2019.8.1: Wolf-Ferrari "Il segreto di Susanna"

ヴォルフ=フェラーリの「スザンナの秘密」、こんな楽しいオペラがまだまだあったんだ!

木の壁がおしゃれな舞台。中央よりに入り口があるのはいつものHolland Park使用だが、いつもの入り口が見えないのが新鮮。舞台では既に二人のメイドがさぼってソファーで雑誌よんだり。

召使いのサンテがきて、埃を払い、花を運び入れ、香水をふりかけまくる。もろゲイな動きが面白い。

全身ピンクスーツの伯爵ジルが帰宅して、外で妻らしき女をみかけたと。グレーのコートにピンクの帽子だったと。伯爵が上手の部屋に消えると、伯爵夫人スザンナが帰宅、まんまその格好をしている。

中央上手寄りに奥の部屋につながるドアがあり、そこから妻が出てきて夫を迎える。ココアを持ってきたサンテが、臭いとジェスチャーするも伝わらない。それでも妻は夫を言いくるめて、ピンクのバラをまき散らし、ソファーの前の床に横になったところで夫が、やっぱり煙草の臭いがするー!妻は、あなたが出かけた時にちょっとした秘密はあるが、と火に油を注ぐ。夫は書類をばらまき、レコードを膝で叩き割ろうとし、キャビネットからアルコールのボトルを取り出し、飲んだくれて床で寝てしまった。

サンテがボトルをそっと取り上げてバラの花と入れ替え、部屋を片付けていると、夫が目を覚ます。妻が、また出かけるのでしょう、とコートと帽子と傘を持ってくる。不機嫌のまま出かけようとした夫をいなしたのに、帰ってきたら大きくノックしてね、とまたやぶへび。

さて夫がでかけた後、妻は。サンテとソファーで煙草三昧!

夫が帰ってきたので、サンテは煙草もったまま物置に隠れて、出てきた時には煙がもくもく・・・夫は家中を間男を捜すが見つからず、傘を忘れただけだと言ってまた出かける。

再び、サンテとソファーで煙草三昧!

また夫が帰ってきて、煙草を後ろ手に隠したがとうとう見つかり、あなたがやめろと言うならやめる・・・オレも吸うよ!と吸いまくってハイになって、下着ぬぎすて、奥の部屋に二人で走っていった。

サンテは一言も発しないので、ソプラノとバリトンの二人のみ。二人とも歌も演技もよかった。とくにソプラノは、ちょっと黄色めのいい声してた〜。指揮も丁寧で非常によい。若い美意識強そうな男だった。入場した時から客席にむけてオーラつくってるし。

STAFF & CAST

2019.8.1: Tchaikovsky "Iolanta"

休憩から戻ると舞台はがらっと変わって、半透明な壁の向こうにベットがあり、下手には鉄棒を三角形に組み合わせただけの、森を模したような現代アートがある。

天井から数本、数珠のように垂れ下がった電飾が灯る。半透明の壁の上端も電灯になっていて灯る。後で、下手の鉄棒にも灯りが灯った。

これはもう名作なんで。とおもったら、オケの始まりが遅く、音も美しくない。演奏が進んでも一向に美しくならない。むむむ。

ベットで女イオランタが起き上がり、壁の外に出てくる。続いて太った乳母と、女性合唱隊。みな灰色のスーツで白いスカーフをしている。イオランタと乳母が話している時、合唱隊は後ろに一列に並び、スカーフで口をふさいでいた。彼女が盲目であることを隠している意図だろうが、邪魔。

乳母が夫である門番と話したり、父であるレネ王が医者にみせたりするが、物語はしばらくグダグダ。伯爵のボデモンと公爵のロベルトがやってきて、家に侵入してからようやく物語が動く。

ボデモンはイオランタが盲目であることを本人にばらしてしまうが、二人は惹かれ合う。王がきて、彼女は手術を受けて、治らなかったらオマエ死刑とむちゃぶり。でも二人になった時に、あれは彼女を励ますために言っただけで、帰っていいよと。そんな命令すんなオレは伯爵だぞ公爵の友達だぞ、と言うと、その公爵ロベルトが男性合唱団の兵士達を連れてきて、王様〜。

ロベルトとイオランタは生まれつき許嫁だった。それを決行するもよし、破棄するもよし、王様が決めてください。イオランタはロベルトにやる!

手術が終わり、イオランタが壁の向こうから出てくる。まぶしい!医者が助ける。人の姿がわからないが、頬をさわり、父だとわかる。父は自分は年だから、この若者に託すと。その声は・・・大団円、のはずが、最後の盛大な合唱の直後、イオランタが崩れ落ちて、、、死んだの!?

演出からイヤーな感じはしていたので、それほど驚かなかったが。それより、演奏とソリストと合唱のハーモニーがもう汚すぎてげんなり。叫ぶばかりで、もはやただの騒音。

主役二人は歌える歌手だった。歌うだけで難しいオペラだから、歌えればそれだけで満足してしまうのであろう。感情表現は皆無。テノールに至ってはずっと悪人顔のままで、全くときめかない。唯一、感情的にぐぐっと来たのは父だったが、声量が足りず、声もくぐもってて残念。

David Butt Philipはもう15回目、Natalya Romaniwは2回目、「三人の王の愛」はすごくよかったのにと記憶してた。

もともとHolland Parkにすごい歌手なんて求めてないんで、演劇性を追求してくれないと。毎年よかったMartin Lloyd-Evansの作品もないし、芸術監督でも変わったのかな?今年の成功作は1/3のみ、もう来年からあんまり来ないかも。。。

STAFF & CAST


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