2016.2.20: Emmanuel Chabrier "L’Etoile" 星

最近見直されてるらしいバロックオペラ。マイナーなんでチケット余りまくりだが。

子供向けかと思いきや、予想外に演出が面白かった!

開演前に舞台の両袖で二人の英国紳士が小芝居をやっている。起床してスーツに着替えてでかける・・・

幕があがるとアラブっぽい町で、民衆が王様の噂をしている。舞台の上から指さしマークが降りてきて、当の王様が隠れていた。悪口をいっている人をみつけて自分の記念日に処刑した〜い。家来の天文学者と、オレが死んだらお前殉死と遺言に定める。

舞台かわって、山奥。ペラペラのパネルに描かれた山々だが雰囲気でてる。天井から気球に乗って4人の男女が降りてきた。一人は王女で、その恋人の大使はさっきの王様と政略結婚させようとしてて、大使の妻と、その別の恋人。英国紳士がまてまてと割って出てきて、関係性を解説、「こういうのなんていうの、Very French!」なんてジョークもとばしつつ。「シェイクスピアはkind enoughにこれを英語で書いた」

その山奥に細い少年が登場。目当てのKate Lindseyはどれだとずっと双眼鏡で探してたのだが、この役かー!登場の歌は高めの音程もぴたりとはまってさすが。ポストKasarovaに決定だな。このアリアは金持ちになりたいと星に願う。

少年が疲れて寝てしまうと、4人組の女二人がでてきて、王女は恋したもよう。顔の部分をくりぬいた男と女二人が描かれたパネルが出てきて、ついてる洋服をはがすとめっちゃ裸体になったり。二人は物陰でその服に着替え、爆睡中の少年を起こす。あなた誰?、オケがまた登場の歌を始めると、「マテマテ!」と英国紳士がつっこみ。それでもまた始めるとまたつっこみ。オケピの指揮者までなんか叫んで参戦。もう一回ききたいけど、結局やらなかった。指揮者はやさぐれ気味に楽譜のページをめくる。

次に象のパネルに乗って王様がやってくる。少年が悪口を言うので、処刑〜♪と王宮に連行。

休憩。早めに席に戻ると、英国紳士が二人、上手のソファーで小芝居をしている。ROHのロゴ入りナプキンを広げて、サンドイッチとアイスを食べる。紙袋からキラキラな双眼鏡を取り出して覗いたり、人形を取り出したり、てグッツの宣伝かよ!

王宮、中央の扉が開くとローマ風呂の絵(笑)バスローブ姿の王様と天文学者がでてきて会話。少年と王様の運命はつながっているので、殺してはならないと。

やってきた少年は、数人の黄緑のセクシーロングドレスのおねーさんたちに接待されてデレデレ。上手のソファーがよく見えん。

4人組がやってきて、大使が政略結婚をすすめるが牢屋にぶちこまれた。王様は大使の妻を王女だと勘違いしてベットルームへ送る。彼女の恋人が自分も行くとかいうのも事情がわからず止めない。一方、王女は再会できた少年と駆け落ち。王様も勘違いしたまま祝福して送り出す。

船のパネルが出てきたが、嵐になって大荒れで、銃声バーン。

ワインボトルの形の建物の扉が開くとグリーン・シャトーになっている。そこで王様と天文学者が、黄緑の液体を飲みつつ、少年が死んだ、余命数時間だと嘆いている。遺言かえない?イヤだ、とか。

大使の妻の恋人が、お約束の下半身ぬいで出てきて、女も下着姿で、人違いです・・・。王女は一人で王宮に戻ってきた。牢屋から出された大使が王様にまた結婚をすすめると、余命数時間だし、でもやっぱりするか!王女は逆らえない。

そこへ、ずぶぬれの少年が戻ってきて、王様と天文学者は生きながらえたと喜び、少年は王女と結ばれる。ハッピーエンド!

パネルばかりだがペラペラ感を逆手にとった、子供も大人も楽しめるいい演出だったなあ。物語も面白い。指揮もよかった。歌手はみなまずまず、Kate Lindseyが目立ってうまかった。ミュンヘンの「セビリア」で初めてみて気に入ったのだ。ロンドンのFigaroは見なかったけど、チェルビーノだったんだろうなあ、見ればよかった。

STAFF & CAST


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