2014.7.31: Verdi "La forza del destino" #2

つい三日前はあんな元気に歌ってたのに、先週から調子が悪く、だとさ。恒例のKaufmann降板!!!相撲取りみたいに勝ち越しすればいいと思ってる、などと揶揄されていた。ま、前回は撮影が合ったのでがんばって出たが、もうやる気なくなっちゃったのかな。なんでこいつが「キング・オブ・テノール」なんだ。日本で契約したソニーのキャッチコピーだが、「変わった声質の珍しいテノール」ではあるが、間違ってもキングではない。

代役はZoran Todorovich、、、ミュンヘンでよくみる、いつ見ても「いまいち」なテノール。Kaufmannの代役としていつでも出れるように練習してただろってくらい、演技もばっちり。声質は普通にテノール声なので、前半の太め声のHarterosとの重唱も、後半のバリトンとの重唱も、ハーモニーがよかった。Kaufmannよりいいじゃん。まあ、後半のアリアでは、いつもの悪い癖が出て、高音で伸びると微妙に半音くらい下がる、というのを連発してたが。。。そこはやぱっりKaufmannの足下にも及ばない。。。

前回は上手が半分みえない席だったが、今日は全部みえた。この演出は木のテーブルがモチーフになっていて、全幕通じて同じ位置にある。最初のシーンで食事をしてたのと、ラストシーンでは同じ位置で死んでいる。机に横たわっていた瀕死のレオノーラが不自然にずるずるっと移動して席に戻るのはそのため。

兄ドン・カルロは弟の設定で、最初のシーンでは緑色のセーターの少年が、次の場面で同じセーターの大人に代わっている。ついでに、レオノーラに駆け落ち用スーツケースを渡してた女もジプシー女に化ける。

謎だった3幕の舞台、あれは三階建てではなく、壊れた部屋の壁を上から見てる図なのであった!!!棺桶みたいな白い箱から、レオノーラが吊されて光に包まれ天井にあがっていく演出もあった。アクロバットなのは、その場面に立ったり座ったりしているからなのね〜。コーラスが全員寝て歌うのもそのためなのね〜。でもなぜ!このシーンが一番嫌い。

演出Martin Kusej、初見だがミュンヘンではマクベスも不評らしい。

4幕のテトラポットのシーンはアルヴァーロが十字のひとつに重なってキリストのポーズ。宗教臭いのも嫌だ。

 * * *

知り合いの知り合いのおかげで舞台裏での打ち上げに参加させてもらった。タダで飲み食い、というより、舞台裏が見られて燃えた!ジャグジーとかまだあったし。

久々のミュンヘンのオペラフェスト、2011年以来。ナガノいなくなって、今年のプログラムは熱かった。前半のKeenlyside, Netrebko, Callejaのマクベス、Keenlyside, Damrau, Callejaのトラビアータも見たかったのだが。来年のプログラムもよさそう。

STAFF & CAST


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