2014.7.16: Donizetti "Maria Stuarda" #2

幕はなく巨大なプラインドがかかっている。ブラインドがあがると、下手の男が人形の首を斧でチョンパ。

1幕、宮殿ぽい背景の幕の前にソファーが並んでいるだけ。入ってきた人々は現代服なのに、一人だけ茶色のでかいドレスのエリザベス女王が入ってきて、かつらをとって、ハゲになって歌う。なぜ。

ソプラノなのに太い声、高音がちょっと怪しいが、まあ歌えてる。Carmen Giannattasio、「ボエーム」の代役できいた時はずいぶん弱かったが。

遅れてロベルトがきて、遅れたことを叱り、指輪を渡すが無反応。マリアとの面会を条件に、服を脱がせてあれあれ。

テノールの声はFlorezにそっくりで、声量もいいが、かなり荒削り。Ismael Jordi、「リンダでシャモニ」でFlorezの裏だった。

明転のち2場。なんか白い壁ようなものが部分的に置かれた部屋。下手にテーブルと椅子があるだけ。白い部屋着のマリア・スチュアルダが、侍女とともに、下手の壁に映し出される懐かし映像をみた後、部屋の壁いっぱいにヒマワリ畑が移る。白い壁はこのためだけ。

Joyce DiDonato、さすがにうまいや。息のこもったような声は好きではないが、声域的に高音で声量がおちるのは仕方ないとして、低音から高音までほぼ同じ感じできっちり延ばして丁寧に歌うのはさすが。丁寧すぎて感情表現が二の次なのががいまいち好きになれない理由なのかも。

ロベルトがきて、抱きしめ(おいおい、お前さっき女王と・・・)、女王と会ったら平身低頭でいろと告げる。侍女が真っ青なドレスを持ってくる。

同じ場面にエリザベス女王登場。家来が下手のテーブルにクロスをしき、食事を並べる。青いドレスに着替えたマリアがやってくる。ロベルトの話になり、嫉妬に燃えてけなすと、マリアもキレて「アン・ブリンの娘のくせに!」テーブルの食器を叩き割る。これ毎回割るんだ。

休憩のち2幕。セット変わらず。

女王がマリアの処刑を決める。ロベルトがやめてくれと頼みにくるが、女王は処刑を目撃しろと命じる。 マリアが味方のタールボット卿に、冤罪だが、他の罪を懺悔する。ヘンリーは自分のせいでああなったとか、旦那のことか。

下手の壁がスライドすると、処刑部屋になっている!斧を持った男が待っている。上手の広場に人々が集まり、蝋燭をともす。侍女もいる。部屋に女王がきて、ブラインド越しに人々と会う。

椅子に座らされ、服を脱がされ、ハサミでざくざく髪を切られる。これ毎回切るんだ。

ロベルトがきて、ブラインド越しに手をとるが、マリアの方から断ち切る。

首チョンパの時がくるとブラインドがするすると自動でおりて、角度も変わって、中は見えなくなった。なんて無駄なセットなんだ。

演出はWNO版の圧勝。

ほんとよくできたオペラだが、女二人の声が低めなんだなあ。どちらかをメゾでキャスティングするらしい。Sonia Ganassiとメゾ・メゾ対決してほしいなり。

STAFF & CAST


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