2016.7.30: Jean-Philippe Rameau "Les Indes galantes"

しらないオペラだが、「優雅なインドの国々」という邦題でぜひ見たいと思った。華麗なバレエ・オペラらしい。音楽は素晴らしかった。さすがBolton、この人のバロックはやっぱり違う。

プロローグ、ピンクスーツの学校の先生(美の女神エベ?)が子供達(アモール)に何かを教えている。学校の職員なのか大人達(恋人達?)が机を三次元的に転がすのが謎。途中、二手に分かれて積み上げられ、頂上の子が小さなドイツ国旗とフランス国旗を掲げ、ゴミを投げ合う。そのあと、大人達が上手にあった地図を広げると、昆虫やらいろいろなものが描かれている。

やがてピンクのカーペットがひかれ、アメリカ国旗と女装した男(戦いの女神ベローナ!)が登場。戦えと言われて恋人達はどこかに行ってしまい、愛の矢を放つため、アモール達はインドの国々へ・・・

この現代的な演出はプロローグだけかと期待したが、全幕だった。。。

10数人いるダンサーは学校の清掃員で、モップとか片手に現代舞踊を踊りまくる。各間にソロダンスもある。これが全く美しくない。むしろ醜い。冒頭の机や、展示ケースにみたてた木の枠、ロッカーぽい木の棚が、動き回る。これが物語の場面を作るのだが、意図がわかりにくい。衣装も冒頭の学校のほぼ同じまま、同じ歌手が複数の役をこなす。

現代的なのが悪いのではなく、どこを切り取っても美しくない。これで一気にテンションが下がって、1幕は睡魔にだいぶ負けた。。。

1話、別のソプラノ(エミリ)がトルコの総督オスマンに口説かれるが、漂着した奴隷船に恋人ヴァレール(T)がいて、彼はオスマンの恩人だったので、二人を故郷のフランスに帰す。木の枠に詰まってた人々は奴隷たちで、最後にその上にのって手を振り歌ってたのがオスマンか?

2話、場面は教会、椅子が並べられ、祭壇の前に水色の棺がある。木箱は下手で懺悔ルームになっている。電動スケートに乗ってきた司祭が、ソプラノ(インカの娘ファーニ)と結婚しようとするが、大地震が起こり、スペイン士官のカルロ(T)が助け出す。

コーヒー注入して2幕はがんばる。衣装から人間関係がわからないので、テノール、バリトンなどと頭にたたき込む。

3話。木の枠には花瓶が飾ってあるが、よく見るとダンサーがしゃがんで花を持っている。。。花が去ったのち、何もない木の枠のガラスを拭き掃除するマイムあり。

木棚は上手で男子と女子のトイレ、その前に女の係員が鎮座。女装の男(たぶんペルシャの王子タクマ)が別の男と話す。やばい、もうどっちがどっちかわからん。女装の男が女子トイレに入ると、男装の男が男子トイレから出てきた。係員の女とで2対2、これが入れ替わって別の二組になり、ハッピーエンド!

ピンクのカーペットが十字にひかれ、寝袋とかもった人々がぞろぞろやってくる。机が下手に並べられ、ピンクの先生の指導のもと、子供達がそれを眺めている。そういうことか。。。

歌手とダンサーがドミノ倒しを踊る。最初はおっと思ってみるんだが、長くて飽きちゃうんだよね。。。

4話。上手の入り口には鉄格子、その上でテノール(アダリオ)がなんか歌う。難民が鉄格子で追い出され、その前の水色のテントに入る。ピンクの先生が酋長の娘ツィマを演じる。青い衣装の二人の男、別のテノールとバリトン(フランス仕官のダモンとスペイン仕官のアルヴァール)に口説かれるも、アダリオに忠誠を誓う。

ピンクの先生は子供達に、難民受け入れの正しさを教えていたのだろう。そういえば、子供達の服は青色だった!でもそんなのオペラで見たくない。ただ「優雅な」が見たかったのだー。

STAFF & CAST


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