2017.5.1: Thomas Ades "The Exterminating Angel"

本日2本目。Leicester Sqでお好み焼き食べて、洋服を数着試着してきた。

テンペスト(2004)をつくったイギリスの作曲家の最新作。Luis Bunuelのサスペンス映画が原作。

オペラの後、12人の客がディナーに招待されてきたが、雇い主は一人を除いてみな早退し、その後は主すら誰も壁から出られなくなる。そのうち老人が死亡。若いカップルはアダムとエデンのように愛し合いながらおそらく自殺。客人は飢えと腐臭と狂気にさいなまれる。

床を壊して水を取り出す。おもむろに羊が三匹(本物!)でてきて、祈るのかと思いきや、がっつり食ってた。反キリスト教。。。女三人が無垢な血があればとかいってるのはマクベスか。別れた息子が壁の向こうにいてもダメ。冒頭に、処女じゃないからブリュンヒルデじゃないとかワーグナーも引用してた。

あるとあらゆることを否定していく。どうやって終わるんだと思っていたら、オペラ歌手の女が行動がループしていることに気づき、それをみなで意識的にやると壁は抜けられた。と壁の外にいた人々と喜ぶのもつかの間、また壁が押し寄せてきて終了。壁の脇には銃もった兵士たちがいた。

どういう意味なんだ!!!映画に忠実らしいから、意味を求めてはいけないのかもしれない。歴史は繰り返すことをみなで自覚すれば壁は抜けられる。その壁の打ち壊し自体も繰り返す。と、現代史に通じると感動はしたんだが、タイトルからすると、それが世界、天使はいたとしたら皆殺しにする、という諦めなのか。。。

いずれにしろ、ものすごい作品。もう一回みたいけど、日程が合わないよう。

音楽はシンセサイザーみたいな、グラスハープみたいな音の鍵盤楽器を使っていて、すぐ隣にあったのでうるさかった。オンド・マルトノというらしい。もっと音のバランスがいい席でききたい。2幕ではギターも使ってた。

同時代の新作オペラを作曲家本人の振りで聞けるのはしあわせだ。そして今までみた新作オペラではベスト。

STAFF & CAST


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