2025.3.21: Pascal Dusapin "Il Viaggio, Dante"

ガルニエにて、フランスの現代音楽の作曲家パスカル・デュサパンの新作オペラ。チケット売り切れてたが、数日前に手頃な戻しが手に入った。2022年Aix-en-Provenceで初演。

幕があがる前に映像で森、走る自動車の前に赤いドレスの女が現れて、轢いた?

幕があがると舞台に女が倒れていて、胸から血を流すダンテが嘆いている。白タキの男がナレーションをやる。

左右に別れた部屋。女はベアトリーチェ、下手でメゾソプラノの若い男(これもダンテ)が恋人の死を嘆いている。上手に座ったダンテがそれを聞いている。黒ミニドレスの看護婦(Danae Kontora)がなんかいう。

老若男女の人々が椅子に座って審判を待っている。ダンテは無宗教なので、人々に声をかけても退けられる。キリストみたいな長いヒゲで杖もった男の隣に座る。

中央から赤いドレスの女が現れた、と思ったら男でかつらをとる。上手に白タキの男と女が二人構えて立っている、天使か?ダンテが女に触れようとしてもガラスの向こうで触れられない。

本物のベアトリーチェ(Jennifer France)もきて、白いドア枠の中で、若いダンテと抱き合う。ドア枠は墓になり、彼女の葬式が行われる。それと対称に下手では赤いドレスの男も横になり、ダンテが見守る。

人々が紺色のカバーに包まれて隠れる。一人だけ顔を出してなんか言う。そこはダンテがきた地獄。

ダンテが看護婦となんか話す。この看護婦の高音ソプラノがいい。

オレンジ色の背景、部屋の間の中央奥で、下手から上手へ裸の人々がゆっくりと歩いていく。煉獄で山を登っているのか。ベアトリーチェもきて、高音で歌う。こっちもいい。

最後は天国で、冒頭の部屋。ダンテが血を流し倒れている。昇天したのか?神学試問とかなかったような。

 * * *

字幕もあったが遠いのであまり見えず。現代音楽だが、ソプラノ二人の高音が非常によく、耳に残る。

Bo Skovhusの挑戦は称賛に値する。元々、演技はだが、「Lear」「Karl V」「死の家」とマッドで難しいばかり。

STAFF & CAST


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