なのに朝から研究所にいったらいろいろトラップされ、それでも早めに出たのにU6が火を吹いて煙でて退避(!)させられ、Giselastrから走る。3分遅れで劇場に着くと、自分の席ではないがギャラリーに入れて、立ち見でみられた。
真っ白の舞台は真っ二つに分かれ、下手が黒いコートのイギリスチーム、上手が灰色のノルウェーチーム。5人ずつ。熱い眉毛はどこだと探すと、軽めのバリトン声のがスコット隊長ことRolando Villazon。イギリス人にはみえない感情を剥き出しにした熱血演技。すらっと背の高いアムンゼン隊長のがThomas Hampsonで紳士然としている。
ノルウェーチームの一人にChristian Riegerさん、昨日に続いてがんばってるね!
歌もかけあいで、微妙に違う歌詞で二チームがユニゾン。音楽は変わった音を多用していたが、ノイズというほどでもなく、Kirill Petrenkoのおかげか全然眠くならなかった。
最初、がんばってドイツ語字幕を解読しとうとしていたのだが、座標の数字を読むところで気づいた、歌詞英語じゃん、聞けばいいんじゃん!
舞台後方の窓がぱかっと開いて、下手に黒子がかぶり物した馬、上手に犬が現れたときには、また手をフリフリ歌うかとひやっとしたが、そもそも合唱はないので大丈夫だった。つか南極にポニーって>イギリスチーム。。。
双方にピアノが出てきて、イギリスチームがボール遊びをする間、ノルウェーチームは真面目に準備してたり。イギリスが薄手の黒いコートなのに、ノルウェーは犬の毛皮みたいな温かいオーバー。双方に蓄音機が出てきて、お互いに相手の状況を気にする。
女性歌手も一人ずつ、下手は黒ロングドレスのクイーンで声は太め。上手は金髪ロングに白ワンピのLandladyでバケツを持ってたのが謎。高く澄んだ声がよかった。二人の合唱もいい。
ノルウェーが南極に近づき、プラトーに出る。馬たちは立ったまま集まって眠らない。イギリス人たちが一頭ずつ引きずり出して銃殺。犬たちが寝転がって寝てたが、ノルウェー人たちがくると一人一人にまとわりつく。それでも一頭ずつ銃殺。ここが1幕のクライマックスだった。
舞台は背後に山を模した白い三角があるだけ、あと暗転すると舞台の枠が白く光る。もうちょっとブリザードとか、夏だけどオーロラとか、工夫のしようはいくらでもあると思うが、Neuenfelsだから物語を邪魔しないでくれれば御の字。
休憩のち2幕は友人の入手したParkettの席に移動し、見やすかった〜。
舞台は1幕とほぼ変わらず、白い山の上に黒い×印がついているだけ。
ノルウェーチームが、座標を読んで、南極点に到達。黒いテントを設置して旗を掲げるはずが、うまく設置できず、遅れて黒子が出てきて手伝っていた。アムンゼン隊長は手紙を残す。
続いて、イギリスチームがやってきて、テントと手紙を見つけて愕然とする。そこは南極点から少しずれた座標で、すこし移動してから旗を掲げ、写真撮影。
このあとが大変。ノルウェーは湯たんぽを抱えていたが、イギリスは凍傷に悩まされ、腕をやられで一人脱落、足をやられてまた一人脱落。ノルウェーが準備したスキーで颯爽と撤収する中、イギリスは残った三人が寝袋で寝てしまい、そのまま死亡。
タキシードに着替えたアムンゼンが、スコットを思い、スコットは助けの暗号をつぶやきながら、幕。
探検隊がみな帽子から透明な線を覗かせていたのがずっと気になっていたのだが、これはマイクで、とくに最後のスコットのつぶやきはエコーかかりまくりで劇場後方から流れてきたのが興ざめだった。オペラにマイクは禁物。
また出待ちして、そんなに人は多くなかったが、HampsonとVillazon、二人の写真にそれぞれサインをもらって大満足♪Villazonには、数週間にベルリンにいて「ジュリエッタ」みたよ〜と伝える。
もう張り上げるとすぐ声われちゃって、あの美声テノールはどこへやらだが、こうして斬新な作品に次々と挑戦しているのが偉い、ただただありがとう、と伝えたかったのだけれど。写真とる時間もなし。
声を温存しつつ、力ぬいて歌える作品だけ出るCuraみたいなやり方もあると思うが。栄枯盛衰の激しいオペラ界で、全盛期を十年以上続けてるのってGruberovaくらいなもんだ。