ネモリーノがしあわせになれてよかった・・・と涙した。彼は最初から最後まで全く手を抜かずにずっとその役になりきっていて、他の難しい演目に比べたら、こんな簡単な歌、手をぬいてもよさそうなのに、歌も芝居も全力投球。他の人が歌ってる時もちょこまかワイン飲んだりバナナくったりリンゴくったり小銭数えたり、、、ノリノリの座長だった。
1幕、上手に女の家。村人達がわらわら集まり、アディーナの本の話をきいている。後ろの方、下手側は小屋で、Florezがうろうろしている。若い農夫のネモリーノ、彼女をみつめてデレーっとして近づこうとして蹴り出されたり、いつものベタなコント(らぶり〜)。
緑色の軍隊がきて、軍曹ベルコーレがアディーナに求婚するので、ネモリーノも慌てて告白する。アディーナもまんざらでもないが、あえて邪険にあしらう。
ワイン樽みたいな車をひいてインチキ薬売りのドゥルカマーラがやってきて、ネモリーノに惚れ薬を売りつける。買ったワインをじゃくじゃく振って、ごくごく飲む。
ネモリーノが自信満々で面白くないので、アディーナはベルコーレの求婚を受け入れると宣言。
2幕、アディーナはベルコーレとの結婚式を引き延ばす。
ネモリーノは薬売りにもう一本くれと頼むが金がない。ベルコーレに誘われて、軍隊に入る契約書にでっかい×印でサインしてしまう。その後は何を言われても聞かずにうれしそうにもらったお金を数えている。薬売りからまたワインを買って、じゃくじゃく振って、ごくごく飲む。
村の娘達が、ネモリーノの叔父さんが死んだので遺産が入ったという噂をして、やってきたネモリーノに色仕掛けをする。ネモリーノはデレデレー(らぶり〜)
アディーナは、薬売りからネモリーノが軍隊に入ったことを聞き、涙を見せる。
ネモリーノが一人静かに登場して上着を片手に有名なアリア「人知れぬ涙」。完璧お見事。ここでしつこく観客の拍手、アンコールやるまで絶対やめないみたいな。ここでアンコールやったのは、PavarottiとVillazonだけらしく、みなFlorezにもやらせようとしているのだろう。
Florezはやりたくなりそうだが。観念したように上着を置いて、もう一度歌う。気持ち戻すのがちょっと辛そうだったけれど、また完璧お見事。終わるとすぐ物語に戻っていった。オケももうやらないという意志の現れなのか、ハープのおじさんが速効で退場してしまった。
アディーナが契約書を買い戻してやってきて、告白する。ベルコーレは別の女と結婚し、薬売りは薬を売りさばいて、ハッピーエンド!
クラシックな王道の演出、ウィーンらしい。固定の舞台セットがあり、木があって背景に風景があがかれ、衣装もクラシックで落ち着いた色彩、小道具も王道、演出も王道。と思ったら、Otto Schenk演出だ。
ソプラノ Sylvia Schwartz は初見で、まあ悪くなかった。後半に歌が難しくなるといまいちだったが。
終演後、出待ちしたら、すごい人だかり。中に机出して、ゆっくりサインしてくれた。「おなかすいたんだけど」とか小ネタ挟みながら。バナナ食べてたじゃん!リンゴも食べてたじゃん!とつっこまれたいのか?(らぶり〜)パリでもらい損ねた「連隊の娘」のDVDにもサインしてもろた。