2018.1.30: Strauss "Salome"

David McVicarの名演出2回目:

白っぽい煉瓦とコンクリの家、開いた壁から奥の部屋につながっている。上手に螺旋階段があり、上階では晩餐が行われているらしい(見えない)。下手に地下牢への丸い入り口がある。

数人の兵士たちと裸体の女がいて目を奪われていると、上階から白いロングドレスのサロメが降りてくる。テノールの兵士(ナラボート)は彼女の下僕となっていて、メゾの兵士がテノールに片思いしている。

サロメに言われて地下牢から予言者ヨカナーンを連れてくると、ヨカナーンはワイルドなマッチョで、サロメは誘惑を始める。テノールの兵士は失望して短剣で自害し、メゾが遺体に抱きついて泣き伏す。

上階からサロメの母ヘロディアスとヘロデ王と数人の裕福な人々が降りてきて、簡素な椅子に座る。母は鮮やかな青の美しいドレスでも醜い女で、ヘロデ王もタキシードだがハゲで小太りで醜い。上手の絨毯で紳士が裸体の女とたわむれている。

母の忠告もきかずにヘロデ王はサロメに声をかけ、何でもあげるから踊ってくれと。

家のセットが一気にはけて黒の背景になると、ワルツにあわせて、灰色のドア枠が下手から上手にスライドして、ヘロデ王がサロメと踊る。少女がちょっかいを出され、ドレスを与えられ、彼女の過去が明らかになる。音楽と演出がマッチした名場面。どんなバレエシーンでもこれにはかなわないだろう。

家のセットが戻り、サロメが銀の皿を持ってヨカナーンのdas kopfがほしいーーーと歌う。ヘロデ王は驚いて、違うものならなんでもやると言うが全くきかない。白マフラーの紳士たちと相談する。母が高笑いして勝手に兵士に命令する。マッチョな兵士はコートをぬぎすて、全裸になって地下牢に降りていく・・・

地下から戻ってきた兵士は全裸に血だらけで、ヨカナーンの首を手にもっている。サロメが受け取り、血みどろになりながらキスして狂喜する。母は愕然として椅子に倒れ込み、父は彼女を殺せと命じて立ち去った、はず。

David McVicarの名演出!!!ドラマチックで、簡素だが妙にリアリティがある。休憩なしであっという間。

タイトルロールはMalin Bystrom、高音はでないが、このロールはよかった。見た目の美しさは今回は目立たない。ヨナカーン役のMichael Volleは安定の出来だが、出番が少ない。王と王妃のマッドぶりもよかった。前回と比べて主要キャストは誰もかぶってない。

STAFF & CAST


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