2018.4.9: Cavalli "La Calisto"

現代のドイツ・トンデモ演出の先駆者David Aldenの2005年作。いやー、久々にここまで奇抜な舞台セットみたわー。最近は「Semiramide」など大分落ち着いたが。

舞台下手の柱に電飾が施されているのでそんな感じはした。バロックの静かな音楽が始まると、上手で頭のやたらでかい男を尻のでかい女が映写機を回し、下手で巨大で不気味な赤子が這っている。幕には美しい女の映像が映し出される。

幕があがると、舞台を覆うピンクの黒の縞渦巻き。目が回りそう。下手には扉があり、後で開くと電飾が施されている。上手側に白いソファーが並んでいる。

衣装も奇抜。ゼウスの家来マーキュリーは全身金塗りでへんな角はえてる。肌色のシースルーのかわいいスカートをはいた女の子がやってきて、ゼウスに抱きかかえられて歌う。ゼウスが去ると、女の子はスカートを脱いで、黒水玉パンツをさらして歌う。演出は奇抜だけどみんないい声している。

舞台が回転すると天井へと続く黒い階段が現れ、ソファーが中央にくる。なぜか巨大なトカゲが背中にワインとグラスを乗せてやってきて、女の子がそれを取って飲む。

ゼウスが頭に月の電飾をつけた女アルテミス(ダイアナ)に化けてきて、女の子にキスをする。このシーン、男は口パクで、女がオケピで歌っていた。

カウンターテナーの人間の男がきて、

両腕に翼つけてる男とか、下半身が馬の男とか、わらわら出てくる、、ギリシア神話だしな。半身羊のもう一人のカウンターテナーが、ミュンヘンでおなじみDominique Visse、年取ってさらに奇抜なキャラになっている。。。白い花束を食いちぎって吐き捨てる。

女の子はだいぶ成長したのか、青のロングドレスで上手の小舞台で歌う。

舞台前面で、本物のダイアナがカウンターテナーの羊飼いと愛を告白しあう。

その後、最初の女の子がきて、ダイアナにあのキスがよかったと話すが、キスなんかしてないと言われて、絶望する。

休憩のち2幕。舞台前面中央にプレゼントの箱が数個積んである。

孔雀きた。孔雀を二羽連れた真っ赤なファーを来た小太りの女ヘラが、夫が浮気していると歌う。ワイフの悲哀を歌っていてなんか共感できた。

羊飼いがボコられて小舞台に両手をつながれる。

女の子の腹は膨らんでいるが、バーのカウンターでカクテルを飲んでいる。孔雀が二羽、カウンターに座る。ヘラにカクテルをもう一杯渡されて飲む。急に苦痛を訴え倒れ込み、ヘラが人形の子供(アルカス)を取り上げた!

女の子は青のドレスを脱ぎ捨て、プレゼントを開くと、毛皮のコート、手袋、ブーツを熊の頭が入っていて、それらを身につけて熊になる。ああ、女の子の名前はカリストであった!!

ヘラが去った後、ゼウスが来るが、熊になったものは助けられん、代わりにキラキラの世界を見せてやると、二人で黒い階段を上っていく。

ダイアナが来て、自分は愛されることしかできないとか言って、羊飼いを黒い棺桶に詰め込む。そんな〜

暗転のち、白い電球の並んだキラキラの空間で、純白のドレスのカリストが歌う。数面の女たちが同種のドレスで舞う。が、カリストはドレスを脱ぎ捨て、熊の着ぐるみに着替える。ゼウスが星座にしてやると!!

最後は動物たちがまた出てきて歌っておわり。合唱はなし。神々はやりたい放題。

ミュンヘンのバロックは安定している。Bolton先生ではないが、指揮者は弾き振りで、演奏も歌もよかった。歌はカリスト(Christiane Karg)と羊飼い(Tim Mead)が特によかった。両方ともGlyndebourne(ヒポリト夏夢)見ている。

設定はホテルに滞在する映画クルーらしい。。。

STAFF & CAST


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