨拶したらそれで終わり。ミュンヘンみたいに何度も何度も呼び出すことはなかった。

パンフレットみたら、NYメトロポリタンと共同制作。なるほど。ブロードウェー的なお気楽な感じがしたもんなあ。見たことないけど。

みなあっさり会場を出る。廊下に飾られたパネル写真に、Simon Keenlyside様がいたー。外に出たら10時だが、まだ薄明るくてよかった。コヴェント・ガーデンの駅は閉まっていたので、ひとつ隣の駅まで歩く。

STAFF & CAST

11時、ホテルに戻る。今日は何も食べないで寝る。胃を治さなきゃ・・・


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