2019.5.27: Puccini "Tosca"

タイトル「カヴァラドッシ」、いつもの万歳カーテンコールも大袈裟じゃない出来だったVittorio Grigolo、あのBryn Terfelのスカルピアをぶち負かしてた。Kristine Opolaisじゃ全く相手にならない。二幕でナポレオンが負けた知らせが入り、「ヴィクトーリオーーー!」って言ってたのが物語のピークだった。

Grigoloはいまイタリアオペラやらせたら一番だな。終始、高音にちゃんと届くか常にハラハラさせられるが、感情剥き出しの演技とあいまって、当たると余計に感動する。この若さ熱さにはちょっと誰もかなわない。Kaufmannは暗いしFlorezは余裕ぶちかましたところが鼻につく。Florez先生は先日のメトでのAlfredoデビューに続き、来年3月にはRodolfoデビューだとよ。私の最近のいちおしBenjamin Bernheimはうまいけど大人しい。

といっても主役はAngela Gheorghiuよりは全然歌えているんだが。衣装も派手だし、痛いキャラなので、もっと華がないとなあ。一幕は奇抜な黄色のドレス、二幕は銀のステージ衣装。Gheorghiuも歌うのだが、Terfelとは組まない、負けるから?

Terfelのスカルピアは有名で、Grange Parkの客席にいた時も披露したくらい。私は初見だが・・・あれ、こんなもの?声量おちた?みなSirになると・・・Keenlyside,Connollyと次々と衰えて、イギリスは新たなスター歌手が必要だ。

Jonathan Kentの名演出。1幕は中央にバロックぽい階段を置き、上空に祭壇、舞台上に礼拝室の構造がいい。絵は下手に。2幕のスカルピアの執務室は上手にテーブルがあり、拷問は下手の隠し扉の向こうで。上手に窓があり、スカルピアがトスカに言い寄る時にわざわざ窓を閉めたりする。3幕は柱が数本ある死刑場で、男がなぜか半裸で沐浴をする。

来年はNetrebko & Terfelで再演、楽しみだ〜。でもGrigoloじゃない・・・

STAFF & CAST


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