1幕は天井までに壁に中央が開いてあり、奥まで斜めに光が差し込んでいる。そこから青いロングコート(最近のロンドンの主人公はこればっかり)のウェルテルが出てきてちょっと憂いてひっこむ。村長がきて子供に歌を教える。妹に続いて、シャルロットがきて、子供の相手をしていると、ウェルテルがまたやっきて、どっかーんと一目惚れ。
一回目は遠い席だったのでこのへんでちょっと退屈してしまったのだが、二回目は袖の近い席だったので、Vittorio Grigoloのラブラブ演技を堪能した。あと近いと壁に仕込まれた水のチョロチョロ流れる音が気になる。
二人で舞踏会に出かけると、中央の隙間に扉が閉まる。入れかえに彼女の婚約者アルベール(臙脂のスーツ)がきてもそもそ歌う。ずんぐり小太りで全く冴えない。すぐ帰っちゃった。
二人が帰ってきて、唐突にウェルテルが告白。シャルロッテも母の決めた婚約者いるとかいまさらな告白。ウェルテルは、もう死ぬとか言ってるし。幕が早めに下りてきたが、その外に出てなんか歌ってさる。絶望のはずだがラブ闘志メラメラだった。
休憩のち2幕。舞台を斜めに切ってテラスになっている。中央に小さい階段があり、奥の部分に降りる。下手にベンチがあるだけだが、いい感じだ。
男二人がベンチに座って小ネタをやったのち、ウェルテル登場。アルベールがきて、もう夢は忘れたかとか微妙に喧嘩うる。
妹がきてウェルテルを舞踏会に誘う。この片思いの妹(Heather Engebretson)、灰色っぽい紫の地味なドレスで細く小さく目立たないが、ソプラノがよくだんだん目が話せなくなる。最後の高音はちょっときついが、それ以外は歌も非常によかった。
シャルロットが一人できて、ウェルテルがくってかかると、でも結婚したのよ忘れてちょうだいと大人な対応。ま、キャリア的にもはるかに上のJoyce DiDonatoだしな。ちょっと旅に出たら、クリスマスには遊びにきてね、家族みんなも待ってるし。
若いウェルテルはしばし呆然としたのち、再び誘いにきた妹に「Never!」と言い捨てて去る。驚いた妹ちゃんが可哀想〜。シャルロットもそのことをきいてちょっと動揺。
休憩のち3幕。家。さすがのシャルロットもウェルテルの意味深な手紙をみて慌て、舞台を右往左往。妹ちゃんもようやく事態を理解する。クリスマスに、君は会いに来いといった、オレは二度とないと言った、どちらが正しいかいずれ分かる・・・
でもあっさり来ちゃうウェルテル。隣室に逃げ込んで黙り込むシャルロット。ウェルテルが帰った後、帰宅したアルベールは、銃を貸してくれというウェルテルの手紙を見つけ、さっさと銃を貸すことに。
場面かわって、立方体の部屋が奥からスライドイン。背後には雪がしんしんと降っている。ウェルテルの隠れ家で、ベットの脇で、腹から血を出している。シャルロットがやってきて、最初から好きだったのよ〜。遅いよ〜。ウェルテルは自分の墓場を指定し、墓参りに来てねと、めんどくせえ。ご臨終のち、子供達の歌声がきこえる。
最近のロンドンはシネマ仕様か細かすぎるセットと演技が邪魔だったのだが、久々に物語を邪魔しない舞台映えするシンプルな演出、と思ったらパリ制作。パリではAlagnaだったらしいんだけどね。
Grigoloはがんばった。カーテンコールの舞台キス&バンザイ!通り。前半にとばしすぎて高音までもたないところはあったが。難しいロールなんだよね。フランス語の発音に文句つけてる人もいた。年末にみるFlorezはどうなんだろう。
Joyceは全体的にうまいんだけど、高音が微妙にはずれてている気がしてならない。。。そう感じる人いないんだろうか。
Pappano先生の指揮は2回目の方がドラマチックに感じた。1回目は初日だったからかな。
でも二回目に出待ちしたら、二人とも超対応よくて、一気に気に入ってしまった(現金)。オシャレショールで颯爽と登場したヴィトはマイペンでどでかくサインして写真にも応じ徒歩で去る。遅れて来たJoyceはパンクな髪型で、ほんと時間ないのとわびたのち、SPが用意したペンでサインしてこれまた写真にも応じ、黒塗りのベンツに乗り込んだ。