舞台はまあまあだったが。冒頭、広い部屋にぽつんと置かれた白いベットに横たわる女を、年老いた男(Leo Nucci)が背後から眺めている。いきなりのネタバレやん。
音楽に合わせて下手の扉が開き、上手の扉が開く。起き上がって赤いガウンを羽織ると人々がわらわらでてくる。淡い色のドレス&黒のタキシードで赤いガウンのVioletta Valeryが目立つ。けど、Olgaちゃん調子悪いのか声の出が。。。
最初にからんでた細目の黒タキが割といい声してるなあと思ったら脇役で、次に出てきたガタイのいいのがAlfredo、声はでてるけど声が曇っている。
みなが去って二人のデュエットのちいきなりのディープキス、白い椿の花を渡して明日ね、と。Olgaちゃんの声が出てきた。高音がきれい〜。
最初からViolettaの病気アピールが多く、よろめいたり、最後は黒いカバーがかけられたベットに倒れ込んで暗転。
2幕、パリ郊外の別荘。同じ広い部屋に家具が少しあるだけ。全身真っ白な衣装のAlfredoが、原色の花束をもってきてまき散らす。うーん、この演出家、美的センスがいまいちなんだな。Alfredoの歌は割とよかったけど。
Alfredoが出かけて、Violetta登場、1幕でアップにしてた髪を下ろし(地毛だ)、淡い黄色のドレスが可愛いすぎる感じ。
爺Germont vs Violetta、御年75歳のLeo Nucciは声がまだまだばっちり出ていて、すごい対決だった。毅然と一歩も譲らないので、Violettaが別れを決意する。どのタイミングで決意したのかはちょっとわからなかった。Olgaちゃん、まだ歌に集中してる感じ。
爺Germont vs Alfredo、再登場して息子を見た顔でもう勝負あった。その顔だけでViolettaに捨てられて愕然とするAlfredoという構図が浮き彫りに。最初に曇ってた声もだいぶよくなってきて、このAlfredoはかなりいい方なんだが。
Leo Nucciのプロバンスもお見事。まあ、Keenlysideの妙にエロいパパさんが一番なんだが。
息子の捨てた手紙を見て爺が事情を察して幕、休憩。
2幕2場、Flora Bervoixが巨乳にボンテージ風の衣装で、、、ダンサーは出てこず、女合唱隊がタンバリン鳴らしながら歌い、男合唱隊が闘牛士の旗をふっていた。うーん、物足りない。
Violettaが純白のドレスで別の爺とやってきて、Alfredoが緑の卓で賭け事やって、Violettaに金を投げつけると彼女は倒れ込む。
3幕、冒頭と同じ部屋。背後の柱の間にパリっぽい建物が影絵になっている。冒頭と同じ白いベットに横たわるVioletta。医者がきて、あと数時間の命だと。カーニバルの日で、ふいに赤とかの照明がチカチカあたり、三体のかかしみたいなのが背後に映る。
待ちに待ったAlfredoが来て、教会に行こうとするも自分で赤いガウンを羽織れず、またベットに横になる。爺Germontもきて、息子に責めてくれるなと。
ふいに痛みがなくなって立ち上がり、くるくる回って高音で叫んだのち、ご臨終。ほとんどベットに横になって歌っていたが、この幕の歌の難しい旋律もほぼ完璧お見事。
歌が完璧だーと感心するばかりで物語に感情移入できなかったので、もう一回ききたい!ロンドンのRichard Eyre演出が最高なので、それでききたい!!
今日の歌手は総合的にはベストかも。Damrau&Keenlysideもよかったけど、Alfredoが今日の方がいいから。
OlgaちゃんのVioletta、2015年ローザンヌでのロールデビューを見逃し、NYとかロシアは行けず、ようやくヨーロッパ凱旋。月末にウィーンでもやるけど、ベルリンの方がキャストがいいので。歌いこなすともっとよくなると思う。1幕冒頭から合唱に負けない声量もほしい。
終演後にドイツ式のサイン会があったので、あまり買う気がなかった新譜のロシア曲集を購入。一人一人丁寧にサインして、相変わらずのファンサービス。でもサインの列が・・・20人くらいしか並んでなかった・・・まだまだ通好みなのかなあ。