CHIAKI's Diary

2012.8.18: Rossini "Il signor Bruschino"

今日は町中のTeatro Rossini、ここは最上階のギャラリー自由席が当日券で出る。いい席を取るには早くに行かないといけないが、サイドで立って見る分には並ぶ必要なかった。

ロッシーニ初期の１幕オペラ、ファルサ「ブルスキーノ氏」。

舞台の上手袖には「ウィリアム・テル」とか書いた道路標識がある。幕があがると二階建てのモダンな白い家のセットがあり、下手前は緑でゴルフをやっている。

序曲がなかなかよかったが、芝居がどんどん動いてるので音楽に集中できないー。役者が数人出てきて、原色系のオペラの衣装に着替える。アシスタント･ディレクターがオケにも指示を出したり、カメラマンが写真を撮ったり。役者以外は普通の現代的な服を着ている。

太ったおじさん二人が、ガウデンツィオが後見している娘ソフィアと旧友ブルスキーノ氏の息子との結婚を決める。

白い家はガウデンツィオの館で、若者フロルヴィルレがやってきて、歌う。このテノールも悪くない。背が高くてすらっとしてるので双眼鏡を合わせたら顔はいまいちだ。女中マリアンナと話す。

娘ソフィアが中空の橋に出てきて、風船もったフロルヴィルレと合唱。このソプラノ、歌えてない！橋の上と下で相手の歌が聴きにくいのか、音程が取れてない。

フロルヴィルレの父親とガウデンツィオは昔からの犬猿の仲で、ソフィアに別の結婚話があると聞かされて嘆く。

宿屋の主人フィリベルトがやってきて、金を使い果たしたプルスキーノという若者を閉じ込めているので、父親に助けを求る手紙をガウデンツィオから渡してほしいと。

フロルヴィルレはそれがソフィアの結婚相手だと気づき、彼になりすますため、自分は「ブルスキーノの従兄弟」と言って、借金の半分を支払い、しばらく閉じ込めておいてくれと頼む。

ガウデンツィオがやってきて、マリアンナが、フロルヴィルレが書いた偽のブルスキーノ息子の手紙と似顔絵を渡す。フロルヴィルレが連れてこられると同じ顔。でもブルスキーノ父がやってきて、これは誰だと。

ソフィアもブルスキーノ父に「息子」と結婚させてと頼む。警官がやってきて筆跡鑑定しても、手紙もフロルヴィルレが書いたので、本物と断定される。宿屋の主人にきいても、フロルヴィルレは「借金をしている人」で「ブルスキーノという名」だと証言する。

宿屋の主人に未払いの半金を請求されて、ブルスキーノ父は偽のブルスキーノ息子が何か企んでいることを理解する。

ガウデンツィオはソフィアが「ブルスキーノの息子」を気に入ったのを喜ぶが、ブルスキーノ父が「息子」を認めないのが解せない。

ブルスキーノ父は物陰からフロルヴィルレの独白を聞いて理解し、協力することにする。が、宿屋の主人が本物のブルスキーノを連れてきて、ガウデンツィオは怒る。が、ブルスキーノ父にたしなめられて、二人の結婚を認め、ウエディングケーキが運ばれてくる。

物語は面白かったと思うが。途中で、俳優の家族が撮影所を見学にきたり、子供達が見学にきたり、ソファーでいちゃついてた男女が陰でなんかしてソファーがゆらゆら揺れて、かつ中央に転がり出てきて抱き合ってたり。「ウィリアム・テル」の一節を弾いたのもあった。余計な小芝居が多くて集中できないー。

ソプラノがダメダメ。一人だとちゃんと歌えてコロラトゥーラもできてたのだが、最初だけでなくすべての合唱では音が取れなくて自信なさげ。ブーも出てた。