舞台中央にベットのある部屋、上手に木でてきた高台があり、その手前で女中が縫い物をする。下手には舞台の幕と、その裏の幕を回転させるための自転車、さらにその手前にテーブルとイスが2脚で役者とジャーナリストがだべっている。
バレエ風や様々な衣装の合唱隊が出てきて舞台面に一列に並び、物語が始まる。下手の奥からZazaが登場。中央の自分の部屋に戻り、パトロンのバリトンやさまざまな男たちや毒母と会話。
物語はほぼこの部屋で進行するのだが、舞台の両脇でも小芝居が続いている。自転車こぐ人が疲れたり、槍をもったり、、、ちょっと策に溺れて散漫かな。観客の視線の動きを考えないと。
Zazaは毎年登場のAnne Sophie Duprels、今年はあまり声がでていなかったぞ。要所要所に張り上げるところはさすがなんだが、この演目ではずっと歌ってるからセーブしてるのか?ライバル女優のソプラノも悪くないし、女中の妊婦ソプラノもいい出来、毒母のアルトもいい出来なので、主役がかすむ。太って見た目もかなり劣化した。
前半の終わりにZazaがパリの金持ちのテノールと出会う。最初は他の人に落としてみろとか言われて、デュエットの練習を手伝ってくれ、ドレスの背中をはずしてくれ、とかやっていたのが、お互いに恋に落ちてしまい、舞台の出番そっちのけでキス。
休憩後は6ヶ月の同棲中。仕事に戻らなきゃ、アメリカ行かなきゃ、というテノールくんだが、何ヶ月も離れたくないと言われ、じゃあパリにいって荷物だけ取ってくると。
ところがそのパリには、Zazaが女中と秘かに押しかけてみると、金髪の妻と娘がいた。娘がピアノの練習するの聞いたりしてすっかりほだされ、妻にも何も言わずに帰る。
帰って落ち込んでバリトンに慰められたりしていたが、またテノール来ると大喜び。が、妻子に全部話したとかまをかけるとテノールが逆ギレするので彼の本心を知り、やっぱりサヨナラ。
うーん、ベリズモオペラなんで、庶民の話なんだよなあ。テノールもすごい小物だし。別れてよかったんじゃね?としか思えない。音楽もまあまあだった。テノールくんは声は割と出ていたが小太りで見た目はいいまいち。
舞台は後半は幕だけで、パリの背景がうっすら映し出されたり、テノールくると二人でパントマイムでディナーしたり、これまた策に溺れまくった感じ。
とはいえ、Holland Parkの小劇場オペラへの挑戦は毎年、楽しみだ。Martin Lloyd-Evansが一番だけど。