2019.2.10: Ernst Krenek "Karl V"

クレネク(1990-91墺)の現代オペラの新演出。Bo Skovhusのイロモノシリーズ(失礼)

マイクでドイツの地名が次々とよばれる、征服していった町の名前か?

幕が開くと舞台一面の天井画に度肝を抜かれる。床は水で鏡の効果を出していて、背後に映像が映し出されているらしい。両サイドも鏡。さらに天井から滝がダーッと流れ落ちる。

黄色の角を数本つけた男が舞台前中央で歌う、これカール5世。十字架をつけた黒い現代服の男(神父)と語る。

舞台奥から運ばれてきて、包んでいた布がとれると、ピエタの形で美形の男を抱いた女。母は狂っていて彼を認識できない。が、リンゴを食べろと、ガラスの地球儀をくれた。

天井からシャンデリアのように人の塊がおりてきて、ばらけて、くんずほずれつ。全員、男なのだが。神父もめっちゃ参加していた。

両脇の鏡が移動して舞台を多い、客席を映し出す。なにか反乱が起きたもよう。イタリア戦争か?トルコが攻めてきたか?合唱団はオケ前にいるようで見えないが、鏡が合唱と客席を映し出す。

壺みたいな高い塔にもう一人の角男が座る。生涯のライバルであるフランス王フランソア1世。姉レオノールがその仏王と恋に落ちて再婚してしまう。

のち、ルターと議論したり。4人の女たちに責め立てられたり。

休憩の後も水はそのままでよかった。カールは中央の台で眠っている。

カールの妻イサベルが先に死んでしまう。イエズス会のフランシスコ・ボルハが遺体をグラナダに運ぶ。 最後はカールが神父になんか言ってご臨終。後を継いだのは弟のフェルディナント1世、ルター派を容認した。

これはオペラでなく別物のアート。そう思うと面白い。ラ・フラ・デルス・バウスというスペインの前衛パフォーマンス劇団が演出したらしい。

物語は史実通り。断片的でいまいち盛り上がりに欠けるが。

STAFF & CAST


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