2017.5.21, 25: Wagner "Tannhaauser"

現代最高のワーグナー指揮者Kirill Petrenkoの新作タンホイザー、地元スター歌手勢揃いなので、チケットは即日完売、地元民でもなかなか変えず、劇場関係者に頼んでもだめ。よってAbentkasseが開く前からSucheスタート。1番をゲットしたので、手頃なリターンを入手。ラッキー。おかげで開演前にカフェいってピザ食べる時間あった。

75EURも出したのに舞台が上手しかみえない・・・1階で近いけど。

有名な前奏曲が始まると半裸のアルテミスが大量に出てきて、月に映し出された目や耳に弓を射まくる!音楽に合わせて鳴る弓の音が邪魔なので、途中から舞台はみないようにして音楽に集中しようと心がけた。

最初ゆっくり始まった前奏曲は途中からぐぐっと盛り上がって、さすがKirill Petrenko、これだけもう泣きそう!

合唱が加わり、背後で男(タンホイザー役のKlaus Florian Vogt)が月に登っていくと、そのままヴィーナスの世界に突入。パン?みたいなものにスライミーソースがかかっていて、タンホイザーがいじくっていた。下手の方でヴィーナスが引き留めて歌うが見えない。全部みえると肉塊なのね・・・みえなくてむしろよかった。

ヴィーナスの声はまあいいけど、Meierで聞いちゃってるからなあ。Vogtは悪くない。声は前に見た時より伸びるようになっている。それでもこの裏声はやっぱり好かん。

ヴィーナスを振り切って、ヴァルトブルグに戻る。赤いマントに仮面をつけた男たちと議論。城主ヘルマンと親友ヴォルフラムらしい。ヴォルフラムはおいしい役なんだが、影が薄い。彼に言われてタンホイザが、エリーーーザベ!

この間、背後で白円盤が回転し、滴り落ちる赤い液体が模様を描くという趣向あり。意味がわからん。

休憩のち2幕。1時間休憩なのでがっつり仕事した。

合唱隊がでかい金塊を運んでくる。肉欲と金欲の対比なのか?

やばて舞台は天井から白いカーテン数枚に覆われる。それをぬってエリーザベト登場。白いドレスだが裸体が描いてあるような・・・歌はさすがのAnja Harteros、声は太めだが気高く、ビブラートききまくりで響き渡る。オペラはこうでなくっちゃ。

タンホイザーもきて再開。続いて、行進曲!!「マイスタージンガー」とかぶるんだが、テンションあがらざるをえない。金髪半裸の少年たちが出てきたり、寝転んで転がって退場したりしていたが、気にないことにしよう。

歌合戦をするうちにタンホイザーがヴィーナスのところにいたことがばれ、エリーザベトが命乞いをして、タンホイザーのローマ行きが決定。ヴォルフラムの優等生ぶりが対比となる場面だが、全然目立たない。

休憩のち3幕。

暗い舞台。中央に箱(祭壇?)があるだけ。エリーザベトがやってくる。無地の白いドレスだ。ネグリジェみたいな。

合唱団が小さな金塊をもってローマ巡礼から戻る。タンホイザーいない。その様子をみにきたヴォルフラムが嘆いて歌う。ここはすごいいい場面なのに!

中央に二つの棺がでてくる。AnjaとKlausと書いてある。役名のじゃないの?エリーザベトは殉教したのか、その一つに横たわる。白い布で覆われたカートが運ばれてくると起き上がり、上手手前の別の箱に座る。下手の箱ではタンホイザーとヴォルフラムがローマ巡礼について語っている(みえない)。ヴィーナスも参入。

Vogtの歌はいい。問題は、白い布のカートだ。数回、運ばれてきて、棺の上のものを交換するのだが、最初は新しい死体。顔が痩けた死体となり、緑の液体を口から挿入。腹が腐ってふくらむ。腹がへこんで川と骨だけになる。と、なぜか(!)ミイラの作り方を延々やっていた。最後は骨だけになり、骨壺がきて、灰だけになった。

その灰をエリーザベトとタンホイザーが手ですくって舞台中央の光る台にのせてまぜて、幕!

・・・音楽はすばらしかったので、カーテンコールも盛り上がった。初日なので舞台制作陣がでてきたら、ものすごいブー、私も思いっきりブーーーと叫んだ。ミュンヘン新作、やっちまった。前のDavid Alden演出よかったのに。ロンドンのがまだマシ。

 * * *

2回目。前回とほぼ同じ時間にいったのだが、既に20人くらい並んでいる。初日にプレスがいっぱいきてたからか、バイロイト顔負けのトンデモ演出が話題になったか、、、舞台はみえなくてもいいんだけど、Petrenkoの指揮がききたい。あの前奏曲がまた聞きたい。Abentkasseにリターンはなく、sucheもすごい争奪戦だったが、私はベストスマイルで最上階のHoreplazをゲット。みえないのに20EURか・・・

前奏曲は完全に座って集中、やはりものすごくいい。前に立ち並び立ち見客の肩越しに舞台の隅っこもチラ見できた。最上階だとだいぶ違って聞こえた。単に歌手のコンディションの違いかもしれないが。

1階できくとめちゃ迫力のあったHarterosよりVogtの細い声の方が伸びる。新人ヴィーナス(Elena Pankratova)もいい、デブだけど。ヘルマンもいい。Christian Gerhaherはやっぱりいまいち。普通の歌手がオペラに挑戦ということで、ドイツ国内ではものすごい人気らしいが、裏声だし、たまに張り上げた時しか聞こえないし、全体的に暗すぎ。

そもそも裏声歌手は二人もいらん。この歌い方だと、感情がたかぶった時に声から力がふにゃっと抜けるのが拍子抜け。たのむ、腹に力いれてくれ。どこがいいのかわからん。

しっかしKirill Petrenkoは最高。どんなにひどい演出でも劇場で聴く価値ある。Horeplazならなおよい。ギャラリーまで筒状の劇場を音がぶわーっとあがってきて、随所でゾクゾクした。

知り合いに挨拶しようと楽屋口いったらぞろぞろでてきたので、うっかりGerhaher,Harteros,Vogtのサインをゲット♪

STAFF & CAST


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