2018.2.27: Philip Glass "Satyagraha" @ENO

円柱舞台。茶色っぽいパッチワークの舞台、背後も段ボールぽい素材の壁には窓があり、時折開いて中空に小さい舞台が現れる。

舞台には黒いスーツのテノール(ガンジー)が一人歌う。もう一人の紳士(Lord Krishna)もきてなんか歌う。人々が新聞を広げて並べるとそこにタイトルが映る。A mythical battlefield: The Kuru Field of Justice

上手に赤っぽい衣装、下手に黒い衣装の紳士淑女が対峙する。青いコートのロン毛の男(Prince Arjuna)が出てきて中央に立つ。背後ではりぼての巨大な女と男の人形が戦う。

場面かわって(Tolstoy Farm – South Africa)、壁の中空の窓が開き、髭の老人が机に座って何か書いている。トルストイ?

麦畑で数人の農民が耕している。段ボールの小さな家が現れ、やがて一つの家になる。が、大きな家からはりぼてのワニがでてきた。

場面かわって(The Vow)、また紳士淑女がたくさんでてくる。上着をぬぐと上空につりあがってはけた。その後、はりぼての馬が出てくる。警察の象徴か?

休憩であらすじ読んだ。

2幕(Confrontation and Rescue)、欧州風のカラフルなスーツの男たちが全面にずらりと並び、笑っている。新聞を広げ、貧しい人々に靴を磨かせる。

白いシンプルな袈裟のガンジーが現れると、新聞を丸めて投げつける。白いドレスの女(Mrs. Alexander )が現れ、日傘を差して彼を守る。その女も男たちに罵られるが、ガンジーは背後で瞑想している。

場面かわって(Indian Opinion)、中空舞台で男が袈裟に着替え、大きな髭をつけている。

舞台には新聞が次々と現れ、つながった新聞も出てきて、ガンジーに羽根が生えたように見える。甲高い声のソプラノと数人がガンジーを支援するようである。このソプラノがいい。

また欧州風の男達が出てきて、でかい鳥と人の顔をした怪物が数体現れる。しばらくいてそのまま去っていった。なんなんだ。

場面かわって(Protest)、舞台を蝋燭をもった女たちがずらっと囲んで歌う。中央に穴があいていて、女たちが次々とカード(registration cards)を投げ入れる。ガンジーが火をつけて燃やした。

新聞でできた円に地球儀が照らされる。光が上空にあがり、円は月になる。

中空は三つの窓が開き、上手の髭男は教会をもったキリスト教、中央の縦長の舞台に金の飾りをつけた黒人(マンデラ大統領か?)、下手は象のヒンズー教?となる。

3幕(New Castle March)。舞台には何もない。中空舞台には新聞紙で覆いがかけられている。

白い衣装をきたガンジーと女3人+男2人の仲間が合唱。その背後で白い衣装の人々がビニールテープを上手から下手、下手から上手にのばして壁のようなものを作っている。

奥に小太りの黒人の男が現れ、スーツのジャケットをきてネクタイをしめ、胸ポケットにハンカチを差し、梯子をのぼって中空舞台の新聞紙を除くとマイクが数本ついた演説台がある。客席に背を向けて立つ。キング牧師であった。

両脇の中空舞台には白黒の映像が映っていたが、影絵で男が人を殺しているのが写る。新聞紙を破って、黒いヘルメットをかぶった二人の男がロープをつたって降りてくる。ガンジーの仲間も、その他の民衆もみなヘルメットの男達に連れ去られていく。

ガンジーだけが残った後、数人の人々がビニールテープの壁をたばね、女が宙づりになって中央を輪にして持ち上げ、竹馬の男二人が両脇を持ち上げるると、スカートのような形になる。全然綺麗じゃないし、謎!

ガンジーの両脇の壁がスライドしてはけ(何か落ちたのかすごい音をたてていた)、背後に曇り空が現れる。キングはまだ演説台にいて拳を振り上げている。舞台上のガンジーが演説台に近寄り手をかける。背後は雲のあかかった青空になっている。

この後は何もなく、ガンジーが冒頭のフレーズを延々繰り返して、幕!

物語が、メロディーに飢えた。1幕と2幕の演出は素晴らしかった。3幕は何もなくて退屈。全幕ほぼスローモーションで、音楽も単調だから、各幕30分は楽しめるんだけど、残りの20分がつらかった。。。

Philip Glass、「アクナーテン」でもそうだったが、あれはまだ物語があった。「サチャグラハ」は英語じゃないし、イメージを堪能するため、字幕も最小限に抑えられているらしい。三部作の残り「海辺のアインシュタイン」は8時間あるらしいよー。エレベータ係りのおばちゃんが言ってた。

STAFF & CAST


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