2013.4.27: Mozart "Die Zauberfloete" #3

今日はフローレスの三日目。Masterclassと題されたこの日は、若手歌手の公開指導だった。フローレスは歌わなかったけど、蘊蓄満載で、冗談だか本気だか微妙なちょいブラックなネタを挟みつつ、あのすっとした顔に似合わずの語り屋さんぶりを発揮してた。大好き。

そのあと、オペラ仲間の日本人と、まだ夕食には早いので、和食を買って帰ろうとピカデリー線に乗った。コヴェント・ガーデンを通るその線で、今夜は何やってるんだっけ?魔笛かあ、Keenlyside?なんて話してて、思わず降りてしまった。そういえばKeenlysideは五月公演だけだったのだが(だから私が前売り買ってたのも五月)。

オペラ座に着いて真っ直ぐにチケットカウンターに向かったが売り切れ。「何時からですか?」と聞いたら、「戻し券がでたらでいつになるかわからない」「いやそうじゃなくて、公演は何時から?」と、開演時間も知らんで当日券探しに来たけったいな客。待つこと30分、手頃な戻し券を買えてしまった。

で、「魔笛」。幕があがるとでっかい緑色の大蛇。タミーノが戦って倒れる。舞台奥が開くと侍女三人組が出てくる。奥には星空が見えて美しい。なんか歌うと大蛇が倒れて退場。魔女たちは、倒れている王子の顔をみて、きれいだわあ、女王のとこ行かないといけないんだけど、行きたくないわあ、と。

パパゲーノが出てきて、王子と出会い、自分が倒したとほらをふく。パパゲーノは映像ででも勉強したのか演技はKeenlysideのコピーのような。。。でも歌はいまいち。戻ってきた侍女たちにパパゲーノはくつわをはめられる。

侍女たちはタミーノに、夜の女王の娘パミーノがザラストロに捕らえられているから救ってくれと頼む。雷鳴とともに夜の女王が現れて、アリア1発目。高音はぎり出てるが、テンポ悪い。舞台には下手からでっかい月が輝いて美しい。

タミーノが承諾すると、羽の生えた車が中空を取りすぎて、少年三人がコーラス。ロンドンはいつも少年コーラスの出来がいまいち。人材がいないのか?タミーノには魔笛、パパゲーノには銀の鈴を渡す。魔法アイテムですな。

ザラストロ城で、囚われのパミーナが長いロープでつながれている。黒人モノスタトス、黒人じゃなくてキノコ頭の貴族、に狙われている。そこへパパゲーノがやってきて、肖像画で確認したのち、パミーナと逃げることに。パミーナ役のソプラノEkaterina Siurinaはいい、今日のキャストでは一番の出来。ミュンヘンパリでも見ている。

一方、タミーノは三つの扉の前。ひとつ選んで進むと神殿で、弁者と問答。こちらは天球儀のある部屋。大きな緑の木のあるところ(森?)に移って、トラとかいろいろな動物の頭をつけてダンサーが踊る。

緑の木の下には枯れ木が隠されていて、緑部分が上空にあがるだけで場面転換ができる。(後半では逆に、緑の木が降りてくる。)

パミーノが逃げてくる。御輿にのって赤っぽい衣装のザラストロがものものしく登場。タミーノが再登場して、パミーナと出会って恋に落ちる。ザラストロが試練を与える。

休憩。マクビカー演出は綺麗でいいが、音楽がたるい。指揮者しらない人で女性。

休憩のち2幕。中央上手よりの高い壁にチョークでなんか書いている。ザラストロがみんなになんか提案して、挙手で同意を得る。タミーノとパパゲーノがまた弁者と問答。このへんは退屈。夜の女王まだー?

舞台中央に大きめなベットが運ばれてきた。横たわる女の腕がみえる。マクビカーだし、裸体なのか!?客席にはお子様もいっぱいいるのにー><

パミーノは服きてた。夜の女王がやってきて、アリア2発目。演奏が遅いので、無視して勝手に自分のテンポで歌ってた。娘に剣を渡して復讐しろと。

タミーノとパパゲーノは無言を貫く試練を受けている。パミーナがやってくるが、なんで口をきいてくれないのと嘆いて去る。一方、パパゲーノは老婆に押し倒されて求愛されるので、受け入れると姿がパパゲーナに戻り、嘆いて去る。

下手に高い窓があるパミーナの部屋。嘆いてナイフで自殺しようとするパミーナを少年たちが止めて、タミーノのところに連れてくる。二人で試練を受けることにする。魔笛でクリア。

パパゲーナを失ったのでパパゲーノは自殺しようとするが、少年たちが止める。鈴を鳴らすとパパゲーナが現れる。なんのこっちゃ。

みんな出てきて、舞台にもでっかい太陽がでてきて、金粉が振ってきて、大団円。月の世界から太陽の世界へ。物語はともかく、David McVicar演出が全部もってった。「魔笛」は子供仕様になること多いが、大人でも楽しめるそこはかとなくエロチックな舞台だった。

よいキャストでもう一度みるので、楽しみ。

STAFF & CAST


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