2019.8.13: Rossini "L'equivoco stravagante"

第一音からいい音してた。一昨日のモヤモヤっとした演奏はどこへやら、ふつーにパリッと演奏しているRAI楽団。ベテランCarlo Rizziの指揮は典型的なロッシーニで、スピーディでリズミカル。重唱など若干早すぎで歌手達がついていけてないのもご愛敬。WNOとかミラノとかで聞いたけど、いつも勢いがあっていい。

でもこの序曲はびみょーだ。他のロッシーニの素晴らしい序曲たちに比べると。

舞台は白地に金のオシャレなカーテンに包まれていた。淡い黄緑のジャケットを来たテノールくんErmannoが出てきて、カーテンの向こうを伺いつつ歌う。この家の娘に恋しちゃってる。

カーテンがあがると、男女の召使いが思いっきりくんずほぐれつ・・・彼の純愛との対比がいい。大勢を変えてまたくんずほぐれつ・・・あ、部屋の内装は天井から床まで同じ白地に金の模様だが、遠近法で部屋の形はわかる。壁に牛の絵が飾られている。

続いて家来たちに扮した合唱団が十人くらい出てきて、雑巾で床などを小さく細かく拭きつつ歌う。茶色の服をきた主人Gamberottoがやってきて、体が痒いよー。太った格好をしているが、歌手自体は痩せている。主要登場人物はみな高いつけ鼻をつけている。

召使い二人がErmannoを哲学の教師と紹介する。

みないなくなった後、娘の許嫁の金持ちおやじBuralicchioが登場。女の召使いをつかまえてくんず・・・逃げられたら椅子で・・・この歌手Davide Lucianoは最近、毎年のように出ている。声量あってうまいけど、演技は若干やりすぎで鼻につく。

後ろが壁で覆われてる舞台装置のせいか、音が跳ね返ってかすかにハウって聞こえる。ほんとこの会場の音響、悪すぎ。今日も安いギャラリー席なので音はましなはずだが。回りのイタリア人たちがずっと喋ってるのが難点。

その箱入り娘でErnestinaが登場。白いゴスドレスに眼鏡で太ってる・・・Ermannoがなぜ恋してるのか謎だが。文学の中にだけ生きていて、発言がいちいちおかしい。彼女はまだBuralicchioと結婚するつもりだが、BuralicchioはErmannoに対しジェラシーに燃える。

召使いカップルにそそのかされ、天井から首輪が降りてきて、Ermannoは自殺未遂。Ernestinaが停めたが、警官隊がやってくる事態となる。

テンポよく熱かった!休憩のち2幕。

舞台は前半と変わらないが、中央に壁と同じ柄のベットがある。また家来たちが掃除している。また召使いカップルがたくらみ、Buralicchioに手紙をみせ、Ernestinaは去勢した息子(!)で、兵役逃れのためと、カストラーととして歌で稼げるように。

Buralicchioは一人でErnestinaと会い、やはり男ぽいところがあると、軍隊に脱走者として通報する。

ErmannoはGamberottoに金を渡され解雇となった。

ErnestinaとErmannoは並んでベット座っていい感じになって、壁がパカッと開いてベットごと消えていった。

なんだかわからんが5人(召使いの女のみ)が重唱しまくるところに軍隊がなだれ込んできて、Ernestinaを逮捕、縄でくくって連れ去ってしまった!

召使いの男があれ失敗たっだんじゃね、と言い、GamberottoはBuralicchioに何してんだと激怒。

上手の隅の部屋が少しひらいて、監獄が現れる。Ernestinaが本がないーと言うと、Ermannoが壁の高窓から現れて、兵士の服を投げ入れる。Ernestinaは白いドレスを思いっきり脱ぎ捨て、兵士の服に着替えて脱走。

部屋に戻ると、牛の絵がスライドして、ってこれ絵じゃなくて窓だったのね。兵役中のErnestinaが「War and love!」とかいってる・・・単に影響されやすいだけの子だった。

最後はBuralicchioがカストラートなんかいらねえといって(そりゃひどい誤解だ)、若い二人が結ばれる。

初期作品にしてロッシーニのアルト好きが・・・重唱にもソプラノボイスがほしいところだが、そういう物語なら仕方ないや。

ROFの前作はEmilio Sagiらしく、それはそれで見たかった。

STAFF & CAST


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