「西部の娘」、プッチーニにしてはマイナーだが、最近見直されて各地で結構よくやっている。ウィーンではKauffmanが歌ってたり。
冒頭から西部劇風の白黒映画につかまれる。ソプラノ歌手の人?が馬にのって砂漠をかけ町の酒場にやってくる。「Falstaff」でも使ってた手法。幕をバンと破ってミニー登場。
おなじみ、壁で細長く囲った舞台(「Jenufa」「Alceste」)。上手側の大部分が酒場でテーブルと椅子、壁の奥にカウンターがある。上手側は開いていて、その先に見えないが入り口があり、村人がぞろぞろぞろぞろ入ってきて席につく。下手の細い一角がミニーの部屋で、ミニーが鏡台の前に座っている。
実は盗賊団の首領のジョンソンがやってきて、ミニーと意気投合。盗賊団の一味カストロも連れてこられて、保安官ランスが引き立てていく。このへんの人間関係はドイツ語字幕だとわからん。歌手もいまいちキャラ立ってないし衣装も同じようなのだし。あえて没個性にしてるのかな。1幕は合唱がいいと盛り上がるらしい。
2幕は、さっきの舞台の左側の設定。下手に鏡台があり、上手側の大部分がキッチン&リビング。インディアン女中は娘でなくおばちゃんになっている。ジョンソンがやってくると、女中をおいかえし、食事の支度をする。女中が上手の扉をあけると、ばーっと雪が吹き込んでくる。外は吹雪なのだ。ジョンソンはそこに追い出されるのだ・・・
下手寄りにベットがあり、そこをジョンソンに渡して、自分は毛布を抱いて床に横になる。なんだよという雰囲気のあと、やっぱり二人でベットへ。そこへ保安官たちがやってくる。ジョンソンを下手の奥の部屋に隠す。ミニーは保安官から、ジョンソンが盗賊団の首領で愛人がいることをきく。なので保安官が帰った後で、ジョンソンを追い出す。と、速攻で外で銃声が。また入ってきたジョンソンを屋根裏に隠す。天井にはご丁寧に梯子がついていた。
追ってきた保安官にカードの勝負をもちかける。二人のやりとりが背後に映像で映し出される。ミニーは仮病をつかっていかさまをして勝つ。
2幕はドラマチックですごくよかった。吹雪がアツかった!昨日のスモークみたいに、この吹雪も入念にやってるんだろうなあ。
3幕、森でなく、さっきの酒場。椅子とテーブルが取り払われ、銀色の無機質な壁が引き立つ。村人たちがジョンソンをリンチにしている。インディアンぽい爺さんが天井にあがり、首つり縄をセットする。が、ミニーがやってきて懇願するので、みなで許すことにした。合唱にあわせて部屋には夕焼けが差し込み、下手の小部屋が静かに舞台袖に押し出され、人々も下手に退場していった。
一方通行だった人々の思いが通じた隠喩か。Loyの象徴的演出ってやつだ。3幕は感動的だった!ジョンソンのアリアはいまいちだったが。たしかにKauffmanだと似合いそう。
主演Barbara Havemanはまあまあ、Ford夫人もやってた。去年のEva-Maria Westbroekの方がよかったと思う。