ロシア五人組の一人、リムスキー=コルサコフの「皇帝の花嫁」、作曲家はマイナーだがこの一本は割と有名。チケットは完売だったが、運良く戻し券?を入手した。
指揮者も有名で、Daniel Barenboim、ここのベルリン国立歌劇場の音楽総監督、小柄なおじいさん。
序曲からなんかキレてる音楽で熱かったわー。さすがロシア。開演前から幕にロシアの雪に埋もれた町並みが映し出され王族ぽい人々がたわむれていて、その後はコンピュータの画面でチャットのあと人々の顔のパーツを集めてなんかやってて(字幕あったが読めず)、いまいち集中できなかった。
幕があがると、上手にテレビスタジオ。黄緑の背景でモーションキャプチャーをやってたらしい。上手にスタジオ。舞台が回転するとその奥にディレクター?のダイニングがある。上部に蛍光灯が並べられてやたら明るい。テーブルには食べ物が並んでいる。
ディレクターらしきグリャズノイが、美しい人に一目惚れしたよ、と歌う。男達がわらわら出てきてダイニングに座る。皇帝の寵臣マリュータ(デコ)。外国帰りのルイコフ。グリャズノイは医者ボメーリイに惚れ薬を注文する。
秘書っぽい女リュバーシャがきて、私はなんなのよ、許さないと歌う。このメゾ、すごい声量で目が覚めた。これがAnita Rachvelishviliかー。年末のロンドンのカルメンをやる予定だったGarancaが産休で代役になった。背が低く小太りで見た目はいまいちだが。
あれ、マルファ出なかった!?
白い壁がおりて、花嫁候補の女たちが映し出される。モデルみたいな綺麗な女の子たちが多いが、Olgaちゃんも遜色ないね。その前後にみためいまいちな女の子が挟まれていたが。
2幕、白い壁の一部、上手よりの壁が開き、液晶テレビと白いソファーのあるリビングが見える。女子高生が二人うきゃうきゃ上手から出てきて、奥にまわってリビングへ。母が出迎える。家政婦は出てこなかったような。
マルファは窓辺で片足立ちになったり、友人ドゥニャーシャの膝に横になったり、日記帳を開いたりしながら、超絶アリアを歌う。
Olgaちゃん、このメゾのあとだと声量が見劣りするが、声の美しさと音程の完璧さは相変わらず。セーラー服っぽい青系のワンピースに白ソックスも似合ってる。
二人がテレビをつけるとスター俳優の映像、皇帝イヴァン4世か?通りがかった皇帝がマルファを見初めるわけではないらしい。そこへ父ソバーキンがルイコフを連れてくる。マルファの婚約者。この4人の四重唱もよかった。
下手からリュバーシャが出てきて、窓を覗いて恨みをつのらせ、下手のドアを叩く。ボメーリイが出てきて、毒薬をくれと言って、鞄の中や身につけた宝石を全部差し出すが、お前の体をよこせと言われる。しばし悩んだが、窓から団らんの声が聞こえるので、決意したらしい。
休憩のち3幕。また小さい窓の部屋。窓あけても音が反響しないので、みんな声が届かない。ダメな演出(Dmitri Tcherniakov)だ。1幕もだが、小さい空間に人をごちゃごちゃ押し込めるのが好きみたい。
父ソバーキン、婚約者ルイコフ、グリャズノイが居間でくつろいでいる。テレビと、壁の左側の白い部分にも、皇帝の嫁候補の女たちのスピーチが映し出される。Olgaちゃんは数番目。
ルイコフは早く結婚させてくれと言うが、父はマルファも皇帝の嫁候補になっているので待てと。ドゥニャーシャの母親(背の低い小太りのおばさん)が出てきて、皇帝との面会で娘がいい感じだったと告げる。それでかなんだかしらないが、婚約パーティをやるぽい。
グリャズノイは酒をついでひとつに薬を入れる。マルファが女友達とわらわらやってきて、グリャズノイは酒をマルファとルイコフに渡す。間違えたのでおもむろに取り上げて、毒入りの方をマルファに。一口のんでまずそうにしてたが、言われて全部のむ。
友達たちは手にした風船を次々とマルファに渡して祝福する。みんなややフォーマルな格好。マルファのは淡いピンクのワンピースで肩の部分がレースになっていて、かわいい。靴を脱いでちょっと踊ると、薬がきいたのかふらふらし始める。
そこへ皇帝の使いがやってきて、マルファが后に選ばれた!ルイコフはマルファの手を取り、おれだろ?とか言うが、マルファは無反応。そら皇帝の方がいいもんね。
暗い序奏のち4幕。またテレビスタジオ。下手のモニタにも中央のマルファが映し出されていたが、気分が悪くなり、マットレスが運び込まれたが、並べた椅子に寝かせられ、映像は中断。グリャズノイがやってきて、ルイコフが后に毒をもったことを認めたとか言ったはず。マルファはマットレスに倒れ込んで狂乱。グリャズノイをルイコフと思い込んで話しかける。
グリャズノイは自分が惚れ薬をもったせいだと白状して隣室のスタジオへ。そこへリュバーシャが来て、自分が毒薬とすり替えたと白状するので、刺殺。グリャズノイも銃かなんかで自殺。バンって音がした。マルファはふらふらと舞台奥に消える。
Olgaちゃんのは狂乱というよりは、悲しみと哀れさの方が強かったな。美しかったけど、もうちょっと力強さもほしかった気もするが。ルチアとかもみてみたい。顔は濃いのに声は細いからなあ。ジルダが絶賛されたのもわかる。今年は、運命に翻弄されるはかない女押しなのか?再来年はViolettaやるらしいが、高慢さが出せるのか楽しみ〜。
来月のハンブルグも見たくなってチケット買ってしまった。。。