2015.9.14, 9.26, 10.10: Gluck "Orphee et Eurydice"

今シーズンの始まりはJuan Diego Florezのロールデビュー。気合い入れて三回いったのだが。

びみょー・・・

オペラ人口増加キャンペーンなのか、オケピは立ち見席になっており、オーケストラは舞台の上にのっている。オケも舞台セットの一部とする演出か、オケを乗せた部分が中空にスライドする。

音が・・・とくに中空にあがると響かなくて音がバラバラな気がする。反響盤も一緒にあがってってるのだが。前回がバイロイトだったからか?私の耳がよくなってしまったのか?

Florezの声は相変わらずよく響くが。王子は冒頭から悩み顔で椅子に座ってたたずんでいた。無精髭にわない。妻が死んだので仕方ないか。合唱団もいい。女性の形をした金属の枠に火をつけて燃やす。

そのあと出てきたダンサーたちが、、、現代舞踏なのか、手をぶんぶん振り回し、足音がうるさい。AKBみたい。舞台とオケピ上の奥舞台とでシンクロして踊るのがさらにうざい。黄色っぽい衣装。

中空のオケピから愛の女神が登場。金のスーツから胸がこぼれそう。歌もなかなかいい、声が綺麗。オルフェオに、音楽の力で感動させることができれば妻を連れ戻すことができると。

王子、熱唱。現代ではメゾが歌うこのロール、高音の連続で難しいがさすが。奥舞台のダンサー達にまぎれてエウリディーチェが登場。みな青と緑のグラデーションで、デザインがばらばらな衣装。

ハープも下手からでてきて、王子は冥界へ。ダンスの意味がよくわからん。

休憩。あれ、休憩するのか。でも舞台セットが変わるわけではなかった・・・後半はオケは舞台面にいた。反響盤に穴が空いていて光が差す。

後半の前半が一番よかった。オルフェオとエウリディーチェのかけあいがドラマチック。物語がわかる。オペラはこうでなくっちゃ。なぜ私の顔をみてくれないの?私が醜くなったから?

オルフェオが耐えきれず振り返ったらエウリディーチェが死んでしまった。おーまいがーの嘆きの王子。CDにも入ってるここのアリアはさすがの出来。歌がだらだらと続くからブラボーのタイミングがない。アンコールしてほしいのにー

王子はおもむろに水筒をあけ、入ってた油を頭からかぶり、焼身自殺を試みる。アモーレがオケをかきわけて出てきて止める。真実の愛だから蘇らせてあげると。

ダンサーがわらわら出てくるのに気をとられていると、エウリディーチェがおもむろに後ろ向きで去ってしまい、王子が追いつけない。あれ?

これで物語は終わったのに、ここからがダンスで長いのだ。音楽はいいのだが。足音がうるさくて集中できない。レゲエみたいなロン毛の男を中心に二つの舞台で、うざいうざい。王子は最初は舞台袖で退屈そうに見てたが、いつものまにか退場してた。

ようやくダンスが終わると、また王子がおもむろに出てきて(歌わないのに)、燃えた人形も出てきて、最初のシーンに戻る。まさかの夢オチ!?これ、ハッピーエンドじゃなかったっけー

と気づいたのは二回目で、一回目はダンスに集中力を奪われたまま終わってしまったのだった。

初日はスタオベも出て隣のイギリス人のおばちゃんも美しいと大絶賛だった。

二日目に一緒にいったフランス語圏のカナダ人は、彼のフランス語は巻き巻きすぎと言ってた。たしかにtritteとかレロレロではある。

びみょーだったのはFlorezのフランス語がいまいちだったせいなのか・・・やっぱり彼にはロッシーニの喜劇、バカっぽい王子が似合う。無精髭の嘆きはKaufmannに任せよう(こんな高音でないけど)。

嘆きの王子っぷりはミュンヘンでみたKasarovaの方がよかったかも・・・

STAFF & CAST


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