2018.11.10: Gershwins "Porgy and Bess"

回転舞台いっぱいに二階建ての木組みの長屋!アフリカ系移民の集合住宅。物語はほとんどそこで展開される。

家は柱だけで壁はなく、回転しても全部屋で起こっていることが見える。左右の奥行きのある部屋と、中央の横に広い部屋、一階にゲートがある。組み合わせが微妙に変わって、ゲートがないこともある。実によくできている。

始まってすぐ、下手の階段で、赤子を抱えた女Claraが歌う「Sommertime」!ガーシュインの有名な歌がこのオペラにあるとは知っていたが、こんな冒頭だったとは。

男達が中央でギャンブルをしている。上手のアタッシュケースを開いた男(Sporting Life)だけがいいスーツをきていて、あとはみな貧しそう。別の男がアタッシュケースの中身を物色しているのを見つかり怒られていた。赤子の父親Jakeもいて、赤子を抱えて歌う。

ゲートから足の不自由な物乞いのポギーがスクーターみたいなのに乗ってやってきて、みなに迎えられる。

またゲートから、チンピラ風の男Crownが派手な女ベスを連れてきてゲームに加わり、小太りの男Robbinsと喧嘩になり、いきなりナイフを出してぐさ!女に迎えに来ると言って逃げる。

みなそそくさと自分の部屋に逃げ、女が困っていると、ポギーが出てきて、上手の自分の部屋に迎え入れる。女はためらいながらも中へ。

いったん幕が降りて、長屋の遠景が映し出される。幕があがると、殺された男が中央二階に安置され、葬儀が行われている。ベスが未亡人Serenaに香典を渡そうとすると断られるが、ポギーがフォローして、受け取ってもらえる。

ゲートから警官が入ってきて、犯人捜しをするが、誰も何も言わない。

棺が二階からロープで降ろされる。

回転舞台がぐるっとまわって裏側。大きな船があり、Jakeら男たちも女たちもが忙しそうに漁の準備をしている。足の不自由なポギーだけが暇そうで、木の置物の人形を作って子供達に渡している。

弁護士がきて、ポギーにベスの離婚証明書を売りつける。元彼とは別に籍を入れてなかったみたいだが。

回転舞台がくるっとまわって、中央の台に大きなツナちゃんが置かれ、男が裁いて内蔵を取り出しながら歌う。

物売りの女がイチゴを売りにくる。警察に連れて行かれた男が帰ってくる。

休日、みなが島にピクニックに行く準備をしている。ベスも誘われ、断ったが、ポギーに勧められて、籠を持って行くことにする。

幕があがると、舞台かわって、波止場。桟橋でスーツの男が威勢良く歌う。この歌「It Ain't Necessarily So」も有名らしい。船が出るので、みな急いで下手へ。ベスも籠を片付けて他の女に続こうとする。

が、物陰から殺人者の元彼が現れる。島に潜んでいたらしい。女は必死に断っていたが、船の汽笛が鳴り、ついに誘惑に負け、男が上着を脱いで上半身裸になって暗転!

三舞でなく二幕構成。ここで終わるのはテンションあがるわ〜。

長屋、ポギーの部屋のベットでベスがうなされている。信心深い女Serenaがきて、祈りを捧げると回復したらしい。

二人で外に出て、ポギーは元彼との出来事を報告。でも好きなのはあなたよ〜。

嵐。紗幕に雨の映像がふりつける。回転舞台がまわって、難破している船が映し出される。Claraが悲鳴をあげて海に飛び込む。潜んでいた元彼も勇ましく海に飛び込む、はず。

次のシーン、今度はベスが下手の階段で赤子を抱えて「Sommer Time」と歌うので、誰の子?と悶々とする。あらすじでは三週間後なので、嵐で遭難した夫婦の子をあやしていたらしい。

元彼は死んでなくて、夜、ベスを狙って下手の階段をあがろうとする。ポギーに出くわし、ボコるが、逆にざっくり殺されてしまう。えー。

また警官がきて、シラをきっていたポギーだが、連行される。

ひとりぼっちのベス。スーツの男が薬を渡し、一緒にニューヨークにいかないかと。最初は断っていたベスだが、ポギーはいつ釈放されるかわからないなどと脅され、二度目の薬を飲んでしまう!

死体の顔をみせられてもシラをきり通したポギーが、逆にいい服をきて颯爽と帰ってくる。ぎこちない住民。ベスはどこ?土産にドレスを買ってきたんだ。。。別の男とニューヨークに逃げたよ。

波止場まで追いかける!と不自由な足を引きずりながら、舞台奥に消えるポギー!!

最後、ベスが帰ってきてハッピーエンドになるのかと心配したのだが、悲劇を暗示するだけの終わり方が非常によかった。

歌手はベスと警官と弁護士以外はみな黒人。歌い方もゴスペルで、音楽的にはオペラの感じはしなかった。小太りの女と男、やせ形の男が2−3人ずついたので、キャラの区別がつかん。

でもポギーとベスはキャラが立っていて、テンポよく、演出も素晴らしく、予想外に非常によくて大満足。

「Sommertime」が気になって、YoutobeでRenee Flemingのを聞いてしまうと、、、黒人じゃないものすごいゴスペル感でかつオペラで、今日の歌手との差が歴然。。。

STAFF & CAST


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