CHIAKI's Diary

2012.10.23: Haendel "Jephtha" @Oxford

WNOのツアー公演。ボエームとか並ぶ中、私が選んだのはヘンデルの失明前の最後の大作オラトリオ。

１幕、中央に螺旋階段のある広間。人がわらわらでてきて、アンモン人との戦いの準備をしている。低い声は弟のZebul。指揮官Jephthaが神と「戦いに勝たせてくれたら、帰ってきて最初に出会った者を捧げる」と約束する。

場面変わって、はげかけた壁で覆われた控えの間に、若い男女とおばちゃん二人。おばちゃんに牽制されつつ、戦争に行くHamorにIphisがペンダントを渡す。Hamorはカウンターテナーなので早くも不運の予感。

Iphisは結婚式の準備をしている。娘たちにドレスの裾直しをしてもらい、髪をゆってもらう。

２幕。Jephthaたちが戦争から帰ってくると、広間の螺旋階段から、降りてきたのは、花嫁衣装をきたIphis。喜ばず愕然とする父Jephthaに戸惑うIphis。

Hamorが控えの間でペンダントを返してなんかいう。英語で歌って字幕もついてるのだが、古い英語なので意味がよくわからないのだ。

階段に一人座って悩むJephthaを天使が抱いて話しかける。

３幕。みなが集まる中、螺旋階段から白い膝丈のワンピースを着たIphisが降りてくる。父Jephthaに目隠しされ、手足をしばられる。それでも父のために喜んで死ぬとかいう。

Hamorが止めようと乱入して、母がそれを見てまた泣く。Hamorは上手の別室に連れて行かれた。

助けもいなくなり、いざ殺されるところで、ようやく天使が止めに入る。処女として過ごすなら死なんでいいと。みなは歓喜。

でも結婚どうなるの、みたいな。仰々しく語る天使の前でHamorとIphisが客席に背を向けて並んで座る。二人の顔はしばらく見えないが、立ち上がった時、Iphisが笑ってないのが印象的。

最後に男たちが集まって政治をしていこうという時に、HamorがすっとJephthaの脇について、結婚よりも出世を選んだらしい。

歌は、Jephthaはいまいちだったが、Iphis（Fflur Wyn）がかなりよかった。合唱も美しいし、ヘンデルはいいなあ。今日の指揮者はチェンバロ弾き振りではなかった。ネクタイがショッキング･ピンクだったし！カーテンコールも前に前に出てちょっと痛いイギリス人（推定）。

予想外によかった。丁寧な舞台セットと演劇的なシニカルな演出で、WNOはクオリティ高いね！昔からなのかな、David Pountneyが芸術監督になってからかな？来年はCardiff遠征するすー。