出だしはのろくてものすごく眠かった。舞台はロマネスクな教会で、現代服の老騎士グルネマンツらが集うだけでつまらない。幕に映像を映してた意味はなさそう。淡い黄色のパンツスーツのクンドリがきて、黒いバックパッカーの若者がやってくる。ペットボトルの水あげたり。
聖餐の儀式はグロかった。白髪のティトゥレル王が自ら棺桶に入り、半裸のアンフォルタス王が腹から血を流して歌い、その血を受けた聖杯にむかって、人々が小さなグラスを掲げて分け合って飲む。。。
人々は倒れ伏し、上手の隅で群衆にまぎれていたバックパッカーだけが立ち尽くしていた。アンフォルタス王役のバリトン(Lauri Vasar)がイケメンだったのが唯一の見所。
普通にカーテンコールあった。休憩のち2幕。
魔法使いクリングゾールの城で女たちが誘惑、さぞ華やかでエロチックな場面になると期待していたのだが。。。教会と同じ壁が真っ白に塗られているだけ。禿頭に眼鏡のクリングゾールが中央の椅子で回りながら歌った後、花柄ワンピースの女児たちがわらわら出てきて、なわとびやフラフープなどで踊る!
下手の天井窓からロープでバックパッカーが侵入。クンドリは魔法使いに操られた黒モードで、バックパッカーが母にもらった馬?の像を見せて愛の心を思い出させる。背後で思い出シーンが演じられる。母が息子にプレゼントを渡した後、息子はそれを金髪の女の子に見せて、女の子が服を脱いで胸を触ろうとしたところに母がやってきて女の子を追い出し、息子は母親を突き飛ばして家出する。て、そんなしょーもない過去。
クンドリはバックから血の付いたアンフォルタス王のTシャツを出して着ると、バックパッカーは苦痛を感じる。クンドリと上手に消えて、パンツと下着で戻ってくるが、バックパックをひっくり返して、ちゃんとした服に着替える。
クリングゾールが槍もってやってきて刺そうとするが、その槍をあっさり奪ってクリングゾールを瞬殺。バックパッカーは馬の像をバックパックに詰めて逃げる。
休憩のち3幕。
再び教会。グルネマンツが幕を広げ、映写機のスイッチを押すと同じ教会の内部が映し出される。意味わからん。クンドリがうめいて起き上がる。上手から黒ずくめの槍もった男がやってくる。マスクをはずすとバックパッカー。クンドリが靴をぬがし、香油をぬりつけ、グルネマンツが頭にも香油をぬる。
二人が先に去った後、アンフォルタス王がやってきて棺をあけようとし、バックパッカーを見つけてうろたえる。その後に来た人々が棺を倒すとティトゥレル王の遺体(の人形)が転がり出る。それに構わず人々がわらわら出てきて、またアンフォルタス王の血を求めるが、王は逃げて聖杯の入った黒い箱を投げ捨てる。
グルネマンツとクンドリがやってきて、クンドリがアンフォルタス王に思いっきりキスし、王が抱きつくとクンドリは死亡したもよう。バックパッカーに反応なし。主要キャストが去った後、人々が両手を掲げて救済をと大合唱して幕。
最後のシーンは印象的だったけど。Dmitri Tcherniakov、ロリだったとは。。。たしかに「皇帝の花嫁」もロリ入ってた。「マクベス夫人」にも椅子ぐるぐるオヤジがいた。
音楽は2幕から盛り上がり、3幕の鐘の音が耳に残る。後半の迫力はすごかった。でも神聖な感じはしなかったし、なんか違う気がする。
チケット売れ残って、中央寄りに割といい席でみられた。3幕はほぼ満席になってたから遅れて来た人が多かったのかな?
が、終演後はすごいスタンディングオベーションだった。バレンボイムはユダヤ人なのにワグナーやって政治的にも中庸ってことで音楽的にも過大評価されてるのかも。。。
いい若い歌手を抜擢するのはいいと思う。今日の若い初見のテノール(Andreas Schager)もよかった。顔もまあまあ、Kaufmannには劣るが、声はよりいい。ソプラノは残念、来年のフェストでも同演目があるが、Nina Stemmeになっている。またまたRene Pape、いつも安定の出来でいいんだけど、もう一つ深みがほしいんだよなあ。