2019.2.21: Janacek "Katya Kabanova"

Richard Jones最高傑作。舞台中央に女性の写真。幕があがると、床と壁が明るい木でできている。広場で、人々が行き来する。中央のベンチに女(カーチャ)が取り残され、座り込む。

場面かわって、家の居間の壁がでてくる。出窓にカーテンがかかっている。さっきの女が姑に怒られて、灰色チェックの地味な服を着る。

家がはけてまた広場、釣り竿をもった男が三人、オケピから魚を釣り上げる。魚うごいてるし。本物?それはこの場面が川沿いの町だから。若い男二人が会話、ボリスとちゃらいのがクドリヤーシ。ボリスが人妻に恋したと言うと、既婚者やめとけと忠告される。

教会は下手奥にあり見えない。そこから出てくるピンクのワンピースのカーチャをボリスが遠くから眺める。カーチャが姑に怒られ、夫は軽く止めようとしたがすぐに諦める。義妹が兄は最悪とか言い捨てて、みな去る。

また家。夫の出張が決まった。カーチャは行かないでと頼むがダメ。車は窓の外に停めてあり、下手から上手へ水とか荷物をもった作業員たちが通り過ぎる。若い女たちも車に乗り込んだが、カーチャが乗ろうとすると引きはがされ、車は行ってしまった。

姑は嫁いびりした後でかけて、家にはカーチャと義妹の二人きり、窓辺に座る。やんちゃな義妹は好きな人のことを話はじめ、裏庭の門の鍵を盗んで二人ででかける。家には近所の爺(商人ジゴイでボリスの叔父)が来て、姑マルファとSMちっくに別室に消える。

家が回転すると裏庭になる。その家が後方にスライドアウトすると、街灯とベンチのある通りになる。ここの転換は秀逸だった。クドリヤーシがウクレレ弾いてるとボリスがきて、女二人がそれに合流する。ようやくカーチャがボリスにベンチに押し倒され。。。

休憩のち3幕。

ふりしきる雨。バス停がぐるぐる回り、人々が雨宿りにやってくる。夫と姑と一緒にいたカーチャが、ボリスと遭遇。取り乱して、不倫を告白してしまう!「山荘」を「バス停」に読み替えたこのシーンも秀逸。

義妹はクドリヤーシと駆け落ちした。カーチャの元にはボリスがシベリア行くと別れを告げに来る。一人、ベンチに座り込むカーチャ。合唱団が背後に並んで歌う。

次のシーンは広場で、夫チホンの元に、釣り竿もってた男たちがピンクのワンピースを着たカーチャの遺体を運んでくる。チホンが抱いて立たせてももう動かない。それを姑が引きはがそうとしている・・・

いやー、最後までこれでもかと追い込む演出!演劇的なのはいつもだが、転換がスタイリッシュで物語をえぐる。歌手はみな無名だが、みな歌も演技もよく、文句のない出来。

STAFF & CAST


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