2019.5.30: Berlioz "La damnation de Faust"

黒い木の壁で囲われた舞台。上空には席が一周あり、鬼の面をつけた人々がいる。舞台には鬼マスクに黄色いほぼ全裸スーツ(下着つけてるけど)のダンサーたちがでてきて、ストレッチをする。中央には悪魔マークの白い椅子が一脚、客席に背を向けておいてある。

悪魔がでてきて、フランス語で喋る。音楽が静かに始まる。これ楽譜通りなのか?

緑のセーターのファウストがでてきた。小太り。。。声はまあまあ。Allan Clayton、記憶になかったが見るの4回目、「ハムレット」はよかったのだが。

Richard Jones 新演出、ロンドンでの最高傑作「Katya Kabanova」を踏襲する。木の舞台をもとに、舞台セットが高速で素通りしてどんどん場面が転換し、ファウストの人生を描いていく。合唱団はずっと上空にいて、時折、白い手袋の手を一斉に出してたりもする。

最初は家族、緑セーターの子供の家族が中央のテーブルで輪になって食事をしている。立ち上がって踊り出す。

軍事学校で教鞭を執る。黒板を返すとヨーロッパの地図にドイツ軍の行程が矢印で示してある。学生たちが勉強机を移動しながらからかう。ファウストは軍事学校を追い出されて、扉の外に出る。

本屋、フェスティバルのパンフが山積みされている。どんどん売れて、最後の一冊を男が買う。ファウストはその男を刺し殺す。

バーにいると悪魔がきて、契約してしまった。

うーん、音楽が・・・最初は勢いがあったのだが、だんだんテンションが下がってちょっと眠くなってしまった。残念。

マルグリットを見初め、彼女の家に行く。置いた母、毒の便が机にある・・・ここで全員が合唱するのがすごいよかった。この1−2分だけ巻き戻してみたいくらい。Julie Boulianneも二回目。

休憩。ここまで1時間半と長い。またレストランで食事。

マルグリットの家続き。彼女は身重で、ドラの外でファウストの帰りを待っている。出入りして、彼女が追い詰められているのがわかる。老いた母に水を無理矢理飲ませる。何度も何度も。

母殺しの罪で収監される。警官たちと黒い箱でてくる。ファウストが会いに来るが、現実をつきつけられ、マルグリットに会うことができない。彼女は子を産んだ。

天井から大きな斧が下りてきて、群衆の影に隠れてみえないが、上がった時は血がついている。彼女は市警になったのだろう。

音楽が若干激しくなり、悪魔達が手足をばたつかせて踊る。いまいち盛り上がらないが、かの有名な「ワルプルギスの夜」かな。ファウストが馬かけて走る、はず。

このあとはファウストが一人で静かに終わって、原作の二部はあまりやらずに終わる。45分短い!

かと思いきや、また悪魔が出てきて、拍手する観客を制止、ダンサーたちががっつり踊って幕。このエピローグは譜面通りのはず。悪魔のキャラは普通によかった。Christopher Purvesも3回目。

Richard Jones演出、また策に溺れた感じかなあ。2016年のLaurent Pelly演出みたい。有名になった演出家に金だけどっぷり与えて準備期間は少ないのとか?

まあそれでもきっちりドラマはやってくれて面白かったけど。アジアの古い舞踏をまねているのだろうが、絵的に美しくないのが最大の難点。

ファウスト原作のオペラは三つ、グノーが一番有名で音楽もいい。ボイトのは「ワルプルギスの夜」がいいのと二部もやるのが異色。

STAFF & CAST


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