Grigoloは相変わらずの前のめりで、歌も演技もやたら熱くて、声量もありあり。力んだままいくから高音はかなりぎりぎり、1幕のアリアはいけたけど、3幕はあれれれ。この歌い方でネモリーノが歌えるとは思えない、年末の「愛の妙薬」はAlagnaを引き継ぐらしいが。またヘタくそ!なんだろうなあ。
かたやGheorghiuは張り上げるところはかろうじて聞こえるが、あとはほとんどささやき程度。音楽が盛り上がると全く聞こえない。舞台のすぐ上で見てたのに。いくら病気設定だからって。。。なのにカーテンコールではすごい大喝采。なぜだ??
他のキャストもみんな悪くないのだが薄い。ムゼッタもまあまあ。よってGrigoloの一人勝ち。とはいえ、歌は主に1幕だから、3幕以降はグダグダだった。4幕なんてミミが歌うと眠くなったもの。
この演出も4回目だが、いい演出だよなー。John Copley、1972年からここのディレクター。この演目は最も長くやられている作品らしい。
1幕と4幕のロドルフォたちの家は二段構造、上手上段に入り口、その横に画家スペース、中央に階段、その下が小説家スペースでベットがあり、下段下手はテーブルと暖炉。
2幕も二段構造で、上手上段にビリヤード台、下段がレストラン、中央に通路があって、下手には民衆がたまっている。子供とかでてきてもごちゃごちゃであまり目立たず、物語の中心は常にレストランにある。オレンジのドレスのムゼッタはレストランで騒ぎを起こした後、上段にあがってビリヤードを打ち、棒をへしおる。ムザッタは白い犬を連れてきてレストランの人に渡し、その人が最後にパトロンのじいさんに渡して幕。
3幕は一面の雪で、中央にゲートがあり、下手にムゼッタらのいる酒場、上手の荷車が揺れていてる・・・。
ミュンヘンのOtto Schenk版もバルセロナ版もみんな似たような感じ。ウィーンのFranco Zeffirelli版はまだみてない。