去年の大不評のグロ演出「ルチア」、二度と見たくないと思ったけど、Michele Mariotti指揮なので。Olgaちゃんのデビュー予定が断られたらしい。
このドニゼッティの悲劇は、悲劇ではあるが、全般通して音が色彩に富み、明るめの美しい音楽である。なので、ルチアの悲劇は、あーかわいそ、でも結婚証明書に自分でサインしちゃったから仕方ないよね・・・、でも狂乱の歌はすげえや、などと遠巻きに見るのが正しい。
フェミニズム解釈で男達を糾弾するために、彼女が新郎をベットで刺し殺し、恋人との子供を流産をし、恋文とともにバスタブに浸かりながら出血多量で死ぬのをこと細かく見せるのは絶対に間違っている。
指揮はよかった。前半は歌に合わせてアクセント的にしか鳴っていないのだが、いちいち力を入れてタイミングばっちり。中盤の合唱からは一気にもりあげる。ルチアのアリアに対しても強弱をつけさせていた。
ソプラノLisette Oropesaは記憶ないけど3回目(1、2)、一幕のハープからのアリアはかなりフラット気味で高音もでてなくて小さくブーしたが、三幕のフルートとのアリアはがんばった。太めの声で私好みではないが、声量もそれなりにあり、高音もぎりぎりあてていた。Mariottiも笑顔だった。Kruzakはもとより、Damrauよりよかったかも。
ただねー、もっともっと余裕もって歌って感情表現してくれないと泣けない。ま、Edita Gruberovaできいちゃったから。
エドガルドも太めの声で私好みではない。ヒゲ男でバリトンみたいな、って前回と同じCharles Castronovo。あれ、下げて歌ってる?
他の歌手はよかった。無駄に声のでてる韓国人アルトゥーロとか。前回のと別の韓国人。
Mariottiはまた聞きたいけど、違うソプラノならなあ・・・