台が傾いた巨大な黒い棚が三つ。回転して位置を変え、観客席みたいになって合唱隊が並んでいたり、通路になっていてソリストが歩いたり。よく見ると壁面には煉瓦のような模様がついている。凝ってるなあ、金かけてるなあ。
ドイツ王にテルラムントが王位継承者であるエルザの弟殺しを訴える。
地下からはいあがってきた黒い下着のElsaは半狂乱で、騎士がやってくる、その人と結婚するなどと歌う。Kristine Opolaisが事前に降板してJennifer Davisがロールデビュー。最初こそ固かったが、伸びのあるいい声でしっかり歌えている!Opolaisより断然よかっただろう。
ドイツ王が何度呼んでも騎士は来ない。が、映像で巨大な白鳥の翼が映し出された後、棚が左右に開いて中央に白いスーツの男現る!ここまで結構長くて、話もごちゃごちゃしてるので退屈してしまうのだが、一気にテンションあがる。
ここで初めてKlaus Florian Vogt現る!ロンドンには2009年のルルでデビューしているらしいが、かなり久々。ドイツではよく見るけど。裏声で全部歌うソフトボイス、はいかがなものかと思うのだが、白鳥の王子のこの役には合っている。
名前を聞かないことを条件にElsaを救う。テルラムントが決闘を挑み、6人の男が剣を床に刺してリングをつくる。寸止めで殺さず。テルラムントは民衆にオレンジのペンキをつけられた。
休憩のち2幕。中央に机があり、びびるテルラムントを横目に、妻オルトルートが復讐を誓う。ここのアリア、迫力あってよかった。Christine Goerke、Elektraでもよかった。
上手上空に白いネグリジェのElsaが現れる。オルトルートは彼女に取り入り、Elsaもすっかりだまされ、ピンクのガウンを羽織って降りてくる。
棚が動いて場面かわり、スーツ姿の男声合唱団が椅子にずらりと並んでいる。誰かが兵士達にフン族と戦えと言い、拳をあげながら合唱。あぶないあぶない。が、拳を上げてない男が数人いて、兵士達が去った後に残る。一人はテルラムントで、テロを計画。
上空から白いドレスが降りてきて、女中たちがElsaに着せる。オルトルートは真っ赤なドレスでやってきて、あんたの召使いはご免!(手伝ってなかったけど)騎士の名前も言えないくせに!
Elsaが追い込まれたところでLohengrin登場して渇を入れる。でもElsaの心にはテルラムントとオルトルートにより猜疑心が刻まれている。
休憩のち3幕。幕があがらずに結婚行進曲。途中で幕があがると、中央に思いっきり白いベット。。。上手には伝説の巨大な絵画がかかっている。行進しないの・・・?David Aldenはベット好きだな。Semiramideも思いっきりベットだった。
民衆がベットルームから去り、Lohengrinは床に白い布を敷く。Elsaは二人きりだから、名前おしえて!!Lohengrinが甘い声で甘いこと言ってもダメ。
そこで突然、背景の白い壁を突き破ってテルラムントが襲いかかってくる。Lohengrinは思わずぐっさり刺して殺しちゃったー。テルラムントの仲間に死体を持って行かせる。
場面かわってまた黒い棚。ドイツ王が兵士達を率いている。Elsaが誰かを捜してうろうろしている。騎士まだー?ようやくやってきたLohengrinはえらい冷たい顔で、二つ報告。一つ、その死体はオレが殺した。二つ、Elsaの心は汚れた。自分はもう国に帰る。最後に素性を明かそう・・・
また白鳥の翼の映像がでて、Lohengrinは中央後方に歩いて退場。入れ替わりに、中央下手寄りの奈落から、少年が這い出してくる。胎児にはなってなかったElsaの弟!そのまま剣を取り、兵を率いて、めでたしめでたし!
David Alden演出、よかったなあ。結婚行進曲のところだけはともかく。全体的に奇抜なことやらずに人とモノを動かすことできっちり物語を盛り上げた。Semiramideも、ミュンヘンのTannhaeuserの旧演出はよかった。ロンドンの演出はParsifal(Stephen Langridge 2013)もTannhaeuser(Tim Albery 2010)もひどかったから心配してたが。
久々に出待ちして、印刷したツーショット写真にVogtのサイン、いただきました。いつも愛想はいいけど、ちょっとお疲れ?ペンなしの出待ち客が多くて、私の金のペンがずっとVogtに使われていたさ〜。ドイツからの遠征組多し、ロサンゼルスのにーちゃんもいた。
女性二人は元気だった。メイクとると雰囲気が似てるから、最初のがElsaかと思ったら違った。後から来た方はなんか見たことあるなあとは思ったのだが。後で名前を確認したら、平凡な名前なので覚えてなかったが、当日変更のAdinaが素晴らしかった人だ!ベルカントもワーグナーもいける。おいかけるー!