「ファヴォリータ」は珍しい演目で、演出つきで見るのは初。なぜなら、難しいから。最初から最後までテノールが歌いっぱなし。パリでコンサート形式でみた。
あの時はFlorezだったから、、、今日は国王の愛人レオノーラしか印象がない。低い激しい声で、これまた最初から最後まですごい迫力と安定感。
前売りで立ち見しか買えなかったので、舞台が半分も見えないが。演出は、黒っぽい、すける三つの壁が移動して背景を作り、舞台面には木の椅子がたくさんあるだけ、あとは現代服の演技のみ。すける部分にキリストの磔刑があったり、花や木もった女たちがいたり。正面から見るといいのかも。
レオノーラは水色のスーツに真っ赤なコートに派手な眼鏡を頭にかけている。フェルナンドは修道士なので地味。テノール自身が小太りでやや老けてて地味。対する国王アルフォンゾ11世は真っ青なスーツでドSキャラが似合うMariusz Kwiecien、ロンドンにもよく出るポーランド人バリトン。レオノーラの侍女イネスも眼鏡で紫のシースルードレスで男にまたがったり、いいキャラだった。
1幕でレオノーラに恋をしたフェルナンドが、きっと偉い人だから自分も武勲を立てよう!と修道院を出てイスラム教徒を撃破。なんか光ってて映像か何かあったみたいだが見えず。2幕でレオノーラは国王に暇乞いをし、式部官ドン・ガスパロが相手をばらし、僧院長バルダッサーレ(フェルナンドの父でもある)が国王の不倫を責め、みんなそれぞれ怒りまくり。
休憩でコーヒー注入。立ち見はやっぱりつらい。
フェルナンドがウキウキ祝典に行って、褒美にレオノーラをくれ!壁が前方に動いて椅子を押し出し、レオノーラが「Oh mio Fernando」とアリア。侍女に国王の愛人だったことを事前に説明してくれと頼むが、直後に侍女は逮捕されてしまう。
レオノーラが黒いドレスに生着替えのち、結婚式が行われるが、愛人だったことがばれて、フェルナンドが1幕遅れで怒る。レオノーラはドレスを脱がされ下着姿になり、合唱団に花を投げつけられる。
再び、すける壁だけの舞台。フェルナンドがバルダッサーレと話していると、懺悔してた少年が倒れてきて、レオノーラだった。頭を打って血を流しながら、死ぬから許して〜。葛藤ののち許すと言ったフェルナンドであったが、レオノーラ死亡で、絶叫〜。
この終盤にハイCがあるはずで、期待してたのだが、最後は静かに終わってしまった。後できいたらハイCはやってたらしいが(楽譜通りに歌ってるらしい)、気づかなかった!この初見のテノール、Matthew Polenzani、アメリカ人。弱めの声で悪くはないが、張り上げるとダミ声になってしまうのが惜しい。小太りでオーラなさすぎ。
この物語は、フェルナンドがもっとバカっぽくないと、ひたすら純粋に振り回されてくれないと。。。とにかく歌がメインなので、メゾ&テノール揃って状態で見たい。
あと、今日の指揮はちょっと雑だったような。Garanca旦那のKarel Mark Chichon、初見。
出待ちして初Garancaにサインもろたが、すごいクールで怖かった・・・その後、レストランで隣のテーブルにいたのだが、話しかけはれなかった。ドイツ語ペラペラだが、会話は英語みたい。