冒頭、巨大な月を背景に二人の男が会話。字幕みて驚いたのだが、アントニオがカウンターテナー。。。
その後は何もない舞台で両側に作り込んだ厚い壁がある。壁は場面ごとに回転し、ジェシカはその上から恋人と会話する。
小休止のち2幕。ポーシャの家。舞台を樹木迷路が占拠していて、奥に金と銀と鋼の箱が置いてあり、さらにその奥に映像で迷路の俯瞰が映っている。その手前のリクライニングチェアにポーシャと女中が横になっている。迷路は上階からみた方が綺麗かも。
どっかの王子が二人きて、金と銀の箱を選んでサヨナラ。続いてきたバッサーリオは迷路を通りながら鋼を選んで彼女の心をゲット。でも白の変な服の伝令がきて、アントニオの船が難破したので、シャイロックに借りた金が返せないー。
休憩のち3幕。壁を動かして閉ざされた裁判所ができる。上手にアントニオ、下手にシャイロックが座る。中央の公爵が若い裁判官を招き入れる。変装したポーシャと女中。
原作通りのプロットで、1ポンドの肉はやるが血は一滴もやらない、元金の二倍返しもさっき断ったからだめ、じゃあ元金だけでもと言ったがそれもだめ、判断は公爵に委ねられたが、じゃあ財産の半分はアントニオに、ってひでえな、お前ら。アントニオはアントニオで、いやお前は今日からクリスチャンね、てさらにひどい。ここはギャグにしないと。。。
全幕通じてジュージュー言いまくってたのも。。。オペラの方がダメージが大きい。最後シャイロックは自分でしいた白いシーツにくるまってうずくまる。それを無視してポーシャと女中がバッサーリオとその友人から指輪を奪う。
場面かわって、ポーシャの家。先の箱が横になって置かれている。巨大な月が降り、青く光る。ジェシカとロレンツォがおいかけっこ。背後でシャイロックがよろよろ歩き箱を除く。箱の一つには火が燃えていて、もう一つは水か?
ポーシャらが帰ってきて、ジェシカらにでかけていたことを口止めする。バッサーリオらが戻り、指輪はどうしたの、実は私たちでした〜、で幕。シャイロックはガン無視。。。
微妙な拍手だったなー。途中で帰った人もいた。シャイロックとジェシカが黒人歌手だったのも余計。。。
月は綺麗だし、セット少ないけどKeith Warnerの舞台はさすがだった。5本みてるが、やっぱりこの人は演劇的にするとうまい。オテロみたいに舞台にお金かけちゃうとダメだけど。
問題は音楽だ。途中で録音みたいな音もあった。ほとんど歌になってるが、重要な台詞だけ台詞になる。メリハリがなく、ずっと退屈。物語はこんなに面白いのに。
アントニオがカウンターテナーなのが、原作にない要素を足しているような。バサーリオに対する「I love you, do you love me?」が別の意味に聞こえる。だから自分の肉をかけてでもお金作ってあげたのね。ってそんなのいらない。