2018.8.15: Rossini "Adina"

Teatro Rossiniは小さいがボックス席に壁がないので、後ろの席でも音がすっと入ってくる。今年もこの劇場は一本だけ。しかも一幕だった。。。

開演前から劇場内外でカラフルな衣装の男女がうろうろしている。舞台にはAdina&Califfo結婚おめでとうの幕があり、それがあがると巨大な水色の三段のウェディングケーキ!一番上にはフォーマル衣装の男女がいる(二人はずっと仲違いしている)。下手には階段がついている。

すごいインパクトだが、それ以上に下手端の植木がくつろいで座るクマの形にカットされているのが気になる・・・。時折、誰かがその上に座ってくつろいでいるのがツボ。

青と緑の警備員、白のコックが装飾をほどこし、管楽器隊もいて、花の帽子をかぶっているのは庭師。青と緑の警備員の一人のイケメンは役者で黒子としてずっと大活躍する。

唐突に花の帽子がいい声で歌い出した。小柄な南ア出身の黒人テノールLevy Sekgapane。庭師の友人Mustafaに頼んで忍び込んだSelimoで、Adinaの昔の恋人である。

ケーキはバグダッドの王宮。一階の扉が開くと太守Califfoがいて、ゲイの召使いAliが着替えさせたり、泡風呂に入れたり。奴隷のAdinaは昔愛して結婚しようとしたZoraに似ている。戦争で忙しくて帰ってきたらいなかった。

二階がAdinaの部屋で、奴隷というよりは、他の二人の女中とは違う。女中はどピンクのミニスカートで中が見えそう。三人でテーブルに座り、イチゴを食べていたら、それを中空の侵入者?がひきあげる。

Mustafaがやってきて、AdinaにSelimoが生きていてやってくると告げる。Adinaは喜んで一緒に逃げる決意をする。Selimoがやってきて、Adinaとキスするのがシルエットで浮かび上がる。背後のMustafaと黒子が恥ずかしがっている。

Adinaが太守にSelimoと結婚させてくれと頼むと、太守は怒り、後宮を閉ざせと。ケーキの扉がまた閉じられる。これ、開閉式でなく、召使いがドア部分をはずして運ぶ。Adinaは黒子の肩を借りて慰められていた。黒子は銀と緑が半分ずつのリーゼントになっていた。

夜。Selimoがアリア、非常によい!高音も気持ちよくでた。

下手の植木をあげると隠し穴があり、Mustafaがでてくる。二階に階段をかけると、Adinaは白のネグリジェ姿で、女中が荷物を次々と下におろし、黒子が受け取る。一番大きなスーツケースは無理無理の小ネタあり。黒子は上半身裸でサスペンダーのみ。Adinaがいざ逃げようとすると、太守と銃をもった黒ロングコートの兵士たちがやってきて、捕らえらてしまう。黒子がAdinaにショールをかける。

Selimoは最上階に捕らえられ、Adinaは二階のベットでふて寝。Aliが運び損ねたスーツケースを開けて、キラキラドレスやブラを出してあてたり、ピンクのハイヒールを履いたり。Aliは小太りのおっさんだが、足は黒の網タイツだった!このテノール(Matteo Macchioni)もいい声してる。

暗くなり、最上階のSelimo、二階のAdina、一階の太守が縦に並んでライトが当たり、重唱したシーン、二回目で思わず涙。やっぱりこの劇場、泥臭いオケ、若者たちのエネルギーのぶつかり合いは、Adreatic Arenaのお金かかった舞台よりも偉大。

Adinaが階下に降りてきて、太守の部屋をドンドンと叩く。黒子が出てきて会いたくないと言われたが、しつこく叩くと太守が出てきた。Adinaが恋人の解放を頼むが、死刑だというので、Adinaは気絶してしまった。

みなに取り囲まれたAdinaの腕輪を太守がみつけ、取ると紙が入っている。そこに何かが書いてあり、そそくさとケーキの背後に消えた。黒子が気付け薬をかがせるとAdinaは目覚める。

彼女が母の名前がZoraだと言うと、太守が父であることが判明し、Selimoは解放され、Adinaの壮大なアリアとともに一気に大団円!最後は幕がAdina&Selimo結婚おめでとうになっていた。

タイトルロールはLisette Oropesa、歌えてたなあ!何度かみていていつもまあまあの印象だったが、ここにきて一皮むけた。ロンドンLuciaでMariottiに鍛えられたかな。

黒人テノールくんは来年のSemiramideでIdrenoやるかな?Brownleeは飽きたのでちょうどいい。

STAFF & CAST


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