音楽が始まる前から上手手前にイアーゴが立っている。ちょっと間があいて気持ち入れ直してた。音楽始まると合唱団が手をつないで踊る。赤い旗を持ったオテロが凱旋。おお、予想外にいい声。
白タキにステッキのロデリーゴがデズデーモナに失恋したと、イアーゴが慰める。黒いドレスの女が踊り、それに合わせて合唱団も踊る。Iagoが床の蓋を開けて火を落とすと炎があがる。背景は一面、巨大なガラス窓で奥に煙があがっている。お見事な舞台はDavid Alden。
紺の巨大なカーテンが閉まり、シンプルな机が出てくる。イアーゴがカッシオに酒を勧める。兵隊たちが乱闘を始めると、オテロがきて「デズデーモナが起きちゃうじゃないか!」と怒り。やってきた彼女と床に座り三度キス。それを奥の暗闇でイアーゴがじっと見ている。
Gwyn Hughes Jonesは伸びるいい声してたけど、金星のとこの高音はつらい。オテロは白人なのだが、デズデーモナが黒人歌手で、入れ替えの構造はいまいち歌詞と合わないような。。。Elizabeth Llewellynは声はまあまあ出てるけどまったく棒。
暗転のち、場内。同じ背景だが机と椅子が並んでいる。下手の机に寝そべるカッシオにイアーゴがデズデーモナに頼んでみろと。デズデーモナがピンクスーツですらーっとした金髪秘書エミーリアを伴ってやってくる。女性合唱が舞台にいないのが残念だが、ダンサーたちが黄色の花束を持ってきて渡したり床に置いたり。書類をちら見したのち、カッシオと話す。
イアーゴが一人、舞台の下手面に片膝たてて座って悪だくみ歌い。
オテロがきて、下手の机に二人で座り、オテロの言葉を繰り返しながらジェラシーはよくないよと。明言はせず去ろうとしたところを引き留められ、自分が嘘つきなら良かったんだけど、二人がいるとこを見たと。キレて紙の地図?を引き裂くオテロを、舞台中央の後方でニヤーッと見つめるイアーゴの顔、ご飯三杯いただけます。高音パートが全然でなくてここみたいな小劇場でないときつかったが。
再びやってきたデズデーモナがオテロにカッシオの復職を頼むのが上手場面。下手ではイアーゴが妻だったエミーリアを突き飛ばしデズデーモナのハンカチを奪う。ここ夫婦の感じがしないす。エミーリアの方が背が高いし。。。
このあとの4重唱がいまいち決まってなかった。指揮者のせい?オケの独特のこぶしもいまいち決まってないし。休憩!
まあ前回はPetrenko指揮だったからな。。。
舞台はカーテン閉まっててソファーが上手と下手に一脚ずつある。空気読めないデズデーモナがまたオテロにカッシオのことを頼み、怒られて逃げる。白いネグリジェでつっ立ってるからお手伝いさんかと思った。
オテロは背後のカーテンに隠れ、イアーゴがカッシオに質問して発言を引き出す。ハンカチも出てきたので、オテロが出てきてキレる。この演出は自然で非常によい。
そこへヴェニスの大使一行が到着。デズデーモナも白のジャケットを羽織って再登場。オテロはずっとキレてて威厳なし。イアーゴが計るまでもなく自滅。
舞台かわって、上手に小さなベットがでてくる。デズデーモナがエミリアに花嫁のブーケを持ってきてもらい、それかぶって寝る。下手からオテロが出てきて銃でバン!銃殺ですか!!
デズデーモナは死んでなくて、床に仰向きに座って歌う。ここの歌が一番よかったかも、この歌手では。でも配置がいまいち美しくなく、同じく床に倒れたオテロと離れててキスできないし。
イアーゴは上手のソファーに座って笑うでもなく不適に見てた。
まあ予想通り完全にオペラ「イアーゴ」になってた。オテロもデズデーモナも脇役。Keenlysideはただでも目立つからこんな押し演出にしなくてもいいんだけどなあ。そうでなくて主役を食う方がむしろ面白い。。。